江蘇料理・苏菜镇江肴肉
鎮江肴肉レシピ本場江蘇・鎮江の配合を徹底解説

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。
鎮江には「鎮江三怪」と呼ばれる名物があり、香醋・鍋蓋麺と並んでその一角を占めるのが、豚すね肉を煮こごりで固めた冷菜「肴肉」だ。地元では「肴肉不当菜(肴肉はおかず扱いしない)」と言われるほど日常に溶け込み、朝の茶や麺のお供として気軽に食べられている。一方で、1949年10月1日の「開国第一宴」では冷菜の一皿に選ばれ、満座をうならせたとも伝えられる。
由来として語られるのは、小さな酒屋を営む夫婦の失敗談だ。妻が爆竹用に買ってきた「硝(硝石)」を、夫が塩と間違えて豚足を漬けてしまった。水にさらして弱火で煮たところ思いがけずよい香りが立ち、その香りに誘われて八仙の一人・張果老が現れて舌鼓を打った――という筋書きである。ただし網易の記事によれば、この「肴肉不当菜」の民話は、鎮江の群衆芸術館長だった康新民が1961年から聞き取りを重ねて芸術的に再構成し、1980年に『江蘇民間文学』で発表したものだという。昔から語り継がれた伝説というより、聞き取りをもとに整えられた「創作民話」という面がある。
苏菜(江蘇料理)らしく、見た目は澄んだゼリーに淡いピンクの肉が透ける「水晶」のような美しさ。そこに細切りの生姜と鎮江香醋を合わせるのが決まりだ。本記事では、本場で使われる硝石を使わず、塩だけで漬ける家庭向けの配合に落とし込んでいる(理由は有料部分で説明する)。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(4〜6人分・15×10cmの保存容器1個分)
塩漬け
- 豚すね肉ブロック。皮付きが手に入れば理想600g
- 塩30g
- 花椒3g
煮込み
添え物
- 生姜(極細の千切り)20g
- 鎮江香醋30ml
作り方
フライパンに塩30gと花椒3gを入れ、弱火で1分ほど、花椒の香りが立つまで乾煎りする。冷ましてから豚すね肉全体にすり込み、保存袋に入れて冷蔵庫で48〜72時間漬ける(1日1回上下を返す)。
漬け上がった肉を水で洗い、たっぷりの水に2時間浸して塩抜きする(途中で1回水を替える)。
豚足とすね肉を鍋に入れ、かぶるくらいの水から火にかける。沸騰後3分ゆでて取り出し、表面のアクを洗い流す。
鍋に水1500ml、黄酒30ml、長ねぎ、生姜、花椒2g、八角(花椒と八角はお茶パックに入れる)、塩3gを入れ、3の肉と豚足を加えて強火にかける。沸騰したらアクを取り、ふたを少しずらしてごく弱火で2時間30分煮る。箸がすっと通り、皮が破れていない状態が目安。
すね肉を取り出す。豚足は骨を外し、皮と身をほぐしておく。煮汁はこし、表面の脂をすくってから強火で10〜15分煮詰めて300mlにする。
保存容器にラップを敷き、豚足の皮を外側(皮目を下)にして底に並べる。すね肉を厚さ2cmに切って隙間なく詰め、残りの豚足の身をのせる。
5の煮汁300mlを肉がかぶるまで注ぐ。ラップをかぶせ、水を入れた容器など約1kgの重しをのせて室温で冷まし、冷蔵庫で8時間以上(ひと晩)おいて固める。
容器を外側から温かい布巾で温めて取り出し、厚さ7〜8mmに切る。生姜の千切りと鎮江香醋を添える。
本場と日本の違い
- 硝石を使わない理由:本場の肴肉は、塩に少量の硝(硝石=硝酸塩)を加えて漬けることで、肉を淡いピンク色に発色させ、独特の風味と保存性を出している。中国のレシピでも1kgの肉に硝0.3gという極めて少ない量が示され、「規定量を厳守しないと食べて危険」と注意書きが添えられているほどで、家庭の計量器では安全に扱えない。本記事の配合は塩だけで漬けるため、仕上がりの肉の色はピンクではなく白っぽいグレーになるが、塩漬けの熟成感と煮こごりの口当たりは十分に再現できる。
- 部位の違い:本場は豚の前足の「蹄膀(すねから足先)」を皮ごと使い、皮のゼラチンで煮汁を固める。日本では皮付きのすね肉が手に入りにくいため、すね肉に豚足を加えてゼラチンを補った。
- 食べ方:日本では冷菜の前菜として出てくることが多いが、鎮江では朝の茶の時間に、名物の鍋蓋麺と一緒に食べるのが定番。酢は日本の米酢ではなく、黒く香りの強い鎮江香醋を合わせるのが基本だ。
参考ページ(写真)
美食天下の「水晶肴肉」レシピページに、豚足の下処理から型詰め、切り分けまでの手順写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-197398.html)
代用可能な食材
- 豚すね肉:豚もも肉のブロックでも作れる(脂が少なく、やや締まった食感になる)
- 豚足:固まりにくい場合は、煮詰めた煮汁300mlに粉ゼラチン5gを溶かして補う
- 鎮江香醋:黒酢で代用可(香りはやや穏やかになる)
- 黄酒:日本酒で代用可
保存・アレンジのコツ
- 固めたものはラップで包んで冷蔵で3〜4日保存できる。切るのは食べる直前にすると断面が乾かない
- 残った煮こごりは温めれば濃厚なスープになるので、ゆでた麺にかけて鎮江風の汁麺にするのもおすすめ
出典
- 网易新闻「"肴肉不当菜",这个镇江民间故事是怎么创作出来的?」
- 央广网「把镇江养在"味"里」
- 新浪新闻「镇江肴肉,猪蹄冻配姜丝香醋的冷荤凉菜」
- 澎湃新聞「市委书记三荐镇江美食:谈锅盖面、香醋、肴肉,探索城市精气神」
- 新浪新闻「镇江三怪水晶“肴”~无弦堂美食篇」
- 下厨房「镇江肴肉的做法」
- 下厨房「健康水晶肴肉(无硝)的做法」
- 美食天下「水晶肴肉的做法」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。