江蘇料理・苏菜狮子头
獅子頭(蟹粉獅子頭)レシピ本場江蘇の配合を徹底解説

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ふわふわとほろほろが同居する、驚くほど柔らかい巨大肉団子——江蘇料理(淮揚菜)を代表する獅子頭には、実は複数の由来伝説が伝わっている。しかもその名前、最初から「獅子頭」だったわけではない。
中国国家プラットフォーム「学習強国」の記事によれば、この料理の遠い祖先は南北朝時代の文献『食経』に記載された「跳丸炙」という肉団子料理だとされる。時代が下り、隋の煬帝が現在の揚州にあたる江都を巡遊した際、「万松山・金銭墩・象牙林・葵花岡」という4つの名所にちなんで、宮廷料理人に4つの料理を作らせた。そのうちの1つが、大きな肉団子を使った「葵花斩肉」という料理だった。
「獅子頭」という現在の名前が定着したのは、さらに時代が下った唐代のこと。郇国公・韋陟という人物が、自身の昇進を祝う宴席を開いた際、供された「葵花斩肉」の巨大な肉団子が葵の花芯のような形をしているのを見て、「まるで雄々しい獅子の頭のようだ」と評した。上機嫌だった韋陟自らが「これからは獅子頭と呼ぼう」と提案し、以来この名前が定着したと伝えられている。
もう一つ、まったく別の由来伝説も存在する。楚漢戦争の英雄・韓信が投獄されていた際、蕭何が密かに厨師に肉料理を差し入れさせていた。後に大将軍となった韓信がその料理の名を尋ねたところ、厨師が韓信の鎧に刻まれた獅子の頭のデザインにちなんで「狮子头」と名付けたという逸話もある。どちらの伝説が真実かは分からないが、いずれにせよ「巨大な肉団子=雄々しい獅子の頭」というイメージが、長い年月を経て料理名として定着したことは間違いない。以来この料理は淮揚菜を代表する一皿として発展し、江蘇省を象徴する料理として全国的にも高く評価されている。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。
本場式の配合
材料(2人分・肉団子2個分)
- 豚バラ肉粗みじん切り200g
- 豚肩ロース肉(赤身)粗みじん切り100g
- 蟹肉(ほぐし身)40g
- 蟹味噌(あれば)15g
- 卵1個
- 片栗粉10g(大さじ1)
- 砂糖9g(大さじ1弱)
- 白こしょう1g(小さじ1/4)
- 料理酒15ml(大さじ1)
- くわい水煮、なければ蓮根やたけのこで代用可。粗みじん切り40g
- 長ねぎ(青い部分)すりおろすか、みじん切りにして水に浸けて「ねぎ生姜水」を作る15g
- 生姜同上10g
- 塩5g(小さじ1弱)
- 鶏がらスープの素5g(小さじ1)
- 水400ml
- 白菜の葉煮込み用4枚
作り方
豚バラ肉と豚肩ロース肉は包丁で粗めのみじん切りにする(フードプロセッサーを使うと粘りが出過ぎるため、手切りがおすすめ)。
長ねぎと生姜を細かく刻み、水50ml(分量外)に浸けて「ねぎ生姜水」を作る。
ボウルに1の肉、卵、片栗粉、砂糖、白こしょう、料理酒、塩を入れ、粘りが出るまで一方向によく練り混ぜる。
2のねぎ生姜水を少しずつ加えながら、その都度肉だねに吸わせるように練り込む。
くわい・蟹肉・蟹味噌を加えて軽く混ぜ合わせる(混ぜすぎるとくわいの食感が失われるので注意)。
肉だねを2等分し、両手でキャッチボールをするように叩きつけながら空気を抜き、大きな団子状に丸める。
鍋の底に白菜の葉を敷き、その上に肉団子をそっと置く。水400ml・鶏がらスープの素を加えて強火にかける。
沸騰したらごく弱火にし、ふたをして1.5〜2時間ほどじっくり煮込んで完成。
本場と日本の違い
- 本場では肉を半日ほど水にさらしてから冷凍庫で3〜4時間冷やし、包丁で丁寧に粗みじん切りにする。この手間が、ミンチ肉では出せない「ふわほろ」とした独特の食感を生む。
- 「ねぎ生姜水」を少しずつ肉だねに吸わせながら練り込むのが本場の技法。これにより肉団子がパサつかず、驚くほどジューシーに仕上がる。
- 蟹粉(蟹肉と蟹味噌)を使うのは秋から冬にかけての贅沢版で、通年では蟹を使わないシンプルな「紅焼獅子頭」も本場では一般的。今回は「蟹粉獅子頭」として紹介した。
参考ページ(写真)
下厨房の「【曼食慢語】清炖蟹粉狮子头」レシピページに、肉だねの仕込みから白菜で包んで煮込むまでの手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/265820/
代用可能な食材
- くわい→蓮根やたけのこの水煮(食感は変わるがシャキシャキ感の代用になる)
- 蟹肉・蟹味噌→なければ省略可(「紅焼獅子頭」として、豚肉のみのシンプルな味わいで楽しめる)
- 豚肩ロース肉→豚もも肉
保存・アレンジのコツ
- 煮汁ごと冷蔵で2〜3日保存可能。翌日以降のほうが味が染みてさらに美味しくなる。
- 肉だねの状態で冷凍保存も可能。食べる直前に成形して煮込むと出来立ての食感が楽しめる。
- 醤油と氷砂糖でこっくり煮込む「紅焼獅子頭」風にアレンジすることもできる。
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。