江蘇料理・苏菜大闸蟹
上海蟹の蒸し物(大閘蟹)レシピ本場江蘇・陽澄湖の配合を徹底解説

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秋になると中国全土が色めき立つ食材が「大閘蟹(ダージャーシエ)」、日本でいう上海蟹です。江蘇省蘇州の陽澄湖(ヤンチェンフー)周辺で育つ中華絨螯蟹(チュウカモクズガニ)は、旧暦9〜10月頃の「九雌十雄(9月はメス、10月はオス)」の時期に卵と蟹味噌が最も充実し、中国では秋の味覚の王様として扱われます。
蟹を肴に酒を楽しむ文化は古くから中国の詩人たちにも愛されてきました。北宋の文人・蘇軾(蘇東坡)をはじめ、月を眺めながら蟹と酒を味わう風流は今も中国の秋の風物詩として語り継がれ、レシピサイトの解説でも「秋は収穫の季節であり、口福の多い季節」だと詩情豊かに紹介されています。日本でも近年、高級中華食材として活け蟹が空輸され、専門店で提供されるようになりました。
「大閘蟹」という名前の由来には諸説ありますが、一説では川に設けた竹の関(簖=閘)で蟹を捕らえたことに由来するとも、蟹を茹でる際に紐でしっかりと縛る様子に由来するとも言われています。いずれにしても、シンプルな塩味の蒸し蟹に生姜酢のたれを添えるだけという調理法の潔さが、素材そのものの甘みと旨みを引き立てる、中国の食通たちが最も重んじる食べ方です。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順、そして日本版との違いを解説します。
本場式の配合
材料(2人分)
作り方
蟹はたわしなどで殻の汚れをよく洗い流す。生きたまま脚と爪を紐でしっかり縛り、蒸す際に脚が取れて身崩れするのを防ぐ。
蒸し器の底に生姜スライスと紫蘇の葉を敷き、水を張る。
水が沸騰したら、蟹をお腹を上にして並べる(腹を上にすることで蟹黄・蟹味噌が流れ出るのを防ぐ)。紹興酒を振りかけて強火で18分蒸す(1匹250g前後が目安。大きい個体は20分程度に調整)。
蒸している間にタレを作る。香醋・みじん切り生姜・砂糖・黄酒・生抽をよく混ぜ合わせる。
蒸し上がったら縛った紐をほどき、脚・爪を切り落として甲羅を開け、エラ(灰色のひだ状の部分)と胃袋(口の後ろの砂袋)を取り除く。
蟹味噌・蟹黄・身を生姜酢だれにつけながら、熱いうちにいただく。
本場と日本の違い
- 食べる部位の扱い:本場では脚の先まで専用のピンセットや小さなハサミ(蟹八件と呼ばれる専用道具一式)を使って丁寧に身をほじり出しますが、日本ではここまで本格的な道具を使う習慣は少なく、手やキッチンバサミで簡単に済ませることが多いです。
- タレの構成:本場の生姜酢だれは香醋・生姜・砂糖・黄酒を合わせた奥行きのある配合ですが、日本の中華料理店ではポン酢や市販の黒酢だれで簡易的に代用されることが多くなっています。
- 蒸し方:本場は蟹を紐で縛ってから蒸すことで身崩れと蟹黄の流出を防ぎますが、日本の家庭では紐で縛らずそのまま蒸すことも一般的です。
- 産地へのこだわり:本場では「陽澄湖産」であることがブランドとして極めて重視され、偽物防止のリングタグまで付けられますが、日本ではそこまで産地にこだわらず「上海蟹」として一括りに流通することがほとんどです。
- 食べる時期:本場では旧暦の「九雌十雄」に合わせてメス・オスを食べ分ける文化が根付いていますが、日本ではそうした細かい時期の使い分けはあまり意識されません。
参考ページ(写真)
下厨房の「清蒸阳澄湖大闸蟹」レシピページに、蟹を縛ってから蒸す手順の写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/106938171/
代用可能な食材
- 上海蟹:入手困難な場合、ワタリガニ(渡り蟹)やタラバガニで代用可(風味は異なるが蒸し蟹として応用可能)
- 紫蘇の葉:入手困難な場合、省略しても可(生姜の消臭効果だけでも十分)
- 黄酒:入手困難な場合、日本酒や紹興酒で代用可
保存・アレンジのコツ
- 生きた蟹は購入後できるだけ当日中に調理する。保存する場合は湿らせた新聞紙に包み冷蔵庫の野菜室で1〜2日程度が目安
- タレは作り置き可能。冷蔵で3日ほど保存できる
- 蒸し上がった蟹の身は、翌日に炒飯やお粥に加えるとまた違った美味しさが楽しめる
出典
- 美食天下「清蒸大闸蟹的做法」(秋の蟹食文化の紹介・蒸し時間の確認)
- 下厨房「清蒸阳澄湖大闸蟹🦀️」(蟹の縛り方・紫蘇を使った蒸し方の確認)
- 下厨房「清蒸大闸蟹(挑、洗、蒸、吃)」(蒸し時間・タレの基本構成のクロスチェック)
- 買購網(maigoo.com)「清蒸大闸蟹的蘸料怎么调好吃」(生姜酢だれの具体的な配合比率)
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。