四川料理・川菜樟茶鸭
樟茶鴨レシピ本場四川・成都の配合を徹底解説

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北京ダックと並んで「中国二大鴨料理」に挙げられることもある四川の樟茶鴨。皮はパリッと、身には茶葉のスモーキーな香りがしみ込んだ、成都の宴席を代表する燻製鴨です。辛い料理のイメージが強い四川料理の中で、唐辛子をまったく使わない名菜でもあります。
名前は「樟(クスノキ)の葉と茶葉でいぶす」ことに由来する、と一般には説明されます。ただし由来には諸説あります。美食天下の古法レシピでは、成都の名料理人が清の宮廷の御膳房で西太后のために宮廷の燻製鴨を改良し、晩年に四川へ持ち帰ったという話が紹介されています。一方、澎湃新聞の記事では、四川料理の大家・黄敬臨が福建・漳州の茶葉でいぶして「漳茶鴨」と名付けたものが、のちに字が入れ替わって「樟茶鴨」になったという説が紹介されています。さらに搜狐の記事は、宮廷由来の話は後から付けられた箔付けにすぎず、もとは「煙熏鴨子(燻製鴨)」と呼ばれていたこと、黄敬臨の私房菜館「姑姑筵」との関係が最も確かだとしたうえで、資料が錯綜していて確かな起源はもう追えないと述べています。
本場の工程は「塩漬け→燻す→蒸す→揚げる」の4段階。専門店では丸鴨を樟の木くずや柏の葉でいぶしますが、この記事では日本の家庭でも再現できるよう、合鴨むね肉を中華鍋とジャスミン茶葉で燻す方法に落とし込みました。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と、家庭の中華鍋でできる燻製の手順を公開します。
本場の配合
材料(3人分)
- 合鴨むね肉(皮付き)2枚(500g)
下味(塩漬け)
燻材
- ジャスミン茶の茶葉(茉莉花茶)10g
- 生米30g
- 黒糖30g
蒸し・揚げ
- 生姜(薄切り)10g
- 長ねぎ(青い部分)20g
- 揚げ油400ml
作り方
塩漬け:花椒をフライパンで香りが出るまで1分ほど乾煎りし、粗く砕いて塩と混ぜる。合鴨の皮目に包丁の先で細かく穴をあけ、紹興酒15mlを全体にすり込んでから花椒塩をまぶし、1〜2分もみ込む。生姜・長ねぎをのせてラップで覆い、冷蔵庫で8〜12時間置く。
下処理:生姜・長ねぎを外し、表面の花椒をはらってキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る。
燻す:中華鍋の内側にアルミホイルを2重に敷き、茶葉・生米・黒糖を混ぜて広げる。網(焼き網や蒸し台)をのせ、合鴨を皮目を上にして置く。ふたをして、ふたの縁をアルミホイルで覆い、中火にかける。煙が上がり始めたら弱火にして8分、火を止めてふたを開けずにさらに5分置く。
蒸す:燻した合鴨に新しい生姜・長ねぎをのせ、湯気の上がった蒸し器で中火20分蒸す。取り出して皮目を上にして網にのせ、風通しのよい場所で30分乾かす(冷めると皮が揚げたときにパリッとする)。
揚げる:中華鍋に揚げ油400mlを入れて170℃に熱し、合鴨を皮目から入れて2分、返して1分揚げる。最後に火を強めて180℃で皮目を30秒揚げ、皮を赤茶色に仕上げる。
油を切って5分休ませ、厚さ1cmに切り分けて皿に盛る。
本場と日本の違い
- 丸ごと1羽で作る:本場では丸鴨を塩漬けにして吊るし、燻したあと1時間半〜2時間蒸して骨まで柔らかくしてから揚げる。家庭では合鴨むね肉にすると、蒸し時間が20分で済み、燻製の香りも短時間でしっかり入る。
- 燻材:専門店は樟の木くずや柏の葉、茶葉、黒糖を組み合わせていぶす。日本では樟の葉が手に入りにくいため、香りの強いジャスミン茶と米・黒糖の組み合わせで茶の燻香を主役にした。
- 食べ方:成都では「荷葉夾」と呼ばれるハスの葉形の蒸しパンに挟んで食べるのが定番。日本の中華料理店ではほとんど見かけない料理で、ガチ中華の四川料理店でも予約制の場合が多い。
参考ページ(写真)
美食天下の「伝統古法制作“樟茶鴨”」レシピページに、塩漬けから燻し・蒸し・揚げまでの工程写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-17834.html)
代用可能な食材
- 合鴨むね肉:鴨もも肉(骨付き)でも可。その場合は蒸し時間を40分に延ばす
- ジャスミン茶の茶葉:烏龍茶や紅茶の茶葉でも燻せる(香りは重くなる)。ティーバッグの中身を使ってもよい
- 紹興酒(花雕酒):黄酒または日本酒で代用可
- 黒糖:上白糖や三温糖でも煙は出る(黒糖の方が香ばしい)
保存・アレンジのコツ
- 燻して蒸した段階(揚げる前)なら冷蔵で3日、冷凍で1か月保存できる。食べる直前に揚げれば皮がパリッと仕上がる
- 家庭で燻すときは換気扇を強にし、火災報知器の近くでは作業しない。ふたの縁をアルミホイルでふさぐと煙の漏れを大きく減らせる
- 市販の花巻や荷葉餅に、薄切りにした樟茶鴨と白髪ねぎ・甜面醤をはさむと、成都の食べ方に近くなる
- 本場のレシピには、塩漬けや蒸す前の段階で醪糟(もち米の甘酒)の汁を鴨に塗るものもある。家庭版では手順1で紹興酒と一緒に醪糟の汁15mlをすり込むと、ほのかな甘い香りが加わる
出典
- 澎湃新聞「今天这个节日,餐桌上该有它」
- 搜狐「有关这些菜胡说八道的传说可真多」
- 美食天下「传统古法制作“樟茶鸭”」レシピ
- 美食天下「酥香樟茶鸭」レシピ
- 科普中国「樟茶鸭的制作方法」
- 搜狐(千一的千艺百味)「川菜经典名菜“樟茶鸭”腌、熏、蒸、炸详细制作比例」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。