四川料理・川菜重庆火锅
重慶火鍋(毛肚火鍋)レシピ本場重慶の配合を徹底解説

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真っ赤な油の海でぐつぐつと煮え立つ重慶火鍋。主役は牛の胃袋の一部「毛肚(マオドゥ)」で、専用の合図「七上八下(7回沈めて8回持ち上げる)」で数秒だけくぐらせて食べる独特の食べ方で知られています。この激辛火鍋のルーツは、意外にも重慶の波止場で働いていた船頭や纤夫(せんぷ、船を引く労働者)たちの「賄い飯」にあります。
清末から民国初期にかけて、長江沿いの朝天門码头では、回族(イスラム教徒)の肉屋が牛を屠畜した際、肉と骨・皮だけを持ち帰り、内臓は捨てていました。それを拾い集めた船頭や労働者たちが、値段の安い牛の内臓を、麻(しび)れと辛さの強い卤汁(スープ)でぐつぐつ煮込み、仕切りのついた鉄鍋を屋台の炉にかけて、立ったまま安く食べる「水八块」というスタイルの屋台料理が生まれたと伝えられています。
1926年頃、宰房街で商いをしていた馬氏兄弟がこのスタイルを正式な飲食店として構えたことで、重慶火鍋は屋台料理から店の看板料理へと発展しました。牛脂(牛油)をたっぷり使った真っ赤なスープは、麻辣の痺れと辛さに加えて牛脂特有のコクが特徴で、今も重慶の街を代表する味として愛され続けています。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順、そして日本版との違いを解説します。
本場式の配合
材料(2人分)
作り方
鍋に牛脂とサラダ油を入れ、弱火で溶かしながら120℃まで温める。
しょうが・にんにくを加え、中火で2分炒めて香りを出す。
郫県豆瓣醤を加え、弱火で3分じっくり炒めて赤い油を引き出す(焦がさないよう注意)。
豆豉、乾燥唐辛子、花椒を加え、弱火で5分炒め合わせる。
長ねぎ・セロリ・玉ねぎを加え、中火で5分炒めて香味野菜の香りを移す。
氷砂糖・黄酒・鶏がらスープを加え、沸騰後は弱火で20分煮込んで火鍋のベースを完成させる。
蘸だれ用のごま油・すりおろしにんにく・塩を混ぜ合わせ、小皿に取り分けておく。
火鍋のベースを卓上コンロで中火にかけ、沸騰したらじゃがいもなど火の通りにくい具から先に入れる。
毛肚は沸騰した鍋に7回沈めて8回持ち上げる「七上八下」を15秒程度繰り返し、さっと火を通したらすぐに引き上げる(火を通しすぎると硬くなる)。
鴨腸・豆苗・凍り豆腐などをそれぞれ好みの時間くぐらせ、蘸だれにつけて食べる。
本場と日本の違い
- ベースの油:本場は牛脂(牛油)をたっぷり使い、コクと独特の風味を出しますが、日本の中華料理店や市販の鍋の素はサラダ油やラードが中心で、牛脂特有の重厚な香りは控えめです。
- 主役の具材:本場では毛肚(牛の胃袋)や鴨腸(合鴨の腸)といった内臓系が看板具材ですが、日本では内臓の入手が難しいため、牛薄切り肉やホルモンの一部で代用されることが多くなっています。
- 辛さと痺れ:本場は乾燥唐辛子と花椒を大量に使い、痺れと辛さが強烈ですが、日本向けはマイルドに調整され、花椒の量も控えめです。
- 食べ方の作法:本場では「七上八下」のように具材ごとに火の通し方の作法があり、特に毛肚は数秒しか煮込みません。日本では具材を長時間煮込んで食べるすき焼き的な感覚で楽しまれることが多いです。
- 蘸だれ:本場はごま油ににんにくを溶いたシンプルな「油碟」で辛さを中和しながら食べますが、日本ではポン酢やごまだれなど、より甘め・酸味のあるたれが好まれる傾向があります。
参考ページ(写真)
下厨房の「重庆老火锅底料(自制)」レシピページに、底料を炒める工程の手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/106721644/
代用可能な食材
- 毛肚:入手困難な場合、牛の薄切り肉やモツ鍋用のホルモンミックスで代用可
- 牛脂(牛油):入手困難な場合、ラードとサラダ油を1:1で混ぜて代用可
- 鴨腸:入手困難な場合、砂肝やしいたけの薄切りで代用可
保存・アレンジのコツ
- 底料(スープのベース)は多めに作って冷凍保存が可能。1回分ずつ小分けにしておくと便利
- 辛さが強すぎる場合は、鶏がらスープを足して薄めるか、辛くない白湯スープの鍋と2つに仕切る「鴛鴦鍋(鍋を2種に分ける形式)」にすると食べやすい
- 締めには雑炊や辛くない麺を入れると、旨味の効いたスープを最後まで楽しめる
出典
- 新浪网「吃了那么久的火锅,可能你还不知道重庆火锅的历史吧?!」(由来・歴史)
- 下厨房「重庆老火锅底料(自制)」(レシピ①(配合・手順の参考))
- 下厨房「重庆火锅底料(油料一体版)」(レシピ②(業務用配合とのクロスチェック))
- 下厨房「6种超好吃的火锅蘸料的做法步骤图」(蘸だれ(油碟)配合の参考)
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。