四川料理・川菜钵钵鸡

鉢鉢鶏(钵钵鸡)レシピ本場四川・楽山の配合を徹底解説

赤いたれに鶏肉やブロッコリー、輪切り野菜、赤ピーマンの串を刺した茶色の壺の鉢鉢鶏のイラスト
地域
川菜(四川・楽山)
分量
2人分
公開

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「一本いくら?」——四川・楽山の屋台では、串の本数を数えて会計するのが当たり前になっている料理がある。それが钵钵鸡(鉢鉢鶏)だ。

名前の由来は、この料理を最初に漬け込んでいた「钵(钵钵)」——素焼きの陶製の壺やかめを指す四川方言にある。伝承によれば、清代末期、楽山の川岸で働く船頭や労働者たちが、持ち運びやすいように素焼きの壺に麻辣鶏スープを満たし、そこに具材を浸け込んで売り歩いたのが原型とされる。さらに時代が下り、1980年代には楽山・犍為県の屋台で、母娘二人で商売をしていた叶春兰という女性が「鶏肉を切り分けると汁が垂れて食べにくい」という悩みを竹串で解決し、「串串鶏」として売り出したことが、今の钵钵鸡という名前と形の直接の起源になったとも伝えられている。

食べ方も独特だ。大きな鉢や壺にたっぷりのたれを張り、下茹でした鶏肉・れんこん・じゃがいも・きくらげなどを刺した竹串を何十本も浸け込んでおく。客は好きな串を自分で選んで取り出し、食べ終えた串の本数で会計する——屋台らしいセルフサービス形式が今も受け継がれている。

麻(痺れ)と辣(辛さ)が主役の川菜の中でも、钵钵鸡は「冷たいまま食べる麻辣料理」という点が異色だ。2019年には四川省の無形文化遺産にも登録され、楽山を代表する食文化として大切にされている。ここから先は、複数の中国語レシピを比較して割り出した、家庭で再現できる本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分)

具材

  • 鶏むね肉または鶏もも肉300g
  • れんこん薄い輪切り100g
  • きゅうり乱切り100g
  • ズッキーニ輪切り80g
  • 乾燥きくらげ(水で戻す)戻すと約60g8g
  • じゃがいも薄切り150g

鶏の下茹で用

  • 生姜薄切り10g
  • 長ねぎの青い部分10g
  • 花椒(ホアジャオ)粒3g

たれ

  • 鶏の茹で汁(スープ)400ml
  • 辣椒油市販のラー油または自家製の熟油辣椒60ml
  • 花椒油15ml
  • にんにくみじん切り15g
  • 生抽15ml(大さじ1)
  • 砂糖5g(小さじ1と1/2)
  • 鶏がらスープの素(顆粒)5g
  • 塩7g(小さじ1と1/4程度)
  • 白いりごま仕上げ用10g
  • 小米辣お好みで、辛さ控えめなら不要。小口切り10g
  • 香菜お好みで。ざく切り、仕上げ用5g

作り方

  1. 鍋に鶏むね肉・生姜10g・長ねぎの青い部分10g・花椒3g・水900ml程度(肉がかぶる量)を入れて火にかける。沸騰したら弱火にし、8〜10分茹でて中心まで火を通す(箸で刺して透明な肉汁が出れば完成)。

  2. 鶏肉は取り出して氷水(または冷水)に浸けて粗熱を取り、身を締める。冷めたら手で食べやすい大きさに裂くか、竹串に刺せる厚さに切る。茹で汁は400ml分を取り分けてたれ用に使う。

  3. れんこんは1分、じゃがいもは3〜4分、それぞれ別の湯でさっと下茹でする。きゅうり・ズッキーニは生のまま食べやすい大きさに切り、戻したきくらげと合わせて用意する。下茹でした具材はすぐに氷水に取って冷やし、食感を締める。

  4. 竹串に鶏肉・野菜・きくらげなどを1本あたり1〜2種類ずつ刺していく(10〜12本程度が目安)。

  5. ボウルに鶏の茹で汁400ml・辣椒油60ml・花椒油15ml・にんにく15g・生抽15ml・砂糖5g・鶏がらスープの素5g・塩7gを合わせてよく混ぜ、たれを作る。

  6. 深めの器や鉢にたれを注ぎ、串に刺した具材を並べて15分以上漬け込む(漬け込むほど味がなじむ。冷蔵庫で漬け込めば1時間ほどでより本場らしい味になる)。

  7. 仕上げに白いりごま10g・小米辣・香菜を散らして完成。串を1本ずつ取り出しながら食べる。

本場と日本の違い

  • 本場の钵钵鸡は文字どおり大きな鉢や壺に串をまとめて漬け込み、客が自分で好きな串を取って食べるセルフサービス形式が基本。日本の中華料理店で「串を選んで会計する」スタイルはまだ珍しく、本場ならではの食体験といえる。
  • 麻辣料理というと熱々の火鍋を想像しがちだが、钵钵鸡は具材もたれも冷たいまま食べるのが最大の特徴。冷たいのに痺れと辛さがしっかり効いているというギャップが持ち味。
  • 本場では花椒油に加えて藤椒油(青花椒から作る、より爽やかな痺れの油)を使う店も多く、赤い辣椒油の辛さと藤椒の清涼感のある痺れを両方効かせるのが本格派の配合。家庭では入手しやすい花椒油だけでも十分に近い風味が出せる。

参考ページ(写真)

下厨房の「乐山钵钵鸡(红油/藤椒味)」レシピページに、鶏の下茹でから串打ち、たれに漬け込むまでの手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/101760770/

代用可能な食材

  • 鶏むね肉→鶏もも肉(よりジューシーに仕上がる)
  • れんこん・じゃがいも・ズッキーニ→旬の根菜や豆類(キャベツ、いんげん、もやしなど)で代用可
  • 辣椒油→市販のラー油で代用可(本場のコクを出したい場合は花椒粒1g程度を追加で煮出すとよい)
  • 香菜→パクチーが苦手な場合は省略可。代わりに万能ねぎの小口切りでもよい

保存・アレンジのコツ

  • たれは鶏の茹で汁がベースなので、余ったら冷蔵で2〜3日、冷凍すれば2週間ほど保存できる。次回はたれだけ解凍して具材を漬け込むだけで手軽に作れる。
  • 串に刺す具材は下茹でしてから漬け込むため、作り置きした具材を冷蔵庫で保存しておき、食べる直前にたれに漬け込むと食感が損なわれにくい。
  • 辛さを抑えたい場合は辣椒油の量を減らし、花椒油を少し増やすと、辛さ控えめでも痺れの効いた本場らしい風味を保てる。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。