四川料理・川菜冰粉

氷粉(冰粉)レシピ本場四川の配合を徹底解説

ガラスの器の透明な冰粉に黒糖シロップをかけ、角切りの果物、ドライフルーツ、ピーナッツ、ごまをのせたイラスト
地域
川菜(四川)
分量
2人分
公開

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四川の夏の風物詩といえば、屋台や市場の片隅で売られているぷるぷるとした冷たいデザート「冰粉」だ。見た目は杏仁豆腐やゼリーに似ているが、その正体は寒天ともゼラチンとも違う、「假酸漿(にせほおずき)」という植物の種を使った、四川独自の伝統スイーツである。

伝説によれば、冰粉の始まりは明代末期、武陽(現在の四川省眉山市彭山区)にさかのぼる。王味縁という女性が山で梨を採っていたところ、見慣れない青い果実を偶然発見。持ち帰って洗い、加工してみたところ、水にとろみがつき、冷やすとぷるぷるのゼリー状に固まることに気づいたのが冰粉の起源とされている。

この「青い果実」の正体である假酸漿は、実は四川原産の植物ではない。ナス科の一年草で、原産地は南米ペルー。大航海時代にジャガイモやサツマイモと同じ船に乗って中国へ渡来し、明末以降、土壌を選ばず育つ強い繁殖力で四川・雲南・貴州などに定着していったという。種に含まれる豊富なペクチンが、石灰水のカルシウムイオンと結びつくことで、あの独特のぷるぷるとした食感を生み出す仕組みだ。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順、そして日本版との違いを解説します。

本場式の配合

材料(2人分、出来上がり約600ml)

  • 冰粉籽(假酸漿の種)8g
  • 水(冰粉籽を揉む用、湯冷まし)500ml
  • 食用石灰(食用石灰粉)2g
  • 水(石灰を溶く用)80ml
  • 黒糖(赤糖)50g
  • 氷砂糖15g
  • 水(シロップ用)150ml
  • お好みのトッピングフルーツ・小豆・ピーナッツ・もち粉団子など合計100g程度

作り方

  1. 食用石灰2gに水(石灰を溶く用)を加えてよく混ぜ、20分静置し、上澄みの透明な石灰水だけを別容器に取り分ける。

  2. 冰粉籽をガーゼまたは茶漉しの袋に入れ、湯冷まし500mlの中で5〜10分、繰り返し揉み出すようにもむ。水にとろみとぬめりが出てきたら種を取り除く。

  3. 2の液体に1の石灰水上澄みを加えて軽く混ぜ、気泡をすくい取りながら冷蔵庫で2時間以上冷やし固める。

  4. 別の鍋に黒糖50g・氷砂糖15g・水(シロップ用)を入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして5分煮詰め、粗熱を取って黒糖シロップを作る。

  5. 固まった冰粉をスプーンや専用の波刃カッターで賽の目にすくい、器に盛る。

  6. 黒糖シロップをかけ、好みのトッピングを乗せて完成。

本場と日本の違い

  • 日本で「冰粉」を再現しようとすると寒天やゼラチンで代用されがちだが、本場の冰粉は假酸漿の種のペクチンと石灰水のカルシウムイオンだけで固める、まったく別の凝固メカニズムを使っている。
  • 食感も異なり、寒天は歯切れがよくプルンと切れる食感になるのに対し、本場の冰粉はとろけるように柔らかく、口に入れるとすっと溶けていくのが特徴。
  • 日本の杏仁豆腐や寒天ゼリーはあらかじめ甘く味付けして固めることが多いが、本場の冰粉は素材自体は無糖で固め、食べる直前に黒糖シロップとトッピングをかけるスタイルが基本。
  • 屋台での食べられ方も大きく違い、四川では小豆・もち粉団子・ナッツ・ドライフルーツなど好みのトッピングを自分で選ぶ「かき氷屋台」に近い売り方が主流で、組み合わせの自由度が高い。
  • 冰粉籽自体が日本ではほぼ流通しておらず、本場の味を再現するには中国食材店や通販での取り寄せがほぼ必須になる点も大きな違い。

参考ページ(写真)

搜狐(sohu.com)に掲載された手作り冰粉の配合レシピ記事に、石灰水の作り方から冰粉籽の揉み出し、固め方までの手順写真が掲載されています。 https://www.sohu.com/a/351826913_99992581

代用可能な食材

  • 食用石灰→入手が難しい場合、寒天パウダー2gで代用可能(食感は本場と変わるが手軽に作れる)。
  • 黒糖→きび砂糖や黒蜜でも代用可能。
  • トッピングのもち粉団子→白玉団子や市販のタピオカでも代用可能。
  • 冰粉籽+食用石灰→どちらも手に入らない場合は、市販の冰粉粉(粉末の冰粉の素)で代用可能。パッケージの表示どおりお湯で溶かして冷やし固めるだけで、石灰水の準備も不要。

保存・アレンジのコツ

  • 冷蔵庫で2〜3日保存可能だが、時間が経つと水分が分離しやすいので、なるべく当日〜翌日中に食べ切るのがおすすめ。
  • 石灰水は必ず上澄みの透明な部分だけを使うこと。沈殿物が混ざると苦味やえぐみの原因になる。
  • 定番の黒糖シロップのほか、練乳や桂花蜜をかけるアレンジも四川の屋台で人気。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。