上海料理・沪菜腌笃鲜

腌篤鮮レシピ本場上海の配合を徹底解説

両手の土鍋の白いスープに、咸肉と豚肉、たけのこ、結んだ百葉結を入れた腌篤鮮のイラスト
地域
沪菜(上海)
分量
4人分
公開

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。

春になると、上海の家庭の土鍋からコトコトと音が聞こえてくる。旬のたけのこと豚肉を弱火で炊き込んだスープ「腌篤鮮」の季節だ。

料理名は3つの漢字がそれぞれ中身を表している。「腌」は塩漬け豚肉(咸肉)、「鮮」は新鮮な豚肉と春のたけのこ(春筍)。そして真ん中の「篤」は、弱火でじっくり煮ることを指す方言の言葉だ。この3文字の読み解きは、上海のニュースサイト澎湃新聞に載った複数の記事でも共通している。美食天下に掲載された解説では、「篤」は弱火で煮込むとき鍋の中で小さな泡がぽこぽこと立つ音を表しているとされる。塩漬け肉のうまみと熟成した香り、生の豚肉の甘み、たけのこの香りをひとつの鍋でまとめる、名前そのものがレシピになっている料理といえる。

澎湃新聞の記事は、腌篤鮮を江蘇・浙江・上海の呉語圏の特色料理で、上海の本幫菜の春の時令菜を代表する一品と紹介している(台湾のレシピサイト愛料理でも、江南の特色料理として扱われている)。老上海では、清明節の墓参りのあとに集まって食べる「吃清明」の主役でもあったという。スープは白く濃厚で、肉はやわらかく、たけのこはシャキッと甘い。そこに千張(押し豆腐シート)を結んだ「百葉結」の豆の香りが加わるのが上海流だ。上海では「家ごとに自分の作り方がある」と言われるほど身近な料理で、塩漬け肉の塩気だけでほぼ味が決まり、ほとんど塩を足さないのも特徴だ。

日本ではたけのこの旬が同じ春にあたるので、実は再現しやすい料理でもある。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(4人分)

  • 咸肉(中国の塩漬け豚バラ肉)200g
  • 豚バラ肉(ブロック)250g
  • 豚スペアリブ300g
  • ゆでたけのこ春ならば生のたけのこを下ゆでしたもの400g
  • 百葉結(千張の結び)100g
  • 重曹百葉結の下処理用1g
  • 湯(百葉結の下処理用)500ml
  • 水1500ml
  • 黄酒または日本酒30ml
  • 生姜(薄切り)10g
  • 青ねぎ(小口切り)10g
  • 塩3g(小さじ1/2程度)

作り方

  1. 咸肉は水に30分浸けて表面の塩気を抜き、厚さ1cm・3cm角に切る。豚バラ肉は3cm角に切り、スペアリブは1本ずつに切り分ける。

  2. 1の肉をすべて鍋に入れてかぶるくらいの水を加え、強火にかける。沸騰してから3分ゆでてざるにあげ、流水でアクを洗い流す。

  3. たけのこは乱切りにし、熱湯で2分ゆでて水気を切る(えぐみが抜ける)。

  4. 百葉結は、湯500mlに重曹1gを溶かした中に10分浸け、白っぽくやわらかくなったら取り出して、水で3回よく洗う。

  5. 土鍋(または厚手の鍋)に水1500ml・2の肉・生姜・黄酒を入れて強火にかける。沸騰したらアクを取り、強火のまま5分煮てスープを白濁させる。

  6. ふたをしてごく弱火にし、表面が小さくぽこぽこと揺れる状態で60分煮る。

  7. たけのこを加えて再び弱火で30分煮る。最後に百葉結を加えて10分煮る。

  8. 塩3gで味を調え、器に盛って青ねぎを散らす。

本場と日本の違い

  • 咸肉:上海の咸肉は、豚バラ肉を塩漬けにして干した保存食。日本では中国食材店の冷凍品や真空パックで手に入る。パンチェッタでも近い味になるが、塩分が穏やかなので塩を小さじ1(5g)に増やす。
  • たけのこ:本場は春に出回る生の春筍を使うのが基本。日本では水煮たけのこで一年中作れるが、春に生のたけのこが手に入れば、ぬかで下ゆでして使うと香りが格段に増す。
  • 百葉結:押し豆腐を薄くのばした千張を結んだもの。日本の湯葉や油揚げとは違う、弾力のある豆の食感がスープによく合う。
  • 煮込み方:日本のスープのように澄ませるのではなく、最初に強火で煮立てて白濁させてから、ごく弱火で「篤」の状態を保つのが上海式。台湾のレシピでは金華ハムを加えてさらにうまみを重ねる作り方も見られる。

参考ページ(写真)

美食天下の「腌笃鲜」レシピページに、咸肉・スペアリブ・たけのこを土鍋で煮込む手順写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-318578.html)

代用可能な食材

  • 咸肉:パンチェッタで代用可(その場合は塩を5gにする)
  • 百葉結:入手できない場合は、厚揚げ100gを1.5cm角に切って使う
  • 豚スペアリブ:豚肩ロースのブロック300gで代用可
  • 黄酒:日本酒で代用可

保存・アレンジのコツ

  • 冷蔵で2〜3日保存できる。たけのこは日がたつと香りが落ちるので、温め直すときに新しいたけのこを少し足すと風味が戻る
  • 残ったスープでご飯を炊いたり、ゆでた麺を入れて上海風の汁麺にしたりしても楽しめる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。