上海料理・沪菜草头圈子
草頭圈子レシピ本場上海の配合を徹底解説

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。
クセの強い豚の大腸と、クローバーによく似た春の野草——一見ミスマッチに思えるこの組み合わせこそ、上海の本帮菜を代表する名物「草頭圈子」です。
「圈子」は豚の大腸を指す上海方言。脂が多く独特の臭みがある食材ですが、老舗「老正興菜館」で工夫が重ねられたと伝わるこの料理では、「油拭き布」の異名を持つほど油を吸いやすい野草「草頭(ウマゴヤシ、金花菜)」と組み合わせることで、大腸の脂っぽさを草頭が吸い取り、逆に草頭の青々しい香りが大腸に移るという、絶妙な補完関係が生まれます。草頭は漢代にはすでに中国へ伝わっていたとされ、明代の農書『農政全書』にも「早春に生のまま食べると香りがよい」と記されている、歴史ある野菜でもあります。
地域タグは沪菜(上海)。濃厚な醤油だれでとろとろに煮込んだ大腸と、さっと炒めた青菜のコントラストが本帮菜らしい一皿です。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の配合と手順を公開します。
本場のレシピ
材料(2〜3人分)
- 豚の大腸(圈子。できれば直腸部分)500g
- 片栗粉(下処理用)大さじ2(18g)
- 塩(下処理用)小さじ1/2(3g)
- 生姜薄切り、下茹で用・煮込み用に半量ずつ使用20g
- 長ねぎ下茹で用・煮込み用に半量ずつ使用1本(30g)
- 黄酒または日本酒。下茹で用大さじ1・煮込み用大さじ1大さじ2(30ml)
- 八角1個
- 老抽大さじ1(15ml)
- 生抽大さじ1と1/2(22ml)
- 氷砂糖または砂糖20g
- 湯(煮込み用)500ml
- サラダ油煮込み用大さじ1・草頭炒め用大さじ1大さじ2
- 草頭入手困難な場合はクローバースプラウト=アルファルファ、豆苗の葉先、ほうれん草で代用可250g
- 塩(草頭の下味用)小さじ1/2(3g)
- 砂糖(草頭の下味用)小さじ1/2(3g)
- ごま油小さじ1/2(2g)
作り方
大腸は裏返して余分な脂を除き、片栗粉と塩(下処理用)をまぶして流水を当てながら5分ほど揉み洗いし、ぬめりと臭みを取ってよくすすぐ。3〜4cm幅の輪切りにする。
鍋に湯(分量外)を沸かし、大腸・生姜の半量・長ねぎの半量・黄酒大さじ1を加えて中火で5分下茹でし、ざるに上げて流水で洗う。
鍋にサラダ油大さじ1を熱し、残りの生姜・長ねぎ・八角を香りが立つまで炒め、下茹でした大腸を加えて2分ほど炒め合わせる。
大腸が柔らかくなったら生抽・氷砂糖を加え、強火で煮汁が150mlほどになるまで煮詰める。
草頭は洗って水気をよく切る。フライパンにサラダ油大さじ1を強火で熱し、草頭を入れて塩・砂糖(各草頭用)を加え、10秒ほど手早く炒めて断生(しんなりする)させたら取り出す。
皿に6の草頭を敷き、その上に5の大腸を煮汁ごとのせ、ごま油を回しかけて完成。
本場と日本の違い
- 食材の組み合わせ:本場では脂が多い大腸と、油を吸って風味を和らげる草頭を組み合わせる知恵が本帮菜らしさの核心とされますが、日本の中華料理店では大腸自体を扱う店が少なく、この組み合わせ自体がほとんど知られていません。
- 草頭という野菜:本場では春先の露地物の草頭が最もおいしいとされ、葉が大きく色が淡いものが良品とされますが、日本では草頭がほぼ流通しておらず、存在自体を知らない人が大半です。
- 盛り付け:本場の伝統的なスタイルでは、大腸と草頭を別々に調理してから合わせ盛りにすることで、それぞれの食感(大腸のとろとろ感と草頭のしゃきっと感)を対比させますが、日本ではそもそも紹介される機会自体が少ないため、こうした盛り付けの意図が語られることはまずありません。
参考ページ(写真)
美食天下の「草头圈子」レシピページに、大腸の下処理から煮込みまでの手順写真が掲載されています。 https://home.meishichina.com/recipe-308382.html
代用可能な食材
- 草頭:日本では入手困難なため、クローバースプラウト(アルファルファ)や豆苗の葉先、ほうれん草で代用可(風味・食感は本来の草頭とは異なる)
- 大腸:下処理済みの茹で大腸(精肉店や中華食材店で購入できる場合)を使うと、下茹で工程を省略でき時短になる
- 黄酒:日本酒で代用可
保存・アレンジのコツ
- 大腸の煮込みだけなら冷蔵で2〜3日保存可能。草頭は食べる直前に炒めて合わせるのが食感を保つコツ
- 大腸の煮込みが余ったら、翌日は温かいご飯にのせて「圈子丼」風にアレンジしてもおいしい
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。