上海料理・沪菜上海菜饭

上海菜飯レシピ本場上海の配合を徹底解説

青い模様の碗に、青菜、角切りの咸肉、薄切りの腸詰めを混ぜ込んだ上海菜飯のイラスト
地域
沪菜(上海)
分量
3〜4人分
公開

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上海の人は、この青菜ご飯を「咸酸飯(しょっぱ酸っぱいご飯)」と呼ぶことがある。ところが実際に食べてみても、酸っぱさはどこにもない。

上海の上観新聞によれば、この呼び名は江南のことわざ「咸酸を味わえてこそ、淡(粗食)にも耐えられる」に由来するという。清末の松江の作家・郭友松の作品にも出てくる言い回しで、ここでの「咸酸」は「味がある、おいしい」という意味。ふだんは白いご飯(淡飯)しか食べられない家庭が、たまに咸肉(塩漬け豚肉)と青菜を炊き込んでごちそうにした――それが咸酸飯、つまり菜飯だった。

この庶民の味を街の名物にしたのが、200年余りの歴史を持つとされる老舗「老人和」だ。もとは城隍廟の近くにあった「人和館」で、1938年に戦火を避けて移転した後、現在の名に改めた。安くてうまい「猪油菜飯(ラード菜飯)」で名を上げたという。

上海の菜飯の要は、青菜・咸肉・そしてラード(猪油)の三つ。日本の「菜めし」が刻んだ菜を白いご飯に混ぜる軽やかな料理なのに対し、上海のそれは脂のコクと塩漬け肉のうま味をまとった、それだけで満腹になる一碗だ。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、上海の家庭の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(3〜4人分)

ご飯と肉

  • 米(うるち米)360g(2合)
  • 水(炊飯用)380ml
  • 咸肉(中国の塩漬け豚バラ肉)100g
  • 広式臘腸(中国の腸詰め)1本(50g)

青菜

  • 青梗菜(上海青)400g(約4株)
  • 生姜(せん切り)3g
  • ラード炒め用20g
  • 砂糖3g(小さじ1)
  • 塩4.5g(小さじ3/4)

仕上げ

作り方

  1. 米は洗って30分浸水し、ざるに上げて水気を切る。

  2. 咸肉は鍋にかぶるくらいの湯を沸かして2分ゆで、余分な塩気を抜く。取り出して5mm角に切る。広式臘腸は5mm厚さの斜め切りにする。

  3. 炊飯器の内釜に1の米と水380mlを入れ、2の咸肉と臘腸を上に広げてのせ、普通に炊く(青菜から水分が出るので、水はいつもより控えめにする)。

  4. 青梗菜は茎と葉に分ける。茎は5mm角、葉は1cm幅に刻み、水気をよく切っておく。

  5. ご飯が炊き上がる10分前になったら、フライパンにラード20gを中火で溶かし、生姜3gを炒めて香りを出す。強火にして茎を入れて1分炒め、葉を加えてさらに30秒炒める。砂糖3g・塩4.5gを加えて全体を混ぜ、火を止める(色が変わる手前、炒めすぎないのがコツ)。

  6. 炊き上がったご飯に5の青菜を加え、ラード10gをのせて、底から大きく混ぜ合わせる。ふたをして保温のまま5〜10分蒸らし、青菜の香りとラードをご飯になじませる。

  7. 茶碗に盛って熱いうちに食べる。

本場と日本の違い

  • 日本の「菜めし」との違い:日本の菜めしは、塩もみした大根葉やかぶの葉を白いご飯に混ぜる軽い味わい。上海の菜飯はラードで炒めた青菜と塩漬け肉を合わせるため、脂のコクとうま味が強く、主食兼おかずになる。
  • ラードが主役:上海では「猪油菜飯」と呼ばれるほどラードが欠かせない。サラダ油で作ると香りがまったく別物になる。
  • 青菜の種類:本場では上海青(小ぶりの青梗菜)が定番だが、上海ではレタスの一種・萵筍(ウォースン)の葉で作る菜飯も人気が高い。苦みを塩もみで和らげて使うという。

参考ページ(写真)

美食天下の「上海菜饭」レシピページに、青菜を茎と葉に分けて炒め、ご飯に混ぜるまでの手順写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-311746.html)

代用可能な食材

  • 咸肉:厚切りベーコン(燻製香が加わるが、塩気とうま味の方向は近い)で代用可。その場合は下ゆでせずそのまま使う
  • 広式臘腸:なければ咸肉を150gに増やす
  • 上海青:小松菜、または普通の青梗菜で代用可
  • ラード:市販のチューブ入りラードで十分。どうしても使わない場合はごま油少量で香りを補う(本場の味からは離れる)

保存・アレンジのコツ

  • 青菜が変色しやすいので、作ったその日のうちに食べ切るのが理想。残ったら1食分ずつラップして冷凍し、電子レンジで温める
  • 翌日は鍋に少量のラードを熱して焼き付け、おこげ風にしてもおいしい
  • 仕上げに米酢を数滴たらすと、ラードのコクが締まってさっぱり食べられる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。