上海料理・沪菜葱油拌面

葱油和え麺(葱油拌麺、葱油拌面)レシピ本場上海の配合を徹底解説

醤油色に絡んだ細麺の上に揚げたねぎをたっぷりのせた、赤い縁の白い丼の葱油和え麺のイラスト
地域
浙菜(上海)
分量
2人分
公開

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材料はねぎと油と醤油だけ。それなのに、本場上海では「この麺をちゃんと作れる家は多くない」とまで言われる一皿がある。それが葱油拌面(ツォンヨウバンミエン)だ。

上海の麺料理の中でも「海派面点(上海式の麺・点心)の中で最も簡素な一品」とされ、麺料理の代表格・陽春面と並び称される下町の味である。物資が乏しかった時代、限られた材料でいかに美味しさを引き出すかという庶民の知恵から生まれたとされ、今も上海の麺館では最も安価なメニューのひとつとして親しまれている。地域的には浙菜(江浙・上海料理)に分類され、甘みと醤油の香りの繊細なバランスを大切にする系統に属する。

材料の少なさとは裏腹に、決め手となるのはねぎを弱火の油でじっくり「熬(じっくり煮出す)」技法。火加減を誤って焦がせば一気に苦くなり、火が足りなければ香りが出ない。シンプルであるがゆえに技術の差がそのまま味に出てしまう、上海家庭料理の奥深さを凝縮したような一皿だ。2026年のガチ中華シーンでは麻辣系の刺激的な料理が話題になりがちだが、こうした「油だけで魅せる」滋味系の技術料理こそ、実は玄人好みの再注目株になりつつある。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で再現できる本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分)

  • 長ねぎ青い部分中心。小ねぎでも可。斜め薄切りにし、葱白と葱葉に分けておく120g
  • 食用油クセの少ないもの。菜種油・米油など150ml
  • 生抽30ml(大さじ2)
  • 老抽10ml(小さじ2)
  • 砂糖6g(小さじ1と1/2)
  • 中華麺アルカリ麺。上海式の細打ち麺があれば尚良い。生麺・2人分300g

作り方

  1. 長ねぎは白い部分(葱白)と青い部分(葱葉)に切り分け、それぞれ3〜4cm長さの斜め薄切りにする。

  2. フライパンまたは小鍋に食用油150mlを入れ、中火にかける。菜箸を入れると細かい泡が立つ程度(中国語レシピでいう「五分熱」=油温120℃前後の中火弱)まで温めたら、弱火に落とす。

  3. 葱白から先に加え、弱火のまま10分ほどじっくり揚げ炒める(頻繁にかき混ぜず、鍋を揺する程度にとどめる)。表面が薄いきつね色になってきたら葱葉を加える。

  4. さらに弱火で10〜15分(合計20〜25分が目安)、ねぎ全体が茶色くしんなりして水分が抜け、カリッとした食感になるまで炒め続ける。焦げる直前が最も香りが強くなるが、黒く焦げると一気に苦くなるため、色の変化を見ながら火加減を調整する。

  5. 火を止めて粗熱を取り、生抽30ml・老抽10ml・砂糖6gを加えて混ぜ、余熱でなじませる(老抽は色付けが目的なので必ず生抽より少量にする)。

  6. 中華麺300gを表示時間どおりに茹で、しっかり湯を切って器に盛る。

  7. 6に5の葱油をねぎごとたっぷりとかけ、菜箸で麺とよく和えたら完成。

本場と日本の違い(意外な事実)

  • 本場上海では、材料の少なさゆえにかえって火加減の差が味に出やすく、「ちゃんと作れる家は多くない」と評されるほど繊細な料理とされる。ねぎを「焼く」のではなく、弱火の油で「熬(じっくり煮出す)」という感覚が本質。
  • 高級店では仕上げに開洋(干し小エビ)の風味を効かせるスタイルもあるが、家庭では基本的にねぎ・油・醤油だけで完成させる「引き算」の料理である点は共通している。
  • 日本の中華料理店ではほとんど扱われていない一皿だが、油そばやねぎ油うどんに通じるシンプルな技法として、家庭料理の分野でじわじわ人気が伸びている。

参考ページ(写真)

下厨房の「最古早最正宗的上海本帮葱油的做法」レシピページに、ねぎを油でじっくり炒めて色が変わっていく過程の手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/106120900/

代用可能な食材

  • 長ねぎ→小ねぎでも代用可(風味はやや軽くなる)
  • アルカリ麺(碱水面)→中華生麺やうどんでも代用可(本場特有のコシはやや落ちる)
  • 食用油→菜種油・米油など香りの少ない油であれば代用可(ごま油など香りの強い油は不向き)

保存・アレンジのコツ

  • 葱油(ねぎと合わせたオイル)は粗熱を取ってから清潔な保存容器に移せば、冷蔵で1週間ほど保存可能。作り置きしておけば、茹でた麺にかけるだけですぐ食べられる。
  • 仕上げにパクチーやセロリの葉を散らすと、香りに一段と深みが出る。
  • 辛味が欲しい場合は、仕上げにラー油を数滴加えるアレンジも人気(本場の伝統的な配合ではない点に留意)。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。