東北料理・东北菜延边冷面

延辺冷麺レシピ本場吉林・延辺の配合を徹底解説

氷入りのスープの麺に牛肉の薄切り、ゆで卵、きゅうり、りんご、にんじんをのせた延辺冷麺のイラスト
地域
东北(吉林・延辺朝鮮族)
分量
2人分
公開

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氷の浮かぶ甘酸っぱい牛肉スープに、黒っぽくコシの強いそば粉の麺。上には煮た牛肉、キムチ、きゅうり、ゆで卵、そしてりんごの薄切り。中国・吉林省の延辺朝鮮族自治州で食べられている延辺冷麺は、中国の少数民族である朝鮮族が受け継いできた料理です。

冷麺はもともと朝鮮半島の料理です。『国家人文歴史』の記事によれば、19世紀初めに平壌と咸興の一帯で生まれ、19世紀末に中国東北へ移り住んだ朝鮮族とともに伝わりました。自治州の州都・延吉には、1958年創業の冷麺の老舗「服務大楼」があります。地元紙の延吉新聞は同店を「延吉冷麺の第一家」と呼び、店長が「作り方も配合も昔のまま」と語る様子を伝えています。麺はそば粉を主に、どんぐり粉やさつまいものでん粉などを合わせたもので、スープは酸甜(甘酸っぱい)味が特徴です。

本サイトで以前紹介した東北の屋台料理「烤冷面」は、1990年代に黒竜江省の密山で生まれた、冷麺用の生地を鉄板で焼く料理です。名前は似ていますが、延辺冷麺は冷たいスープで食べる朝鮮族の伝統の麺で、成り立ちも食べ方もまったく別物です。一方、韓国の平壌冷麺・咸興冷麺や、日本の盛岡冷麺も、朝鮮半島北部の冷麺をルーツに持つとされる、いわば兄弟のような存在です。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順を公開します。

本場の配合

材料(2人分)

牛肉スープ(前日に仕込む)

  • 牛すね肉(ブロック)300g
  • 水1500ml
  • 大根100g
  • 人参50g
  • 長ねぎ(青い部分)30g
  • 生姜(薄切り)10g
  • にんにく10g
  • 八角1個(2g)
  • 花椒1g
  • 生抽15ml

冷麺スープ

  • 牛肉スープ(冷やしたもの)300ml
  • 冷水300ml
  • 生抽25ml
  • りんご酢40ml
  • 砂糖25g
  • 塩4g(小さじ3/4程度)
  • にんにく(すりおろし)5g

麺・具

  • 冷麺用の乾麺(そば粉入り)300g
  • 麺ゆで用の湯2000ml
  • 煮た牛すね肉(薄切り)120g
  • 白菜キムチ80g
  • きゅうり(せん切り)60g
  • りんご(皮付きの薄切り)60g
  • ゆで卵1個
  • 白いりごま4g
  • ごま油5ml
  • 香菜5g
  • 氷6個(約100g)

作り方

  1. 【牛肉スープ】牛すね肉は水からゆでて沸騰後3分でざるに上げ、表面を洗う。鍋に水1500ml、牛肉、大根、人参、長ねぎ、生姜、にんにく、八角、花椒、生抽15mlを入れて強火にかけ、沸いたらアクを取り、ふたをずらして弱火で1時間半〜2時間、竹串がすっと通るまで煮る。

  2. 牛肉を取り出し、スープはキッチンペーパーを敷いたざるでこす。スープが冷めたら牛肉と別々に冷蔵庫でひと晩冷やし、表面に固まった脂を取り除く。

  3. 【冷麺スープ】冷やした牛肉スープ300mlに冷水300ml、生抽25ml、りんご酢40ml、砂糖25g、塩4g、にんにくを加えてよく混ぜ、砂糖と塩を完全に溶かす。冷凍庫に30〜40分入れ、縁がシャリッと凍りかけるくらいまで冷やす。

  4. 【具】牛肉は薄切りにする。きゅうりはせん切り、りんごは食べる直前に薄切りにする。ゆで卵は半分に切る。

  5. 【麺】乾麺は手でほぐし、2000mlの湯で袋の表示時間(目安1〜2分)ゆでる。ざるに上げ、冷水で3回ほど、もみ洗いするようにしてぬめりを落とし、しっかり水気を切る。

  6. 器に麺を盛って冷麺スープを注ぎ、牛肉・キムチ・きゅうり・りんご・ゆで卵をのせる。ごま・ごま油・香菜をのせ、氷を浮かべる。

本場と日本の違い

  • スープの味:延辺冷麺のスープは酢と砂糖がしっかり効いた「酸甜」味。牛肉スープのうま味を土台に、甘さと酸っぱさを前に出すのが延辺らしさで、日本の焼肉店で出る冷麺と比べても、甘酸っぱさをはっきり効かせることが多い。
  • 麺の原料:延辺の麺はそば粉を主に、小麦粉やさつまいも・じゃがいものでん粉、どんぐり粉などを合わせたもの。色は黒っぽく、歯切れがよい。日本の盛岡冷麺は小麦粉とでん粉が中心で、より透明感がある。
  • 果物をのせる:りんごのほか、梨やすいかをのせることもある。牛肉・キムチ・きゅうり・卵と合わせて、甘み・辛み・酸味の層ができる。
  • 烤冷面との関係:烤冷面は冷麺用の生地を鉄板で焼く、黒竜江生まれの屋台料理。延辺冷麺は冷たいスープの麺料理で、同じ「冷麺」の名を持ちながら料理としては別物。

参考ページ(写真)

美食天下の「自制延边朝鲜族冷面(附牛肉汤做法)」のページに、牛肉スープの仕込みから盛り付けまでの手順写真が掲載されています。

(https://m.meishichina.com/blog/452093/)

代用可能な食材

  • 冷麺用の乾麺:韓国食材店の「そば冷麺(メミル冷麺)」や、中華食材店の延吉冷麺の乾麺が使いやすい。なければ盛岡冷麺の生麺でも作れる(食感はもっちり寄りになる)
  • 牛肉スープ:時間がない場合は、市販の韓国冷麺用スープの素を使い、生抽とりんご酢で延辺風の甘酸っぱさに寄せる
  • りんご酢:米酢で代用可。その場合は砂糖を5g増やす
  • 牛すね肉:牛もも肉のブロックでも作れる(脂の少ない部位を選ぶ)
  • 香菜:青ねぎの小口切りで代用可

保存・アレンジのコツ

  • 牛肉スープと煮た牛肉は冷蔵で3日、スープは冷凍で1ヶ月保存できる。多めに仕込んでおけば、麺をゆでるだけですぐに作れる
  • 冷麺スープを保冷容器で凍らせてシャーベット状にしておくと、夏場でも最後まで冷たく食べられる
  • 中国のレシピサイトでは、スープにレモン風味の炭酸飲料を加えて甘酸っぱさとさわやかさを出す家庭の工夫も紹介されている。その場合は砂糖を10g減らし、冷水300mlのうち150mlを炭酸飲料に置き換える

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。