浙江料理・浙菜西湖牛肉羹
西湖牛肉羹レシピ本場浙江・杭州の配合を徹底解説

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牛ひき肉と卵白、香菜を片栗粉でとろりとまとめた「西湖牛肉羹」。杭州の名を冠し、2022年の北京冬季五輪では選手村のメニューにも採用された、中国ではおなじみのスープだ。ところがこの料理、実は「杭州生まれではなく、広東料理がルーツ」という説がある。
騰訊新聞の記事で浙江旅游職業学院の厨芸学院長・金暁陽が語ったところによれば、西湖牛肉羹の原型は『中国名菜譜』に載る広東料理「蛋茸牛肉羹」。1988年ごろ、杭州の黄龍飯店が広東の料理人を招いてメニューを作った際にこの料理が取り入れられ、「杭州には西湖があり、しかも羹だから」という理由で「西湖牛肉羹」と改名されたという。1990年代から杭州で広まり、歴史はまだ30年あまり。杭州の伝統名菜の一覧にも、新杭州名菜の一覧にも入っていないのだそうだ。
一方で網易の「杭州料理18選」の記事では、西湖牛肉羹を杭州の伝統名菜として紹介し、名前の由来として「かき混ぜたスープの表面が西湖のさざ波に見えるから」「スープが稀糊(シーフー=とろとろ)の状態で、音が西湖に通じるから」「匙で混ぜる様子が西湖をこぐ舟の櫂のようだから」の3説を挙げている。由来には諸説あるが、今では杭州の宴席で最初に出される、のどを潤すスープとして定着している。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(3〜4人分)
牛肉の下味
- 牛赤身肉(もも肉など)150g
- 生抽10ml
- 砂糖2g
- 白こしょう0.5g
- ごま油5ml
羹
- 絹ごし豆腐100g
- 干し椎茸水で戻して30g3枚
- 水800ml
- 塩7g(小さじ1と1/4程度)
- 白こしょう1g
- 片栗粉水40mlで溶く20g
- 卵白2個分(60g)
- 香菜(みじん切り)10g
作り方
牛肉は包丁で細かく刻み、粗めのひき肉状にする。生抽・砂糖・白こしょう0.5g・ごま油を混ぜて15分おく。
豆腐と戻した椎茸は5mm角に切る。椎茸は熱湯で30秒ゆでて水気を切る。
鍋に湯(分量外)を沸かし、1の牛肉を入れて箸でほぐしながら色が変わるまで20秒ゆで、ざるにあげる(アクが出ず、スープが濁らない)。
鍋に水800mlを入れて沸騰させ、豆腐と椎茸を入れて2分煮る。3の牛肉を加え、塩7g・白こしょう1gで調味する。
再び沸騰したら、水溶き片栗粉を回し入れて混ぜ、とろみをつける。
火を弱め、溶きほぐした卵白を細く回し入れながら、お玉で大きくゆっくりと円を描くように混ぜる。卵白が白い薄衣状に広がったら火を止める。
香菜を加えてひと混ぜし、器に盛る。
本場と日本の違い
- 広東ルーツの影響:原型とされる広東の「蛋茸牛肉羹」を思わせるように、牛肉に生抽・砂糖・ごま油で下味をつけるのが香港・広東系のレシピの特徴。一方、中国本土の浙菜レシピでは、下味をつけずに刻んだ牛肉をさっとゆでてから加える作り方が紹介されている。本記事は下味をつけ、さらに下ゆでしてスープを澄ませる両方の工程を取り入れた。
- 卵白の使い方:日本のかき玉スープは全卵を使うことが多いが、西湖牛肉羹は卵白だけを使い、白い薄衣がスープ全体に漂うように仕上げる。名前の由来の一つ「西湖のさざ波」は、この卵白の模様のことだ。
- 香菜:本場では香菜が味の要。日本の中華スープのように青ねぎを散らすのではなく、香菜をたっぷり使う。
- とろみの強さ:中国の「羹」はスープよりとろみが強く、匙ですくって飲むもの。日本の中華スープよりやや濃いめのとろみを目指す。
参考ページ(写真)
美食天下の「【浙菜】西湖牛肉羹」レシピページに、牛肉を刻んで下ゆでし、卵白を流し入れるまでの手順写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-30519.html)
代用可能な食材
- 牛赤身肉:市販の牛ひき肉(赤身の多いもの)で代用可
- 干し椎茸:生椎茸3個で代用可
- 香菜:苦手な場合は三つ葉で代用可(香りの方向性は変わる)
- 水:無塩の鶏スープに替えるとうまみが増す
保存・アレンジのコツ
- 卵白が固くなりやすいので、作りたてを食べるのがいちばん。残った場合は冷蔵で翌日までに食べきる
- 温め直してご飯を入れ、弱火で3分煮れば牛肉のとろみ雑炊になる
出典
- 腾讯新闻「西湖牛肉羹上了北京冬奥会菜单!这道杭州名菜其实源自一道粤菜」
- 网易新闻「18道杭州菜之六——西湖牛肉羹」
- 美食天下「【浙菜】西湖牛肉羹」
- 星岛头条「自煮教室|杭州傳統名菜西湖牛肉羹 經典家常菜 鮮美易煮」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。