浙江料理・浙菜宁波汤圆

寧波湯圓レシピ本場浙江の配合を徹底解説

白い器の湯に丸い湯圓が浮かび、割れた一つから黒ごま餡がのぞき、金木犀の花を散らした寧波湯圓のイラスト
地域
浙菜(浙江・寧波)
分量
2人分
公開

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寧波湯圓は、宋・元の時代に起源を持つとされ、今日まで700年以上の歴史を持つと伝えられる中国を代表する点心のひとつだ。当時の明州(現在の浙江省寧波市)で、黒ごま・豚脂(ラード)・砂糖を詰めた餡を、水挽きの餅米粉で包んで作られたのが始まりとされ、鍋の中で茹でると浮いたり沈んだりする様子から「浮元子」という愛らしい呼び名で呼ばれていたという記録も残っている。

この菓子が全国的な行事食になったのは元宵節(旧暦1月15日)の風習と結びついたためで、円い形が「団円(家族の団らん)」を象徴することから、正月十五日に欠かせない縁起物として定着した。なかでも寧波の黒ごま・豚脂餡の湯圓は、他地域の湯圓と比べても餡の配合と滑らかな舌触りに定評があり、1982年には浙江省で最初に海外輸出された点心となり、1997年には「中華名点小吃」にも選ばれている。

寧波湯圓最大の特徴は、餡に生の豚の背脂(板油)を使う点にある。皮や筋を丁寧に取り除いた豚脂を細かく刻み、炒って挽いた黒ごまと砂糖に混ぜ込むことで、加熱すると脂がとろりと溶け出し、皮の中でとろみのある「熱々の黒蜜」のような餡になる。この「割ると熱い餡が流れ出す」体験こそが、寧波湯圓が単なる白玉団子と一線を画す理由だ。

日本の白玉やあんこ団子とはまったく異なる、脂のコクと胡麻の香ばしさが同居する味わいは、一度食べると忘れられない。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分・目安、約12〜16個分)

餡

  • 黒ごま(炒ったもの)75g
  • 落花生炒ったもの、お好みで25g
  • 砂糖40g
  • 豚の背脂(板油、皮と筋を除いたもの)40g

皮

  • 水挽き餅米粉(無ければ白玉粉でも可)150g
  • ぬるま湯(約40℃)様子を見ながら調整130〜150ml

仕上げ

作り方

  1. 餡作り:豚の背脂は筋と薄皮をきれいに取り除き、細かく刻む。

  2. 黒ごまと落花生をフードプロセッサーやすり鉢で粗く砕き、砂糖と混ぜ合わせる。

  3. 刻んだ豚背脂を加えてよく練り合わせ、冷蔵庫で30分ほど冷やして固める。

  4. 直径2cmほどの小さな団子状に丸め、使うまで冷蔵(または冷凍)しておく。

  5. 皮作り:餅米粉にぬるま湯を少しずつ加えながらこね、耳たぶくらいの柔らかさの生地にまとめる(水は一度に全部入れず、様子を見ながら調整するのがコツ)。

  6. 生地を棒状に伸ばし、12〜16等分に切り分けて丸める。

  7. 1個ずつ手のひらで平らに伸ばし、中央に餡を置いて皮の縁を寄せながらしっかり包み込み、隙間ができないように丸め直す。

  8. 鍋にたっぷりの水を沸かし、湯圓を入れて沸騰したら差し水を少量し、再沸騰させてから3分ほど、浮き上がってくるまで茹でる。

  9. 器に盛り、お好みで桂花シロップと茹で汁(またはお湯)を注いで供する。

本場と日本の違い

  • 日本の白玉団子は餡が入らないことも多いが、寧波湯圓は豚の背脂を使った黒ごま餡が必須で、割ると中から熱い脂と胡麻の香りが流れ出るのが最大の個性。
  • 日本の団子生地は白玉粉のみで作ることが多いが、本場では水挽きした餅米粉(水磨糯米粉)を使うことで、より滑らかでもちもちとした食感に仕上がる。
  • 皮を包む際、隙間なくしっかり閉じることが非常に重視される。隙間があると茹でている間に餡の脂が溶け出して皮が破れてしまう。
  • 元宵節の行事食という位置づけが強く、家庭で大量に手作りして冷凍保存し、正月十五日に一斉に茹でて食べる風習が今も根付いている。

参考ページ(写真)

下厨房の「宁波汤团(麻心猪油馅)」レシピページには、餡作りから皮で包む工程、茹で上げまでの手順写真が掲載されている。 https://m.xiachufang.com/recipe/106647869/

代用可能な食材

  • 豚の背脂(板油)→入手困難な場合は無塩バター(40g、風味は変わるが代用可)
  • 水挽き餅米粉→白玉粉や上新粉と餅粉のブレンド(150g)
  • 桂花シロップ→はちみつやシロップに乾燥キンモクセイの花小さじ1/2を加えたもので代用可

保存・アレンジのコツ

  • 成形した生の湯圓は冷凍保存が可能で、寧波の家庭でも大量に作って冷凍しておき、必要な分だけ凍ったまま茹でるのが一般的。
  • 茹でる際は途中で差し水をして、皮の中心までしっかり火を通すのがコツ(皮だけ煮えて餡が冷たいままになるのを防ぐ)。
  • 甘い黒ごま餡の他に、寧波では肉あんの「咸湯圓」も作られており、甘いものが苦手な人にはこちらのアレンジもおすすめ。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。