浙江料理・浙菜片儿川
片児川(杭州式雪菜肉絲麺)レシピ本場浙江・杭州の配合を徹底解説

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杭州の麺店で最も注文される麺の一つが「片児川」。豚肉の薄切り、たけのこの薄切り、そして雪菜(高菜に近い青菜の塩漬け)をのせた汁麺だ。ところで、なぜ麺料理なのに「川」の字がつくのだろうか。
澎湃新聞に掲載された杭州の食文化研究家・胡西林の記事によれば、「片」は肉とたけのこの薄切り、「児」は杭州方言特有の児化音、そして「川」は本来、熱湯でさっと煮る調理法を指す「汆(ツァン)」の字で、発音が似ていたため「川」と書かれるようになったという。今では有名店がこぞって「川」の字を使っているため、すっかり定着した表記だ。
誕生の由来はさらに諸説ある。杭州網の記事では、清の同治年間、老舗麺店の奎元館が科挙の受験生向けに雪菜・冬筍・赤身肉の3つの具をのせた安い麺を考案し、「連中三元(試験に続けて首席合格する)」の縁起をかけたという説と、蘇東坡の詩句「肉がなければ人は痩せ、竹がなければ人は俗になる」にちなんで肉とたけのこを薄切りにしたという説が紹介されている。一方で胡西林は、奎元館自体は1867年創業だが、片児川は1934年に店を引き継いだ陳秀桃が1930年代に考案したもので、蘇東坡との関係は後づけだと指摘している。
浙菜らしく、甘さを抑えたさっぱり味で、雪菜の塩気とうまみ、たけのこの歯ざわりで食べさせる一杯だ。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2人分)
豚肉の下味
具とスープ
作り方
豚肉は繊維を断つように厚さ3mmの薄切りにし、黄酒・生抽5ml・片栗粉・砂糖をもみ込んで15分おく。
雪菜は水に5分さらして塩気を少し抜き、固く絞って5mm幅に刻む。たけのこは厚さ3mmの薄切りにする。
鍋にたっぷりの湯を沸かして麺を入れ、再び沸騰したらコップ1杯(200ml)の差し水をする。これを2回繰り返し、袋の表示時間より1分短くゆでたら冷水で洗って水気を切る。
別の鍋(またはフライパン)にラードを中火で熱し、1の豚肉を広げて入れ、色が変わるまで1分炒めて端に寄せる。空いたところにたけのこと雪菜を入れて30秒炒め、豚肉と炒め合わせる。
熱湯700mlを注ぎ、生抽15ml・塩5gを加えて強火で2分煮立て、スープに雪菜の香りを移す。
3の麺を5の鍋に入れ、強火で1分煮て麺にスープを吸わせる。麺と具を丼に取り分け、スープを注いで青ねぎを散らす。
本場と日本の違い
- 麺を具と一緒に煮る:日本の汁麺は、ゆでた麺に別に作ったスープと具をのせるのが一般的だが、片児川は具を炒めて湯を注いだ鍋に麺を入れ、最後にひと煮立ちさせて麺に味を含ませるのが特徴。名前の「川(=汆)」が示すとおり、湯で煮る工程に重きがある。
- 雪菜:杭州では「倒篤菜」と呼ばれる雪菜の塩漬けを使うことが多い。日本の雪菜(東北の伝統野菜)とは別物で、中国の雪里蕻を塩漬けにしたもの。中国食材店で「雪菜」の名で真空パックが売られている。
- 季節のたけのこ:本場では冬は冬筍、春は春筍と、旬のたけのこを使い分ける。日本では水煮たけのこで一年中作れるが、春に生のたけのこが手に入れば、下ゆでして使うと香りが格段によくなる。
- 味の方向性:同じ浙江でも東坡肉のような甘辛い料理とは違い、片児川は甘さをほとんど感じない塩味仕立て。雪菜の塩気がスープの味の土台になる。
参考ページ(写真)
美食天下の「片儿川」レシピページに、豚肉の下味から具を炒めて麺と合わせるまでの手順写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-99936.html)
代用可能な食材
- 雪菜:高菜漬け(刻み)で代用可。高菜漬けは塩分がやや強いので、水に10分さらしてから使う
- 豚ヒレ肉:豚もも薄切り肉でもよい
- ラード:サラダ油で代用可(香りのコクは控えめになる)
- 中華生麺:なければ乾麺の中華麺を表示時間より1分短くゆでて使う
保存・アレンジのコツ
- 雪菜・たけのこ・豚肉を炒めた具(作り方4まで)は冷蔵で2日保存できる。湯を注いで麺を入れるだけで、すぐに一杯が作れる
- 麺を入れずにご飯を加えて煮れば、杭州風の雪菜肉片の泡飯(汁かけご飯)になる
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。