浙江料理・浙菜绍兴霉干菜烧肉

紹興梅干菜焼肉レシピ本場浙江の配合を徹底解説

白い碗の黒い梅干菜の上に、照りのある角切りの豚バラを並べた紹興梅干菜焼肉のイラスト
地域
浙菜(浙江・紹興)
分量
2人分・目安
公開

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「霉干菜」(「梅干菜」とも書かれる)は、浙江省紹興を代表する保存野菜で、清朝時代には皇帝への献上品「八大貢品」のひとつに数えられたという記録も残っている。清の乾隆帝が江南視察の折に何度もこの料理を味わったとも伝えられ、地元では今も家庭ごとに独自の作り方で漬け込む文化が続いている。古い地方誌『越中便覧』には、芥菜(からし菜)で作るもの、油菜(菜の花の仲間)で作るもの、白菜で作るものと、原料による種類の違いが記されているほど、紹興の人々にとって身近な保存食であったことがうかがえる。

製法は清明節前に採れた菜の若い芯を丁寧に選び、金銀色の糸で束ねてから小さな甕で塩漬けにし、蒸しては乾かすという工程を何度も繰り返すという手間のかかるものだ。こうして作られた干菜は独特の香ばしい風味と深いコクを持ち、豚バラ肉と炊き合わせることで肉の脂を吸って旨味が凝縮される。

この料理には文豪・魯迅(紹興出身)との縁も伝わっている。上海に暮らしていた魯迅は、故郷の「霉干菜焖肉(梅干菜と豚肉の煮込み)」をこよなく愛し、母親が遠方から度々送ってくれていたという。1935年の魯迅の日記には「子どもたちはとても喜んで食べた、彼らはこれまでこんな干菜を食べたことがなかったから」という趣旨の記述が残っており、当時上海では珍しい郷土の味だったことがわかる。

一見地味な家庭料理に見えるが、実は献上品にまで数えられた由緒ある保存食と、文豪の望郷の味が結びついた奥深い一皿なのだ。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分・目安)

  • 豚バラ肉(かたまり)2〜3cm角に切る400g
  • 梅干菜(霉干菜、乾燥)50g
  • 氷砂糖またはグラニュー糖10g4〜5粒
  • 料理酒できれば黄酒大さじ1.5
  • 生抽大さじ1
  • 老抽小さじ1.5
  • オイスターソースお好みで小さじ1/2
  • 生姜(薄切り)3枚
  • 食用油小さじ2(10ml)
  • 水梅干菜の戻し汁を含む200〜300ml

作り方

  1. 梅干菜は水でよく洗い、約1時間水に浸けて戻す。戻し汁は捨てずに取っておく。

  2. 豚バラ肉は角切りにする。

  3. 鍋に食用油小さじ2を熱し、豚バラ肉を中火で表面が薄く色づくまで炒める。

  4. 生姜と氷砂糖を加えて炒め合わせ、焦がさないよう注意する。

  5. 料理酒、生抽、老抽を順に加えて肉によく絡める。

  6. 戻した梅干菜と戻し汁、追加の水を加え、強火で10分ほど煮立たせる。

  7. 弱火〜中火にして蓋をしたまま40〜50分、肉が箸で切れるほど柔らかくなるまでじっくり煮込む(圧力鍋を使う場合は加圧10分+自然放置10分が目安)。

  8. 蓋を取り、強火で水分を飛ばしながら、味を見てオイスターソースで調整し、とろみがついたら火を止める。

本場と日本の違い

  • 日本ではあまり馴染みのない「梅干菜(干し漬け菜)」は、日本の高菜漬けや野沢菜漬けに近いが、天日と塩漬けを繰り返して作られる乾物であり、水で戻してから使う点が大きく異なる。
  • 本場では豚バラ肉の脂を梅干菜にしっかり吸わせるため、長時間のとろ火煮込みが必須。時間を短縮すると、干菜特有の香ばしさと肉の一体感が出にくい。
  • 甘辛い味付けは砂糖と醤油のみで構成され、日本の「角煮」のような八角やねぎを多用する香り付けは基本的に行わない、干菜の風味を主役にした素朴な味わいが本場流。
  • 広東の「梅菜扣肉」とよく混同されるが、紹興の霉干菜焼肉は肉を蒸さずに煮込んで仕上げる点、また使う干菜の種類・製法も異なる、別系統の料理である。

参考ページ(写真)

下厨房の「梅干菜烧肉的做法」レシピページには、梅干菜の戻し方から豚肉を炒める工程、圧力鍋での煮込みまでの手順写真が掲載されている。 https://m.xiachufang.com/recipe/104230006/

代用可能な食材

  • 梅干菜(霉干菜)→入手困難な場合は高菜の古漬けを刻んで代用可(50g、塩分に応じて調味料を調整)
  • 黄酒→日本酒または紹興酒で代用可
  • 氷砂糖→グラニュー糖や上白糖(10g程度)で代用可

保存・アレンジのコツ

  • 冷蔵で3〜4日、冷凍で2〜3週間保存可能。時間が経つほど味がなじんでおいしくなる。
  • 紹興の家庭では、梅干菜を単独で豚肉と一緒に蒸し器で蒸し上げる「霉干菜蒸肉」というアレンジもよく作られる。
  • ご飯にのせて「梅干菜焼肉丼」風にしても相性がよい。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。