浙江料理・浙菜龙井虾仁
龍井蝦仁レシピ本場杭州の配合を徹底解説

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龍井蝦仁は、杭州名産の龍井茶と、西湖周辺で獲れる淡水の河蝦(テナガエビの仲間)を合わせた、いかにも江南らしい繊細な一皿だ。その起源には複数の説が伝わっている。もっとも有名なのは清代の乾隆帝にまつわる逸話で、南巡の際に杭州の茶農家でこっそり龍井茶を持ち帰った乾隆帝が、飲食店で茶を注文したところ、店の主人が誤ってその茶葉をねぎの代わりに炒めていた蝦仁に混ぜ込んでしまい、それが思いがけず絶品だったという物語である。
もうひとつの説では、北宋の文豪・蘇東坡が詠んだ「旧火で新しい茶を試す」という趣旨の詩句に着想を得たともいわれ、杭州の老舗料理店「楼外楼」が20世紀初頭(1920年代)にこの料理を改良・定型化し、広く普及させたという記録も残っている。真偽のほどは定かではないが、いずれの伝承にも共通するのは「その時節にとれる最良の茶葉と最良の川エビを合わせる」という発想であり、これは中国料理における「不時不食(旬でなければ食べない)」という理念を体現した料理だと評されている。
龍井茶は清明節前に摘まれる「明前茶」がもっとも香り高いとされ、龍井蝦仁もこの時期の新茶で作るのが最上とされる。透き通るような蝦仁の白桃色と、茶葉の若々しい緑が皿の上で対比する見た目の美しさも、この料理が国宴(国家の公式晩餐会)でもたびたび供されてきた理由のひとつだ。
日本の中華料理店ではほとんど見かけることのない一品だが、家庭でも河エビの代わりにむきエビを使えば十分に再現できる。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。
本場式の配合
材料(2人分・目安)
作り方
エビは背わたを取り除き、氷水に30分ほど浸けて臭みを抜き、キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取る。
エビに塩・卵白・紹興酒を加えてよく揉み込み、粘りが出たら片栗粉を加えてさらに混ぜ、冷蔵庫で30分〜1時間寝かせて下味をなじませる。
龍井茶に85〜90℃のお湯を注ぎ、1分ほど蒸らして茶葉と茶湯を分けて用意する(沸騰したての熱湯は苦味が出るので避ける)。
フライパンに食用油を入れ、七分目程度の低めの温度(約120〜140℃)に熱し、エビを入れて色が変わったらすぐに取り出す(油通し)。
フライパンの油をほとんど拭き取り、エビを戻し入れ、茶葉と茶湯を注ぎ、紹興酒小さじ1と塩ひとつまみを加えて手早く数回炒め合わせ、皿に盛る。
本場と日本の違い
- 日本の炒め物のエビはケチャップや卵とじで濃く味付けされることが多いが、本場の龍井蝦仁は塩と茶葉の香りだけで勝負する非常に淡白な味付けで、エビ本来の甘みと茶葉の清々しい香りを楽しむ一皿。
- 本場では川エビ(河蝦)を使うのが伝統的で、これは日本の芝エビや川エビに近い淡水種。手に入りにくい場合は、鮮度のよい殻付きの小エビをむいて代用するとよい。
- 茶葉を炒めすぎたり、熱湯で淹れすぎたりすると苦味や渋みが出るため、低めの油温での油通しと、85〜90℃の茶の抽出温度を守ることが本場の技術。
- 見た目の美しさ(淡いピンクと翠緑の対比)も重視される料理で、彩りを損なわないよう調味料は最小限に留めるのが本場流。
参考ページ(写真)
下厨房の「龙井虾仁(国宴做法)」レシピページには、エビの下処理から茶葉を淹れる工程、仕上げの炒め合わせまでの手順写真が掲載されている。 https://m.xiachufang.com/recipe/106487623/
代用可能な食材
- 川エビ(河蝦)→殻をむいた小ぶりのバナメイエビやブラックタイガー(250g)
- 明前の龍井茶→一般的な緑茶(煎茶)4gで代用可能(風味はやや異なる)
- 紹興酒→黄酒または日本酒で代用可
保存・アレンジのコツ
- 作りたてが一番美味しく、保存には向かない料理。エビの下味をつけた状態までなら冷蔵で半日程度保存可能。
- 龍井茶の茶葉は仕上げに数枚だけ飾り用に残しておくと、見た目がより美しく仕上がる。
- 杭州の一部の店では、彩りとしてグリーンピースを少量加えるアレンジも見られる。
出典
- 杭州美食三绝:一口下去,吃透苏东坡的江南情!(搜狐)(由来・伝説(乾隆帝説、蘇東坡説、楼外楼による定型化))
- 龙井虾仁的做法(美食天下)(レシピ・分量・手順)
- 龙井虾仁(国宴做法)的做法(下厨房)(レシピ・分量・手順(クロスチェック))
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。