浙江料理・浙菜西湖醋鱼

西湖醋魚レシピ本場杭州の配合を徹底解説

開いてゆでた白身魚に濃い茶色の甘酢あんをかけ、生姜と長ねぎの細切りをのせた西湖醋魚のイラスト
地域
浙菜
分量
2人分
公開

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杭州随一の名物として知られる西湖醋魚だが、実は清代の文人からしてすでに「手間を惜しんだ料理で、大した見どころもない」と酷評されていた記録が残っている。現代のネット上でも「西湖は西湖、酢は酢、魚は魚」と揶揄されるほど賛否が分かれる、なかなか一筋縄ではいかない料理なのだ。

由来をたどると、南宋の皇帝・高宗が西湖のほとりで魚のとろみスープを売る「宋五嫂」という女性料理人の味に感動し、褒美を与えたという逸話にたどり着く。これが評判となった「宋嫂魚羹」が、のちに酢と醤油で仕上げる今の姿へ変化したとされる。一方で民間には、悪徳役人に殺された兄の仇を討つため旅立つ弟に、兄嫁が「甘さも苦さも忘れるな」という戒めを込めて甘酢の魚料理を持たせた、という「叔嫂伝珍」の伝説も語り継がれている。

本場の老舗はかつて、魚の泥臭さを抜くために生きた魚を数日絶食させてから調理するほどのこだわりを見せていた。ここから先は、実際に中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の分量と手順を解説する。

本場式の配合

材料(2人分)

  • 白身魚(本来は草魚。スズキ・鯛・コイなど淡白な白身魚で代用可) 切り身または1尾400g
  • 香醋(鎮江香醋が理想)大さじ3
  • 生抽大さじ2
  • 黄酒紹興酒で代用可大さじ2
  • 砂糖大さじ2.5
  • 生姜(薄切り+細切り分けて使用)15g
  • 長ねぎ(細切り)10g
  • 片栗粉(水溶き用)大さじ1
  • 塩小さじ1/2
  • 魚の茹で汁150ml

作り方

  1. 魚は両面に浅い斜めの切り込みを数本入れる(本場は骨に沿って肉を切り分ける独特の包丁技法を使うが、家庭では切り込みだけで十分)。

  2. 鍋に湯を沸かし、黄酒大さじ1と生姜の薄切りを加え、魚を入れて中火で2分、弱火で2分加熱したら火を止め、蓋をして1分蒸らす。

  3. 魚を取り出して皿に盛り、茹で汁は150ml取り分けておく。

  4. 別鍋に生抽、砂糖、残りの黄酒大さじ1、塩、茹で汁150mlを入れて煮立て、水溶き片栗粉でとろみをつける。

  5. 火を止める直前に香醋を加えてひと混ぜする(酢は仕上げに入れることで香りが飛ばない)。

  6. 魚に熱々のあんをかけ、生姜と長ねぎの細切りをのせて完成。

意外な事実

  • 現在の形は、南宋の皇帝も味わったとされる「宋嫂魚羹」というとろみ魚スープから派生したという説が有力視されている。
  • 民間には、悪徳役人に殺された兄の仇討ちに旅立つ弟へ、兄嫁が戒めとして甘酢の魚料理を持たせたという「叔嫂伝珍」の伝説も伝わる。
  • 本場の老舗はかつて泥臭さを抜くため、生きた魚を数日「絶食」させてから調理する徹底ぶりで知られていたが、簡略化する店が増えたことで、地元でも「名前ほど美味しくない」と酷評されることがある。
  • 正統な作り方では油をほとんど使わず、醤油・砂糖・酢の味だけで淡く仕上げるのが特徴とされる。

参考ページ(写真)

下厨房の「西湖醋鱼的做法」レシピページに、魚の下処理からあんかけまでの手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/76537/

代用可能な食材

  • 草魚が手に入らない場合はスズキ・鯛・コイなど淡白な白身魚で代用可
  • 鎮江香醋がなければ穀物酢に少量の黒酢を混ぜても代用可
  • 黄酒は紹興酒で代用可

保存・アレンジのコツ

  • あんかけは冷めるととろみが強くなりやすいため、食べる直前に仕上げるのがおすすめ
  • 魚は再加熱すると身が硬くなるので、余った場合はあんだけ温め直してかけ直すとよい

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。