四川料理・川菜万州烤鱼

万州烤魚(マンヂョウカオユー)レシピ本場重慶の配合を徹底解説

角型の焼き鍋で、丸ごと焼いた魚に赤い汁と刻み唐辛子、青ねぎ、香菜をのせた万州烤魚のイラスト
地域
川菜(重慶・万州)
分量
2人分
公開

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丸ごと一尾の魚を焼いてから、真っ赤な豆板醤ソースで再び煮込む——見た目のインパクトも味も強烈な万州烤鱼は、日本のガチ中華居酒屋でも看板メニューになりつつある一品だ。魚を焼いて食べる痕跡自体は新石器時代の長江流域にまでさかのぼり、商周期の遺跡からは大量の魚骨と木炭が出土している。だが「万州烤鱼」として語り継がれる起源はもっとドラマチックだ。南宋の景炎元年(1276年)、元軍に万州の天子城を包囲され食糧難に陥った城内で、「江尚」という調理係が捕らえた魚に塩を振りながら焼く方法を編み出し、その香ばしさが評判となって広まったと伝えられている。

近代に入り、1902年の開埠・1917年の海関設置を機に各地の商人が万州に集まり、食文化が融合。1980〜90年代には烤鱼専門店が次々と誕生し、豆板醤ベースの煮込みソースをかける今のスタイルが確立した。文豪・郭沫若が1919年に万州を訪れた際に烤鱼を絶賛したというエピソードも残っている。

ここから先は、実際に中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭のオーブンで再現できる本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分)

  • 白身魚真鯛またはすずき。正味500g、腹開き・下処理済み1尾
  • 塩4g(小さじ3/4)
  • 料理酒黄酒または日本酒大さじ2(30ml)
  • 花椒粉小さじ1(約2g)
  • 白胡椒小さじ1/2(約1g)
  • 生姜(薄切り)10g
  • にんにく(薄切り)6g(2片)
  • 長ねぎ(青い部分)1本分
  • にんにく(潰す)24g(8片)
  • 生姜(薄切り)10g
  • 郫県豆瓣醤30g(大さじ2)
  • 泡椒なければ豆板醤大さじ1/2+米酢小さじ1で代用25g(5個)
  • 八角1個
  • 香葉(ローリエ)2枚
  • 青花椒小さじ1(約2g)
  • 乾燥唐辛子15本
  • セロリ斜め切り100g
  • パプリカ(赤・青)合計140g、乱切り各1個
  • 玉ねぎくし切り100g
  • もやし100g
  • ビール100ml
  • 生抽大さじ1(15ml)
  • 砂糖小さじ1(約4g)
  • 鶏がらスープの素(顆粒)小さじ1(約5g)
  • 食用油大さじ3(45ml)
  • 白ごま小さじ1
  • 万能ねぎ(小口切り)10g

作り方

  1. 魚は腹側から開いて骨に沿って厚みを均等にし、皮目に1.5cm間隔の格子状の飾り切りを入れる。塩4g・料理酒大さじ2・花椒粉小さじ1・白胡椒小さじ1/2・生姜10g・にんにく6g・長ねぎを全体にすり込み、30分ほど下味をつける。

  2. 200℃に予熱したオーブンで、下味の生姜・にんにく・長ねぎを取り除いた魚を皮目を上にして15分焼く。

  3. フライパンに食用油大さじ3を熱し、にんにく24g・生姜10gを中火で1分炒め、セロリを加えてさらに1分炒める。

  4. 泡椒・乾燥唐辛子・青花椒・八角・香葉を加えて1〜2分炒め合わせ、郫県豆瓣醤を加えて香りが立つまで炒める。

  5. パプリカ・玉ねぎ・もやしを加えて強火でさっと炒め合わせ、ビール100ml・生抽大さじ1・砂糖小さじ1・鶏がらスープの素小さじ1を加えて3〜4分煮詰める。

  6. 焼いた魚の上に5のソースと野菜をたっぷりのせ、白ごま・万能ねぎを散らして、200℃のオーブンでさらに2〜3分焼いて香りを立たせる。

本場と日本の違い

  • 本場・万州では鯉魚や草魚など川魚の丸ごと1尾を使うのが基本だが、日本では入手・下処理のしやすさから、真鯛やすずきなど海の白身魚で代用しても違和感なく仕上がる。
  • 現地の烤鱼店では専用の炭火オーブンで香ばしさを出すのが特徴だが、家庭用オーブンでも二段階焼成(下焼き+ソースをかけての仕上げ焼き)でかなり近い風味が再現できる。
  • 日本のガチ中華居酒屋では辛さのレベルを選べる店が多いが、本場では基本的に痺れと辛さがしっかり効いた味付けが標準となっている。

参考ページ(写真)

下厨房の「重庆万州烤鱼」レシピページに、魚の飾り切りからソースの仕上げまでの手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/106072170/

代用可能な食材

  • 鯉魚・草魚→真鯛、すずき、または切り身の白身魚
  • 泡椒→豆板醤+米酢小さじ1
  • 青花椒→省略可、または花椒粉で代用
  • ビール→水または鶏がらスープ

保存・アレンジのコツ

  • 焼きたてが香ばしさの命なので、ソースをかけたらすぐに提供するのがおすすめ。残った場合は翌日フライパンで温め直すと風味が戻る。
  • しめに残ったソースへ中華麺や春雨を加えて煮込むと、〆の一品として楽しめる。
  • 辛さを抑えたい場合は乾燥唐辛子と泡椒の量を減らし、パプリカを増やすとバランスが取りやすい。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。