四川料理・川菜蒜泥白肉
蒜泥白肉(ゆで豚のにんにくソース)レシピ本場四川の配合を徹底解説

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四川料理の代表的な前菜のひとつ、蒜泥白肉。ところがこの料理のルーツは、辛い四川ではなく、はるか北の満洲族の儀礼にあるとされています。
もともと「白肉(塩も入れずに豚を丸ゆでして切り分けた肉)」は北方の満洲族が得意とした料理で、祖先や神を祀る儀式で供えた豚肉を皆で分けて食べる習わしがあったといわれます。清代の文人・袁枚は料理書『随園食単』でこれを「白片肉」として紹介し、北方の人が得意とする料理だと記しました。同じ清代、四川出身の李調元が記した『醒園録』には四川の「白煮肉」も登場します。
これを今の形に仕上げたのが、民国初期の成都にあった「竹林小餐」だと伝えられています。澎湃新聞の川菜コラムによれば、店主の王興元は豚のもも肉の一部位「二刀肉」を使い、火が通った瞬間に引き上げて熱いうちに薄く切り、にんにくのすりおろし・紅油(ラー油)・甘い醤油で味をつけるスタイルを確立し、成都中で評判になったといいます。
日本で「ゆで豚のにんにくソース」というと、醤油とにんにくだけのシンプルなたれを想像しがちです。本場の決め手は、香辛料と黒糖で煮詰めた「複製醤油(甜醤油)」。甘くて香り高いこの醤油と、紅油の辛さ、生にんにくの刺激が三層になって、脂身の多い豚肉を軽やかに食べさせてくれます。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順を公開します。
本場の配合
材料(3人分)
複製醤油(作りやすい分量。使うのは20ml)
にんにくだれ
- にんにく(すりおろし)25g(5片)
- 肉のゆで汁(冷ましたもの)30ml
- 複製醤油20ml
- 紅油辣椒油25ml
- 砂糖3g
- ごま油5ml
作り方
複製醤油を作る。小鍋に醤油100ml・黒糖30g・水50ml・八角・桂皮・花椒・生姜を入れて弱火にかけ、ふつふつとした状態で15〜20分、全体量が3分の2ほど(約100ml)になるまで煮詰める。香辛料を取り除いて冷ます。
豚肉は皮の毛を焼くかこそげ取り、鍋に水1500ml・長ねぎ・生姜・花椒・料酒とともに入れて水から火にかける。沸いたらアクを取り、弱火でふたをして25分煮る。
火を止めてふたをしたまま20分、ゆで汁に浸けたまま置いて余熱で火を通す(竹串を刺して透明な汁が出ればOK)。ゆで汁30mlを取り分けて冷ましておく。
にんにくをすりおろし、冷ましたゆで汁30mlでのばしてから、複製醤油20ml・紅油25ml・砂糖3g・ごま油5mlを混ぜてたれを作る。
きゅうりはピーラーで縦に薄く削り、皿に敷く。
豚肉をゆで汁から取り出し、温かいうちに繊維を断つように厚さ2mm程度の大きな薄切りにする。きゅうりの上に並べ、4のたれを回しかける。
本場と日本の違い
- 甘い醤油を使う:本場の蒜泥白肉は、黒糖と香辛料で煮詰めた複製醤油の甘みが味の中心。日本の「ゆで豚のにんにく醤油」は普通の醤油で塩辛く仕上がることが多い。
- 部位と厚み:本場の店では二刀肉(もも肉の一部)を使い、向こうが透けるほど薄く、かつ大きく切るのが腕の見せどころ。日本では豚バラの厚切りで出されることが多い。
- 温度:竹林小餐のスタイルは「ゆでたてを熱いうちに切る」のが基本。冷やした肉に冷たいたれをかける日本式の冷菜とは口当たりがかなり違う。
参考ページ(写真)
美食天下の「蒜泥白肉」レシピページに、肉のゆで方からきゅうりの盛り付けまでの手順写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-145213.html)
代用可能な食材
- 二刀肉(皮付き豚もも肉):皮付き豚バラも定番。どちらも皮付きが手に入らなければ皮なしのかたまりで代用可(脂が多くなる分、薄めに切る)
- 複製醤油:時間がなければ醤油20ml+黒糖小さじ2(6g)+五香粉ひとつまみ(0.3g)を電子レンジで20秒温めて溶かしたもので代用可
- 紅油:市販の食べるラー油ではなく、具の少ない辣椒油を使うと本場に近い
保存・アレンジのコツ
- 複製醤油は冷蔵で1か月ほど持つ。鍾水餃や涼麺のたれにも使えるので、多めに作っておくと便利
- ゆでた豚肉はゆで汁ごと冷蔵して2日以内に。食べる直前にゆで汁ごと温め直してから切ると、本場らしい「温かい白肉」になる
- きゅうりの代わりに、薄切りの豚肉できゅうりを巻いて盛る「蒜泥白肉巻」にすると見栄えがよい
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。