四川料理・川菜酸辣粉

サンラー粉(酸辣粉)レシピ本場四川の配合を徹底解説

赤いスープの太い春雨にピーナッツとパクチーをのせた、青い縁の白い丼のサンラー粉のイラスト
地域
川菜(四川)
分量
2人分
公開

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一杯150円前後で売られるインスタント麺の定番として知られる酸辣粉(サンラー粉)だが、実はその発祥地は今も一つに定まっていない。もっとも根強く語られるのは、四川省南部の塩の街・自貢で生まれたという説だ。かつて自貢では地下深くから汲み上げた鹹水を煮詰めて塩を作る「盐工(塩井労働者)」が数多く働いており、彼らの過酷な労働を支える食文化からは、油と塩をたっぷり使う「盐工菜」という濃厚な味付けの系統が生まれたことが知られている。酸辣粉もまた、安く・早く・腹持ちよく食べられる庶民の軽食として、この塩の街の労働文化の延長線上で生まれたという見方が伝えられている。

一方で、四川中西部の屋台街から広まったとする説や、1950〜60年代の重慶の露天商が売り歩いた庶民食が原型だとする説もある。三国志の劉備・関羽・張飛が桃園で義兄弟の契りを結んだ際、桃園の主人が振る舞ったのが始まりという心温まる伝説も語り継がれているが、主原料であるサツマイモが中国に伝わったのは16世紀末(明代)のため、時代考証としては成立しない後付けの逸話とみられている。

酸辣粉は麻婆豆腐などと同じ川菜に属しながら、花椒の痺れよりも酢の酸味と唐辛子の辛さを前面に出した「酸辣味型」が主役という、川菜の中でもやや異色の存在だ。肉を使わない精進的な一杯であることが多く、サツマイモでんぷんの麺(紅薯粉)のぷりぷりとした食感と、香ばしい辣油だれが決め手になる。ここから先は、下厨房・美食天下の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分)

  • 紅薯粉乾燥、なければ緑豆春雨で代用可160g
  • 落花生(皮なし)40g
  • 食用油(辣油と落花生の素揚げ用)50ml
  • にんにくみじん切り10g
  • 郫県豆瓣醤みじん切り8g
  • 生抽20ml(大さじ1と1/3)
  • 香醋または陳醋30ml(大さじ2)
  • 唐辛子粉(粗挽き)10g
  • 花椒粉2g
  • 白ごま6g
  • 猪油豚脂、ラードで代用可10g
  • 砂糖6g(小さじ2)
  • 鶏がらスープの素4g
  • 塩1.5g(小さじ1/4)
  • 熱湯(仕上げ用スープ兼用)400ml
  • 酸菜(四川の発酵漬け青菜)細切り40g
  • 小ねぎ小口切り10g
  • パクチー(香菜)10g

作り方

  1. 紅薯粉160gをたっぷりの熱湯(分量外)に20分ほど浸して戻す。透明になり、爪で軽く折れる柔らかさになったら冷水で締めて水気を切っておく。

  2. フライパンに食用油大さじ1程度(分量内)を熱し、落花生を弱火でじっくり素揚げにする。取り出して粗く刻む。

  3. 別のフライパンに酸菜を入れ、油をひかずに中火で乾煎りして水分を飛ばし、酸味の角を取っておく(3〜4分)。

  4. 器ににんにく・郫県豆瓣醤・唐辛子粉・花椒粉・白ごまを入れ、残りの食用油をフライパンでしっかり熱してからジュッと回しかけ、香りを立たせる。

  5. 4の器に生抽・香醋・砂糖・鶏がらスープの素・塩・猪油を加えてよく混ぜ合わせ、たれのベースを作る。

  6. 熱湯400mlを鍋で沸かし、1の紅薯粉をさっと10〜20秒くぐらせて温め直してから、5のたれに加える。続けて熱湯をたれの器に注ぎ入れ、全体を混ぜる。

  7. 2の落花生・3の酸菜・小ねぎ・パクチーを盛り付けて完成。

本場と日本の違い

  • 本場では肉を使わないのが基本形。豚ひき肉やハムを足すのはあくまで家庭アレンジで、屋台の多くはノンミートの精進的な一杯として提供される。
  • 主原料は紅薯粉(サツマイモでんぷんの春雨)で、日本でよく使われる緑豆春雨やくずきりとは食感が異なる、もちもち・プリプリとした強い弾力が特徴。
  • 猪油(豚脂)を仕上げのたれに少量溶かし込むのが伝統的な技法。植物油だけで作るよりコクと香りがぐっと増す。
  • 発祥地には諸説あり確定していない点も本場ならではの面白さ。自貢・成都・重慶のいずれの地域でも「うちが元祖」を自認する庶民食という位置づけが本場らしい。

参考ページ(写真)

下厨房のユーザー「宣化伙头军」による「酸辣粉」レシピページに、紅薯粉の戻し方や辣油だれの仕込み方の手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/103763997/

代用可能な食材

  • 紅薯粉→緑豆春雨、くずきり(食感はやや軽くなる点に留意)
  • 猪油→ラードまたはごま油少量(風味はやや軽くなる)
  • 酸菜→ザーサイ(風味はかなり異なる)、入手できなければ省略も可
  • パクチー(香菜)→好みが分かれるため、苦手な場合は小ねぎのみでもよい
  • 唐辛子粉→韓国産の粗挽き唐辛子や一味唐辛子で代用可(辛さは量で調整)

保存・アレンジのコツ

  • 手順4〜5のたれのベースだけをまとめて作り置きし、冷蔵(3〜4日)・冷凍しておくと、次回は麺を戻すだけで手早く作れる。
  • 豚ひき肉のそぼろを炒めて加えると「肉末酸辣粉」になり、ボリュームのある一杯に変わる。
  • 辛さを抑えたい場合は唐辛子粉を減らし、花椒粉だけを効かせると本場らしい風味を保ちながらマイルドに仕上がる。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。