四川料理・川菜宜宾燃面

宜賓燃麺レシピ本場四川・宜賓の配合を徹底解説

赤い油をまとった麺にひき肉、ピーナッツ、芽菜、青ねぎをのせた宜賓燃麺のイラスト
地域
川菜(四川・宜賓)
分量
2人分
公開

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「燃える麺」――宜賓燃麺の名前は、麺に火をつけると本当に燃え上がる、というところから来ています。中文版ウィキペディアによれば、スープを一滴も使わず油をたっぷり絡めるため「油が多く水がない、火をつければ燃える(油重無水、点火即燃)」ことからこの名がついたとされ、清の光緒年間にはすでに店があったといいます。前身は「油条麺」と呼ばれていたそうです。

宜賓は金沙江と岷江が合流して長江となる「長江第一城」。搜狐の記事は、燃麺が長江の船着き場で働く船頭や荷揚げ人夫たちの腹を満たした、エネルギーたっぷりで日持ちする"港の麺"として広まったと紹介しています。名前の由来については、旱魃の年に地元の名士の誕生祝いで作った汁なし麺に爆竹の火花が落ちて燃え上がり、「燃えるは栄える(燃者、旺也)」と喜んだ、という伝説も語られていますが、こちらはあくまで言い伝えです。2011年には、宜賓燃麺の伝統製法が四川省の無形文化遺産に登録されました。

本サイトではすでに担々麺と重慶小麺を紹介しています。担々麺は芝麻醤のコクと肉みそ、重慶小麺は鍋ごとに調味料を並べて作るたれとスープが主役ですが、燃麺はスープを一切使わない完全な汁なし麺で、宜賓特産の漬物「芽菜(碎米芽菜)」が味の中心。そして油の量は、ほかの二つよりはるかに多いのが特徴です。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順を公開します。

本場の配合

材料(2人分)

  • 中華生麺(細めのストレート麺)300g
  • 芽菜(碎米芽菜)40g
  • 豚ひき肉60g
  • 菜種油(肉みそ用)10ml
  • ラード10g
  • ごま油30ml
  • 紅油辣椒油20ml
  • 醤油15ml
  • 砂糖3g
  • 黒酢香醋5ml
  • 花椒粉1g
  • 炒りピーナッツ(皮なし)30g
  • くるみ(ロースト済み)10g
  • 白いりごま5g
  • にんにく(みじん切り)5g
  • 青ねぎ(小口切り)10g
  • 麺のゆで湯2000ml

作り方

  1. 芽菜肉みそを作る。中華鍋に菜種油10mlを熱し、豚ひき肉を中火でほぐしながら、水分が飛んで脂が透き通るまで3分ほど炒める。芽菜を加えてさらに1分、香りが立つまで炒めて火を止める。

  2. ピーナッツとくるみは包丁で米粒大に刻む。

  3. 丼に、ラード・ごま油・紅油・醤油・砂糖・黒酢・花椒粉・にんにくを2等分して入れておく。ラードは器を少し温めておくと溶けやすい。

  4. 鍋に湯2000mlを沸かし、麺を入れて強火でゆでる。麺が浮き上がり、芯に白い点がわずかに残る程度(表示時間より1分短め)で引き上げる。

  5. ざるで上下に何度も振り、麺の表面の水分を徹底的に切る。ここで水分が残ると油がはじかれ、燃麺らしい一体感が出ない。

  6. 麺を3の丼に入れ、1の芽菜肉みそ・ナッツ・ごま・青ねぎをのせる。食べる直前に底から全体をよく混ぜ、油を麺の1本1本に絡ませる。

本場と日本の違い

  • スープも水気も一切なし:本場では、麺の水切りこそが最大のポイント。ゆでた麺を振って水分を落とし、油で「コーティング」するように和える。日本で見かける汁なし担々麺風の燃麺は、たれが多くしっとりした仕上がりのものが多い。
  • 芽菜が主役:宜賓は芽菜の産地で、細かく刻まれた碎米芽菜の塩気と甘い香りが味の核になる。日本の店では高菜やザーサイで代用されることもあるが、風味はかなり異なる。
  • 担々麺・重慶小麺との違い:担々麺は芝麻醤や肉みそのコク、重慶小麺は鍋ごとに調合するたれとスープが主役。燃麺はスープを使わず、油・芽菜・ナッツの香ばしさで食べる、油の量がいちばん多い麺である。

参考ページ(写真)

美食天下の「【川菜】----宜賓燃麺」レシピページに、麺をゆでてから具をのせるまでの手順写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-26676.html)

代用可能な食材

  • 芽菜:入手できない場合は、ザーサイを細かく刻んで砂糖少量(1g)とともに炒めたもの、または高菜漬けの細切りで代用可(風味は変わる)
  • 中華生麺:宜賓の麺はかんすいの入った細めの水麺。日本の細めのラーメン用生麺が近い
  • ラード:なければごま油を10ml増やす(コクはやや軽くなる)
  • くるみ:省く場合はピーナッツを40gに増やす

保存・アレンジのコツ

  • 芽菜肉みそは冷蔵で1週間ほど日持ちする。担々麺やチャーハン、炒め物の味付けにも使える
  • 麺は油で和えているので時間がたってもくっつきにくく、お弁当にも向く。冷めたら電子レンジで温め直す
  • 燃麺だけでは喉が渇くので、宜賓の食堂のように、ねぎを浮かべた薄い鶏がらスープを添えるとよい

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。