江西料理・赣菜鄱阳湖胖头鱼
鄱湖胖頭魚(鄱阳湖胖头鱼)レシピ本場江西の配合を徹底解説

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。
中国最大の淡水湖・鄱陽湖は、古くから「江西人民の母なる湖」と呼ばれてきました。この湖で育つ巨大な魚の頭を主役に据えた一皿が「鄱湖胖頭魚」です。九江の郷土料理(赣菜の中でも「浔陽菜」と呼ばれる系統)を代表するこの料理は、宴会の締めくくりに欠かせない一品として、今も江西で愛され続けています。
「胖頭魚(太った頭の魚)」という愛嬌のある名前で呼ばれるこの魚の正体は、鳙魚(ようぎょ、中国語では鳙鱼、別名・花鰱)という淡水魚です。見た目がよく似た鲢鱼(白鰱)と混同されがちですが、実際には別の種類の魚で、その名の通り体に不釣り合いなほど大きな頭を持つのが特徴。この大きな頭には、コラーゲン質のぷるぷるとした部分と、脂が乗った頬肉がたっぷり詰まっており、中国では古くから「頭を食べるなら鳙魚」と言われるほど珍重されてきました。
味付けの決め手は、干し大根の漬物(蘿卜干)と唐辛子。じっくり蒸し上げた魚の頭に、香味野菜と一緒に炒めた蘿卜干だれをかけることで、「鮮辣微酸(新鮮でピリッと辛く、ほのかに酸味がある)」という、赣菜らしい奥深い味わいに仕上がります。なお、2020年から鄱陽湖では禁漁が実施されており、現在この料理に使われる魚は、同じ江西省内にある廬山西海など別の水域で養殖・漁獲されたものが中心になっています。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場江西の配合と手順を公開します。
本場のレシピ
材料(2〜3人分)
作り方
魚の頭は皮目の汚れをよく洗い流し、真っ二つ、または食べやすい大きさに割る。
料酒と塩をまんべんなくまぶし、10分ほど下味をつける。
耐熱皿にのせ、蒸気の上がった蒸し器に入れて強火で15〜20分蒸す(頭の大きさにより調整し、中心まで火が通ったことを竹串などで確認する)。皿にたまった蒸し汁はそのまま取っておく。
フライパンに食用油を熱し、生姜とにんにくのみじん切りを香りが立つまで炒める。
蘿卜干と小米辣を加えてさらに炒め合わせる。
③で取っておいた蒸し汁を全量加え、ひと煮立ちさせて全体を軽くなじませる。
蒸し上がった魚の頭の上に⑥をまんべんなくかけて完成。
本場と日本の違い
- 使う魚:本場では鳙魚(花鰱)という、頭が非常に大きく育つ淡水魚を専用に使います。日本では入手が難しい魚で、そもそも「頭だけを主役にする」という発想自体が、鮭のかまや鯛のあら煮などとは違う独特の文化です。
- サイズ:本場の宴会料理としての鄱湖胖頭魚は、1つの頭が3kgに達することも珍しくない、豪快な一皿です。家庭で作る場合はもっと小ぶりな魚の頭で十分再現できます。
- 産地の変化:2020年以降の鄱陽湖禁漁により、現在は鄱陽湖そのものではなく、廬山西海など江西省内の別の水域で獲れた魚が使われることが多くなっています。「鄱湖」の名を冠しながらも、実際の産地は変化しているという点は、現地でもあまり知られていない裏話です。
- 味の系統:日本でよく知られる中国の「魚の頭」料理といえば湖南の剁椒鱼头(唐辛子ペースト蒸し)ですが、鄱湖胖頭魚は干し大根の漬物(蘿卜干)を使う点が独自で、辛さの中にほんのりとした酸味とコクが加わるのが特徴です。
参考ページ(写真)
参考ページとして、搜狐「【赣・味】鄱湖胖鱼头:一道菜尝尽鄱湖味」の記事に、料理の写真と背景が紹介されています。 https://www.sohu.com/a/218002692_393128
代用可能な食材
- 鳙魚の頭:日本では入手困難なため、鮭の頭(あら)やブリのかま、鯛の頭など、脂が乗った大きめの魚の頭で代用可(風味は異なるが、頭ならではのゼラチン質の食感は近づけられる)
- 蘿卜干:入手できない場合はたくあんや刻み野沢菜漬けで代用可(風味は異なる)
- 小米辣:生の青唐辛子・赤唐辛子で代用可
保存・アレンジのコツ
- たれをかける前の蒸し魚の頭と、たれの部分を分けて冷蔵すれば、翌日は温め直したたれをかけるだけで食べられる
- 辛さを抑えたい場合は小米辣の量を減らし、蘿卜干の香ばしさを主体にするとマイルドに仕上がる
- 魚の頭から出る蒸し汁には旨みが凝縮されているので、捨てずに必ずたれに加えるのがポイント
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。