江西料理・赣菜江西粉蒸肉
江西粉蒸肉レシピ本場江西の配合を徹底解説

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。
炒った米を粗く挽いた粉を肉にまとわせて蒸し上げる「粉蒸肉」というジャンルそのものは、秦漢時代の「糝食(穀物粉をまぶして調理する古い食べ方)」に起源を持ち、北魏の時代に記録された「裹蒸」という技法が現代の粉蒸技法の直接の前身になったとされています。明清の時代に唐辛子が伝わり、各地で米粉の加工技術が発展したことで、四川式・湖南式・江西式など地域ごとの個性が生まれました。数ある系統の中でも、江西式にはひとつ際立った特徴があります。それは、骨付きの豚肉をどっしりと使い、濃いめの味付けで仕上げるという点です。皮付きの薄切り豚バラ肉をふんわり巻き上げる四川式や湖北式に対して、江西の家庭では排骨(骨付き豚肉)をそのままぶつ切りにして粉をまとわせ、醤油やオイスターソース、豆板醤でしっかり下味をつけてから蒸し上げるスタイルが好まれます。
江西省の家庭料理を語るうえで欠かせないのが「腊味(塩漬け・燻製の保存肉)」と、長時間じっくり火を通す調理文化です。粉蒸肉もその流れを汲み、下ごしらえの下味に時間をかけ、蒸し時間もたっぷり取ることで、骨の際までしっかり味が染みた、ほろりと崩れる食感に仕上げます。米粉が肉汁を吸い込み、蒸し器の中でぷくぷくと膨らんでいく様子は、まさに江西の食卓の冬の定番風景。肉の下に敷いたさつまいもが肉汁を吸って、むしろ主役級のごちそうになるのも見逃せないポイントです。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場江西の配合と手順を公開します。
本場のレシピ
材料(2〜3人分)
作り方
排骨は水で洗い、キッチンペーパーで水気をよく拭き取る。
ボウルに排骨、生姜、郫県豆瓣醤、生抽、老抽、オイスターソース、砂糖、五香粉を入れ、手でよく揉み込んで20分ほど漬け込む。
②に蒸肉米粉を加え、肉全体にまんべんなくまぶしながら混ぜる。食用油と水を加えてさらに混ぜ合わせ、米粉が肉の表面にしっとりとコーティングされる状態にする。
耐熱皿にさつまいもの輪切りを敷き詰め、その上に③の排骨を米粉ごとのせる。
蒸気の上がった蒸し器に入れ、強火で1時間ほど蒸す。骨から肉がほろりと外れるくらいまで、しっかり火を通す。
蒸し上がったら長ねぎの小口切りを散らして完成。
本場と日本の違い
- 肉の部位:江西式は骨付きの排骨(豚肉)を使うのが特徴です。日本で「粉蒸肉」として紹介されるレシピの多くは、四川式や湖北式に近い、皮付き豚バラ肉の薄切りを使うタイプで、骨付き肉を使う江西式はあまり知られていません。
- 味の濃さ:江西式は郫県豆瓣醤・老抽・オイスターソースを組み合わせ、色濃くしっかりとした「濃い口」の味付けにするのが特徴です。素材の香りを生かす淡めの味付けが多い他地域の粉蒸肉と比べて、ご飯が進む濃厚な味わいに仕上がります。
- 下に敷く食材:江西の家庭では、さつまいもや里芋、れんこんなど、その時々にある根菜を下敷きにすることが多く、肉汁を吸った根菜も一緒にごちそうとして食べます。日本の中華料理店ではこの「下敷き」の存在自体があまり知られていません。
参考ページ(写真)
参考ページとして、下厨房の「江西特色菜|粉蒸肉」レシピページに手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/107450824/
代用可能な食材
- 排骨(骨付き豚肉):入手しにくい場合は豚バラ肉のかたまり(皮付き)でも代用可。ただし骨から出るうま味は再現できない
- 蒸肉米粉:市販品が入手できない場合は、うるち米を洗って水気を切り、弱火できつね色になるまで乾煎りしてからミキサーで粗めに挽けば自作できる
- さつまいも:里芋、れんこん、じゃがいもでも代用可
保存・アレンジのコツ
- 蒸し上がったものは粗熱を取ってから冷蔵で2〜3日保存可能。食べる際は蒸し器で温め直すと風味が戻る
- 辛いものが好みの場合は、豆板醤を一般的な豆板醤(辛味の強いタイプ)に替えると、よりパンチのある味わいになる
- 余った蒸肉米粉は密閉容器に入れて常温保存し、次回の粉蒸肉や粉蒸排骨に使い回せる
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。