江西料理・赣菜庐山石鸡

廬山石鶏(庐山石鸡)レシピ本場江西の配合を徹底解説

土鍋で鶏肉を唐辛子とともに赤茶色に煮込み、青ねぎを散らした黄焖の廬山石鶏のイラスト
地域
赣菜(江西・廬山)
分量
2人分・代用食材版
公開

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「鶏」という字がついているが、鶏肉料理ではない。廬山石鶏の正体は、廬山の渓流や岩の隙間に棲む野生のカエル「石蛙(棘胸蛙)」を使った料理である。肉質が鶏肉に似て柔らかく、鳴き声が鶏の声に似ているとも言われることから「石鶏」の名で呼ばれるようになったと伝えられる。廬山の名水・名茶と並んで「廬山三石」の一つに数えられ、地元では古くから滋養強壮の食材として珍重されてきた。

問題は、この石蛙が現在では中国国内でも自由に捕獲・売買できる食材ではないという点である。野生の石蛙は中国の国家二級重点保護野生動物に指定されており、無許可での捕獲や販売は法律で厳しく禁じられている。現在市場に流通し、レストランで供されている「石鶏」の多くは、正規に許可を得た養殖場で人工繁殖された「子二代・子三代」の個体であり、野生個体そのものではない、とされる。つまり、廬山を訪れて名物の石鶏料理を食べたとしても、それは山の渓流で捕まえた野生のカエルではなく、養殖業者から仕入れられた個体である可能性が高い。

調理法としては、生姜・にんにく・唐辛子・豆板醤で香りを立たせてから黄酒と醤油で煮込む「黄焖石鶏」が代表的で、脂がのって濃厚でありながらしつこくない味わいが特徴とされる。廬山の茶葉を使って燻香をつける「茶熏石鶏」という凝った作り方も伝わっており、地域によって仕立て方に幅がある。

このように、廬山石鶏は正真正銘の希少食材料理であり、日本の家庭ではもちろん、中国国内でも誰もが気軽に食材を入手できる料理ではない。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の配合・手順と、日本の家庭で作る場合の現実的な代用案をあわせて公開する。

本場式の配合

材料(2人分・代用食材版)

メイン食材

  • 鶏もも肉(骨なし・皮つき)本場では養殖石蛙を使用。入手できる場合は下処理済みの石蛙300gでも可300g

下味

  • 生姜薄切り1片
  • 長ねぎの青い部分1本分
  • 花椒小さじ1/2
  • 塩小さじ1/3
  • 生抽大さじ1
  • 料理酒大さじ1

炒め・煮込み

  • にんにく潰す3片
  • 生姜せん切り1片
  • 赤唐辛子(乾燥)好みで調整3〜4本
  • 郫県豆瓣醤大さじ1
  • 黄酒大さじ2
  • 生抽大さじ1
  • 老抽色づけ用小さじ1
  • 砂糖小さじ1
  • 水または鶏がらスープ150ml
  • 食用油大さじ2
  • ごま油仕上げ用小さじ1

付け合わせ

  • きゅうり薄切り、彩り用1本

作り方

  1. 下処理する。鶏もも肉を一口大(3〜4cm角)に切り、生姜・長ねぎ・花椒・塩・生抽・料理酒をもみ込んで30分ほど下味をつける。本場のように石蛙を使う場合は、頭と爪先を落とし、皮を剥いで内臓を取り除いてよく洗ってから同様に下味をつける。

  2. 香味野菜を炒める。フライパンに油大さじ2を熱し、にんにく・生姜・赤唐辛子を弱火でじっくり炒めて香りを引き出す。

  3. 郫県豆瓣醤を炒める。香りが立ったら郫県豆瓣醤を加え、油に赤い色と香りが移るまで炒める。

  4. メインの食材を炒める。下味をつけた鶏肉(または石蛙)の汁気を軽く切って加え、表面の色が変わるまで中火でしっかり炒める。

  5. 煮込む。黄酒を鍋肌から回し入れて香りを飛ばし、生抽・老抽・砂糖・水(または鶏がらスープ)150mlを加える。沸騰したら蓋をして弱火で15〜20分、汁気が半分程度になるまで煮込む。

  6. 仕上げる。蓋を取って強火にし、汁気を軽く煮詰めて全体に照りを出す。仕上げにごま油を回しかけて火を止める。

  7. 盛り付ける。皿に薄切りにしたきゅうりを敷き、その上に煮込んだ鶏肉(または石蛙)を盛り付けて完成。

本場と日本の違い

  • 「鶏」の字だが鶏肉料理ではない、が本来の姿。 本場では石蛙という希少なカエルを使う料理で、その名の由来自体がカエルの鳴き声と肉質にちなむとされる。日本の家庭で鶏肉を使う場合は、あくまで代用であるという前提を踏まえておきたい。
  • 石蛙は現地でも高級・希少食材。 野生個体は国家二級保護動物であり捕獲が禁止されているため、現地で供される石鶏も養殖された個体を使うのが一般的とされる。手軽な食材ではない点は、廬山の現地でも変わらない。
  • 黄焖(醤油と黄酒でじっくり煮込む)が基本形。 唐辛子や豆板醤で香りを立たせつつ、辛さそのものよりも黄酒と醤油のコクを主体にした味付けが本来の仕立てで、四川式の激辛炒め物とは方向性が異なる。
  • 茶を使った燻製仕立てもある。 廬山の茶葉で燻香をつける「茶熏石鶏」という技法も伝わっており、家庭でも燻製器や中華鍋を使って再現を試みる余地がある郷土料理の幅広さがうかがえる。

参考ページ(写真)

豆果美食の「庐山石鸡」レシピページには、茶葉で燻香をつける仕立て方の手順写真が掲載されており、本場ならではの調理法の一端を見ることができます。 https://m.douguo.com/recipe/amp/1051873

代用可能な食材

  • 石蛙(食用カエル)→鶏もも肉300g(骨なし・皮つき、最も入手しやすく食感が近い)
  • 石蛙→牛蛙(食用ウシガエル)肉300g(中国国内では牛蛙は水産物として扱われ養殖・食用が認められている食材で、本場に近い食感を求める場合の代用に適するが、日本国内での入手ルートは限られる)
  • 郫県豆瓣醤→甜麺醤小さじ2+豆板醤小さじ1で代用可
  • 黄酒→料理酒(清酒でも可)大さじ2

保存・アレンジのコツ

  • 煮込んだあとは冷蔵で2日ほど保存可能。翌日は汁気に片栗粉でとろみをつけて温め直すと、ご飯にかける「あんかけ」風にアレンジできる。
  • 唐辛子の量を減らせば辛さを抑えたマイルドな家庭向けの味に、増やせば地元の辛味を効かせた仕立てに調整できる。
  • 廬山の茶葉(雲霧茶など)が手に入る場合は、煮込みの仕上げに少量の茶葉を煮出した茶湯を加えると、本場の香りに近づけることができる。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。石蛙の法的位置づけについては、地域や時期によって規制が変わる可能性があるため、実際に入手・調理を検討する場合は最新の法令・地元自治体の情報を必ず確認してください。