江西料理・赣菜赣南小炒鱼
贛南小炒魚レシピ本場江西・贛州の配合を徹底解説

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魚料理なのに、主役の調味料は「酢」。江西省南部・贛州(かんしゅう)の名物、贛南小炒魚(赣南小炒鱼)は、衣をつけて揚げた草魚(ソウギョ)を、唐辛子と生姜、そしてたっぷりの酢で一気に炒め合わせる一皿だ。仕上がりは「色泽金黄、外酥里嫩、醋香浓郁(黄金色で外はカリッと中はふっくら、酢の香りが濃厚)」と表現される。
この料理には明代の儒学者・王陽明にまつわる逸話が伝わっている。王陽明が贛州で官職に就いていたころ、草魚を好んで食べ、地元の料理人「凌」を家付きの料理人として雇っていた。ある日、凌が魚を炒める際に酢を加えたところ、王陽明がその味をたいそう気に入り、「小炒魚」と名付けた――というものだ。もっとも、これは地元で語り継がれてきた伝承で、史料で裏づけられた話ではない。
贛州は客家(はっか)の人々が多く暮らす地域で、贛南小炒魚は客家料理の代表格としても知られる。地元メディアによれば、贛南の料理人によって北京の人民大会堂にも持ち込まれ、国宴のメニューに載ったこともあるという。
日本ではほとんど知られていないが、辛さと酸味が同時に来る「酸辣」の味わいは、白いご飯が止まらなくなる典型的な下飯菜(ご飯のおかず)。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2人分)
合わせ調味料
仕上げ
- 陳醋(鍋肌から回し入れる用)10ml
- 片栗粉水溶き片栗粉5g
+水15ml
作り方
草魚の切り身は水気をよく拭き、塩1.5g・料酒5ml・生抽5mlをもみ込んで10分置く。
合わせ調味料(陳醋15ml・生抽15ml・老抽5ml・砂糖2g・水100ml)を小さなボウルに混ぜておく。
1の汁気を軽く切り、片栗粉40gを全体に薄くまぶす。
揚げ油500mlを180℃に熱し、魚を2〜3分、表面がカリッとして黄金色になるまで揚げて油を切る。
鍋の油を大さじ1(15ml)ほど残して取り除き、中火で生姜・にんにくを炒めて香りを出す。赤唐辛子・青唐辛子を加えてさっと炒める。
強火にして揚げた魚を戻し入れ、2の合わせ調味料を注ぐ。魚を崩さないよう、鍋をゆすりながら汁を絡める。
水溶き片栗粉(片栗粉5g+水15ml)で薄くとろみをつけ、葉にんにく・長ねぎを加える。最後に鍋肌から陳醋10mlを回し入れ、香りが立ったらすぐに火を止めて器に盛る。
本場と日本の違い
- 酢は「最後にもう一度」:酢は加熱すると香りが飛びやすい。本場のレシピでは、合わせ調味料に入れるだけでなく、盛り付け直前に陳醋を追加して「醋香」を立たせる作り方が紹介されている。日本の酢豚や甘酢あんのような甘さはほとんどなく、酸味と辛味が前面に出る。
- 魚は淡水魚の草魚:贛州では草魚(地元では「皖魚」とも書く)が定番。日本ではほぼ流通しないため、白身魚で代用するのが現実的。
- 衣はさつまいもでんぷん:地元では「薯粉(さつまいもでんぷん)」をまぶして揚げるのが伝統とされる。片栗粉より衣が硬めでカリッとした食感が長持ちする。
- 油:現地では山地で採れる茶油(ツバキ科の油茶の種子油)を使う店もある。
- 日本の中華料理店では見かけることがまずない、ほぼ現地限定の料理。
参考ページ(写真)
美食天下の「赣南小炒鱼」レシピページに、魚に衣をつけて揚げ、唐辛子と炒め合わせるまでの工程が写真付きで掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-165197.html)
代用可能な食材
- 草魚:鯉、または生の真鱈・すずきなどの白身魚の切り身で代用可(骨付きのぶつ切りにするとより本場らしい)
- 陳醋:黒酢で代用可。米酢を使うと酸味がやや鋭くなる
- 片栗粉(衣用):さつまいもでんぷん(薯粉)があればより本場の食感に近づく
- 葉にんにく:青ネギの青い部分またはニラで代用可
- 赤唐辛子・青唐辛子(生):ししとう+鷹の爪1本で代用可
保存・アレンジのコツ
- 揚げた衣が合わせ調味料を吸って食感が変わるため、作りたてを食べるのがいちばん。残った場合は冷蔵で翌日までに食べ切る
- 魚の代わりに厚揚げやエビで作ると、同じ「酢の香る酸辣炒め」の味付けを手軽に楽しめる
出典
- 搜狐「赣南小炒鱼:从赣南餐桌到人民大会堂的客家风味」
- 澎湃新闻「“三鱼”中的赣州味道」
- 美食天下「赣南小炒鱼」レシピ
- 美食天下「赣南小炒鱼」レシピ
- 新浪博客「江西美食小吃:江西小炒鱼简单做法」
- 东方美食「赣州小炒鱼」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。