東北料理・东北菜溜肉段

溜肉段レシピ本場東北の配合を徹底解説

茶色いあんを絡めた角切りの揚げ豚にピーマンとにんじんを合わせた溜肉段のイラスト
地域
东北
分量
2人分
公開

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東北料理の揚げ豚といえば、まず名前が挙がるのは甘酢の「鍋包肉」。ところが東北には、家庭の食卓でもっと気軽に作られている揚げ豚がもう一品あります。それが「溜肉段」です。ひと口大に切った豚肉に卵と片栗粉の衣をつけてカリッと揚げ、醤油ベースのとろみあんを手早く絡める。酢豚のような甘酸っぱさはなく、塩気とうま味で白いご飯を進ませる、いわば「ご飯のための揚げ豚」です。

吉林省商務庁が2018年9月に発表した「吉菜10大経典名菜」には、鍋包肉と並んで溜肉段も選ばれました。同庁の紹介では吉林の伝統名菜で、外はカリッと中はやわらかく、塩気と香りが食欲をそそる庶民の家庭料理とされています。百度百科系の解説も東北の伝統名菜とし、さらに鍋包肉を「溜肉段から派生した料理」と位置づけています。ただし、当ラボの鍋包肉の記事で紹介したように、鍋包肉にはハルビンの料理人・鄭興文が塩味の炒め肉を甘酸っぱく改良したという別の起源説もあり、両者の関係は諸説あるというのが正直なところです。

料理名の「溜(熘)」は、下味をつけた材料を揚げるなどして火を通し、とろみのあるたれを絡める中国料理の技法のこと。なかでも先に揚げてカリッとさせてからあんを絡めるものは「焦熘」と呼ばれ、鍋包肉もこの仲間です。同じ技法から生まれた2品ですが、鍋包肉が薄く大きな肉片に甘酢のあんを絡めるのに対し、溜肉段は角切りの塊肉に醤油のあんを絡めます。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の分量と手順を公開します。

本場の配合

材料(2人分)

  • 豚ロース肉または肩ロース・もも肉300g
  • 料酒(下味用)10ml
  • 塩(下味用)3g(小さじ1/2程度)
  • 卵1個(50g)
  • 片栗粉(衣用)70g
  • 薄力粉10g
  • 水(衣用)20ml
  • ピーマン2個(70g)
  • にんじん30g
  • 長ねぎ15g
  • 生姜5g
  • にんにく10g
  • 揚げ油600ml
  • ごま油(仕上げ用)5ml

合わせ調味料(あん)

  • 醤油20ml
  • 砂糖10g
  • 酢5ml
  • 料酒5ml
  • 水60ml
  • 片栗粉3g

作り方

  1. 豚肉は2.5cm角に切り、料酒10mlと塩3gをもみ込んで15分おく。

  2. 1に溶き卵、片栗粉70g、薄力粉10g、水20mlを加えてよく混ぜ、ヨーグルトくらいのもったりした衣を肉1個1個にまんべんなくまとわせる。

  3. ピーマンはへたと種を取ってひと口大の菱形に切る。にんじんは3mm厚の薄切り、長ねぎはみじん切り、生姜とにんにくは薄切りにする。合わせ調味料の材料をボウルに混ぜておく。

  4. 揚げ油600mlを160℃に熱し、肉を1個ずつ入れる。入れてから30秒ほどは触らずに衣を固め、その後くっついたものをほぐしながら3分揚げて、いったん取り出す。

  5. 油を190℃に上げ、ピーマンとにんじんを10秒だけ油にくぐらせて取り出す。続けて肉を戻し入れ、1分ほど二度揚げして、表面が濃いきつね色になりカリッとしたら取り出して油を切る。

  6. 鍋の油を大さじ1(約15ml)残してあけ、中火で長ねぎ、生姜、にんにくを30秒炒めて香りを出す。

  7. 合わせ調味料をもう一度よく混ぜてから鍋に注ぎ、混ぜながら30秒ほど煮立てて、とろみとつやを出す。

  8. 5の肉と野菜を戻し入れ、強火で10〜15秒、鍋をあおってあんを全体に絡める。火を止めてごま油5mlを回しかけ、すぐに器に盛る。

本場と日本の違い

  • 鍋包肉との違い:鍋包肉は豚肉を薄く大きな一枚肉に切って、酢と砂糖を効かせた甘酢あんを絡める。溜肉段は2〜3cm角の塊肉を揚げ、醤油の塩気とうま味が主役のあんを絡めるので、色は茶色で、味はご飯のおかず向きの「咸鮮(塩気とうま味)」。酢と砂糖は隠し味程度にとどめる。
  • 酢豚との違い:日本の酢豚は甘酢あんでたっぷりの野菜と一緒に仕上げるのが一般的だが、溜肉段は肉が主役で、野菜はピーマンや長ねぎなどの彩り程度。あんも肉にまとわりつく量だけにして、衣のカリッとした食感を残す。
  • 衣と二度揚げ:卵と片栗粉でもったりした衣を作り、低温で火を通してから高温で二度揚げするのが本場の定番。少量の小麦粉を混ぜると衣が硬くなりすぎない。あんを絡めたら時間をおかずに食べるのが鉄則。

参考ページ(写真)

美食天下の「熘肉段」レシピページに、肉に衣をまとわせてから二度揚げし、あんを絡めるまでの手順が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-611619.html)

代用可能な食材

  • 豚ロース肉:鶏むね肉やもも肉でも同じ手順で作れる(中国のレシピサイトにも鶏むね肉版がある)。鶏むね肉は揚げすぎるとパサつくので、1回目の揚げ時間を2分30秒に短くする
  • 料酒:日本酒で代用可
  • ピーマン:半量を赤ピーマンやパプリカに替えると彩りがよくなる(本場のレシピでも青椒と紅椒を合わせるものがある)。万願寺唐辛子でも代用可
  • にんじん:本場のレシピではきゅうりや筍の薄切りを入れるものもある。同量で置き換えてよい

保存・アレンジのコツ

  • 衣がしんなりするので作りたてを食べ切るのが基本。作り置きする場合は、揚げた肉とあんを別々に保存し、食べる直前に肉を180℃の油かトースターで温め直してから、温めたあんと絡める
  • 手順6で十三香0.5gを加えると、香辛料の香りが立った味になる(美食天下のレシピにも十三香を使うものがある)
  • 揚げたなすを加えると、東北の家庭料理らしいボリュームのある一皿になる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。