四川料理・川菜冷吃兔

冷吃兔(自貢風うさぎの冷製辛味炒め)レシピ本場四川・自貢の配合を徹底解説

骨付きのうさぎ肉を乾燥唐辛子、花椒、にんにく、白ごまと一緒に皿に山盛りにした冷吃兔のイラスト
地域
川菜(四川・自貢)
分量
3〜4人分
公開

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炒めたての熱々ではなく、わざわざ冷ましてから食べる――それが四川省自貢の名物「冷吃兔」です。一口大のうさぎ肉を、山のような乾燥唐辛子と花椒と一緒に油で炒め上げ、完全に冷めてから箸をつけます。

騰訊新聞の記事によれば、自貢で1年間に食べられるうさぎは1億匹近く、1人あたり年間約40匹で、四川省平均のおよそ10倍にもなるといいます。「冷ます」理由については、詩人・杜甫が自貢を訪れた際、旅の途中で冷めた麻辣うさぎを食べたら温かいときよりおいしかった、という民間伝説が紹介されていますが、これはあくまで言い伝えです。新華網の記事では、冷吃兔は1920〜30年代の「自流井」時代にさかのぼり、当時は塩商人の宴席で珍重された料理だったとされ、2014年には国家地理標志保護産品にも認定されました。

自貢は「千年塩都」と呼ばれる塩の町で、塩業で栄えたこの町の料理は「塩幇菜」と総称されます。本サイトで紹介済みの「水煮牛肉」も同じ自貢の塩幇菜です。冷めると肉が締まって噛みごたえが増し、麻辣の香りがじわじわ立ってくるので、酒のつまみや持ち運べる保存食として重宝されてきました。

日本ではうさぎ肉が手に入りにくいため、代用食材の欄に鶏もも肉で作る場合のポイントもまとめています。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順を公開します。

本場の配合

材料(3〜4人分)

うさぎ肉と下味

炒め用

  • 菜種油150ml
  • 生姜(薄切り)15g
  • にんにく(皮をむいて丸ごと)20g
  • 乾燥唐辛子(2cm幅に切る)40g
  • 花椒10g
  • 八角2個(2g)
  • 桂皮3g
  • 香葉(ローリエ)2枚
  • 氷砂糖10g
  • 塩1.5g(小さじ1/4程度)
  • 酢10ml
  • 辣椒粉(粗挽き唐辛子)5g
  • 白ごま(炒り)5g
  • 青ねぎ(3cm長さ)15g

作り方

  1. うさぎ肉は水にさらして30分ほど血抜きし、水気をよく拭く。料酒15ml・生抽15ml・白こしょう1g・生姜の薄切り5gをもみ込み、30分おく。

  2. 下味の生姜を取り除き、うさぎ肉の水気をキッチンペーパーで拭き取る。乾燥唐辛子はぬるま湯に5分浸して水気を切っておく(焦げにくくなる)。

  3. 中華鍋に菜種油150mlを入れ、うっすら煙が出るまで熱してから中火に落とし、うさぎ肉を入れる。ときどき混ぜながら10〜12分、表面がきつね色になり、肉汁がほぼ出きって水分が飛ぶまで揚げるように炒める。

  4. 弱火にして生姜15g・にんにく20g・八角・桂皮・香葉を加え、2分炒めて香りを出す。

  5. 乾燥唐辛子40gと花椒10gを加え、唐辛子の色が少し濃くなるまで弱火で3〜4分炒める(黒く焦がさない)。

  6. 氷砂糖10gと塩1.5gを加えて溶かし、全体をからめる。鍋肌から酢10mlを回し入れて30秒炒める。

  7. 火を止めて辣椒粉5g・白ごま5g・青ねぎを加えてひと混ぜし、油ごとバットに広げる。

  8. 室温で完全に冷ましてから器に盛る。できれば冷蔵庫で半日ねかせると、味がなじみ肉が締まる。

本場と日本の違い

  • 冷まして食べるのが前提:自貢では炒めたてより冷めた状態がおいしいとされ、真空パックの土産物としても大量に流通している。日本の中華料理店で出る「うさぎの辛味炒め」は熱々で出されることが多いが、本来は冷菜・つまみの位置づけ。
  • 油の量が多い:本場では肉がかぶるほどの菜種油で揚げ炒めにし、その油ごと保存する。油が肉の乾燥を防ぎ、香辛料の香りを閉じ込める役割を果たす。
  • 唐辛子は食べるためではなく香りのため:乾燥唐辛子と花椒は肉と同量近く入るが、主に香りづけ。現地でも唐辛子はよけながら肉だけを拾って食べる。
  • 甘みと酸味の隠し味:氷砂糖と少量の酢で「麻・辣・鮮・香・甜」の後味を作るのが自貢流。甘さが前に出すぎない程度に抑える。

参考ページ(写真)

美食天下の「麻辣冷吃兔」レシピページに、うさぎ肉の揚げ炒めから香辛料を加えて冷ますまでの手順写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-371451.html)

代用可能な食材

  • うさぎ肉:日本ではジビエ専門店や通販で冷凍のうさぎ肉(フランス産など)が手に入る。入手できなければ鶏もも肉500g(皮つき・骨なし、2cm角)で代用可。鶏もも肉は脂と水分が多いため、手順3の揚げ炒めを15分ほどに延ばし、表面がしっかりカリッとするまで水分を飛ばすと、冷めても本場に近い噛みごたえになる
  • 菜種油:サラダ油で代用可(香ばしさは控えめになる)
  • 桂皮:シナモンスティック3gで代用可
  • 氷砂糖:上白糖8gで代用可

保存・アレンジのコツ

  • 油ごと清潔な保存容器に入れ、冷蔵で4〜5日保存できる。食べる30分前に冷蔵庫から出し、油が白く固まっていたら室温に戻す
  • 同じ手順で鶏肉なら「冷吃鶏」、牛肉の細切りなら「冷吃牛肉」になる。いずれも自貢の冷吃シリーズとして定番
  • ビールや白酒のつまみのほか、白ごはんにのせて油ごと食べてもおいしい

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。