河南料理・豫菜开封桶子鸡

開封桶子鶏レシピ本場河南・開封の配合を徹底解説

淡い黄色に煮上げた丸鶏を蓮の葉の上に置き、花椒を添えた開封桶子鶏のイラスト
地域
豫菜(河南・開封)
分量
4人分・丸鶏1羽分
公開

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丸鶏なのに、お腹に切れ目が一つもない。開封の名物「桶子鶏(トンズジー)」は、内臓を脇の下の小さな切り口から抜き、腹を開かずに煮上げる鶏料理だ。中に蓮の葉を詰めてふっくら張らせた姿が桶(桶子)に似ていることからその名がついた。腹を開かないので鶏の脂や肉汁が外に逃げず、身に戻るとされる。

名店として知られるのが、開封の老舗「馬豫興」。店の由来によれば、創業者の馬永岑は雲南出身の回族の家系で、一族は清初に南京へ移り、太平天国の戦乱を避けて咸豊年間に開封へ移ったという。南京の鴨の加工法を取り入れて桶子鶏を完成させ、店を「金陵教門馬豫興」と名乗った。「金陵」は南京、「教門」はイスラームを信仰する店であることを示す言葉だ。開業年は咸豊3年(1853年)とする資料と同治3年(1864年)とする資料があり、諸説ある。桶子鶏そのものの起源を北宋や明代にさかのぼらせる伝承もある。

本サイトでは同じ河南の「道口焼き鶏」を紹介した。道口焼鶏が蜂蜜を塗って揚げ、醤油色の老湯で骨が外れるほど煮込む「飴色・ほろほろ」の鶏なのに対し、桶子鶏は揚げず醤油も使わない「白卤(塩ベースの香料スープ)」で火を通し、皮は淡い黄色、身は白いまま。冷まして切り分け、皮も身も「脆い(歯切れがいい)」食感を楽しむ、正反対の一羽である。

ここから先は、中国語の複数の資料・レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(4人分・丸鶏1羽分)

鶏と下味

  • 丸鶏中抜き・首と足先を落としたもの1羽(1200g)
  • 塩(腹の内側にすり込む用)8g
  • 花椒(すり込み用)2g
  • 荷葉(乾燥の蓮の葉)1枚(10g)

白卤(煮汁)

  • 水2500ml
  • 塩60g(大さじ3強)
  • 料酒60ml
  • 長ねぎ(ぶつ切り)30g
  • 生姜(薄切り)30g

香料袋(お茶パックか布袋に入れる)

仕上げ

  • ごま油5ml

作り方

  1. 荷葉はぬるま湯に20分浸けて戻し、水気を拭く。

  2. 丸鶏は腹の中の血や脂を洗い流し、水気を拭く。手羽先の先端の関節を切り落とす。両脚の太い骨(ももの付け根側)を背中側から手で押して軽く折っておくと、形を整えやすく、仕上がりがふっくらする。

  3. 塩8gと花椒2gを混ぜて腹の内側全体にすり込み、戻した荷葉を丸めて腹に詰めて胴を張らせる。お尻側の開口部は竹串2本を縫うように刺して閉じ、両脚をたこ糸で縛って、胴が筒形になるよう整える。そのまま冷蔵庫で1時間おく。

  4. 深鍋に水2500mlと塩60gを入れて沸騰させる。鶏を入れて1分ほど湯通しし、皮がきゅっと締まったらいったん取り出す(「烫皮」)。

  5. 鍋に香料袋・長ねぎ・生姜・料酒を加え、再び沸騰したら鶏を胸側を下にして戻し入れる。鶏が浮く場合は小皿をのせて煮汁に沈める。

  6. ごく弱火にして、表面がかすかに揺れる程度(90℃前後)を保ち、ふたをせずに40分加熱する。途中20分で上下を返す。

  7. 火を止めてふたをし、そのまま20分おいて余熱で火を入れる。もも肉の一番厚い部分に竹串を刺し、透明な汁が出れば火が通っている。

  8. 鶏を取り出して竹串とたこ糸を外し、熱いうちに皮全体にごま油5mlを刷毛で塗る。完全に冷めるまで置く(冷蔵庫で1時間冷やすと切りやすい)。

  9. 荷葉を取り出し、鶏を背骨に沿って左右半分に割り、それぞれを胸側と脚側の2つに分ける。骨を外しながら食べやすい大きさにぶつ切りにして盛る。

本場と日本の違い

  • 腹を開かない:本場では内臓を脇の下の小さな切り口から抜き、腹は一切開けない。日本で手に入る丸鶏はすでにお尻側から中抜きされているため、本レシピでは開口部を竹串で閉じて荷葉を詰め、同じ筒形を再現している。
  • 道口焼き鶏との違い:同じ河南の名物鶏でも、道口焼鶏は蜂蜜を塗って揚げ、生抽・老抽の醤油色の煮汁で2〜3時間煮込み、骨からほろりと外れる柔らかさに仕上げる。桶子鶏は揚げず醤油も使わない白卤で短時間火を入れ、冷ましてから切る。色は淡く、身は締まって歯切れがよい。
  • 百年の「老湯」:老舗では何代にもわたって継ぎ足してきた白卤で煮るのが味の核心とされる。家庭では毎回新しく作るが、煮汁を漉して冷凍しておき次回に加えると、回を重ねるほど味が深まる。
  • 鶏の選び方:本場では生後1〜3年、生体重1250g以上の脂ののった雌鶏を使う。日本のブロイラーの若鶏は身が柔らかく脂も少ないため、加熱時間を短めにして火を入れすぎないようにしている。老母鶏を使う本場の作り方では、煮汁を「沸きそうで沸かない」状態に保ったまま2時間以上浸し煮にする。

参考ページ(写真)

中国日報網のコラム「河南美食之开封桶子鸡」に、切り分けて盛った桶子鶏の写真と、老舗の製法の解説が掲載されています。

(https://column.chinadaily.com.cn/a/201801/19/WS5bf24966a3101a87ca93ef9f.html)

代用可能な食材

  • 丸鶏:地鶏や親鶏(ひね鶏)を使うと本場の食感に近づく。親鶏なら6の加熱時間を2時間に延ばす
  • 荷葉:中華食材店や通販で乾燥品が手に入る。なければ長ねぎの青い部分30gと生姜10gを腹に詰めて形を張らせる(蓮の葉の香りはなくなる)
  • 白芷・良姜・砂仁:揃わない場合は、市販の滷包(煮込み用の香料パック)1袋で代用可。良姜は生姜で代用してもよい
  • 白豆蔻・草果:どちらかが欠けても大きな問題はない。両方ない場合は八角を1個増やす
  • 料酒:日本酒で代用可

保存・アレンジのコツ

  • 切り分ける前の状態でラップに包み、冷蔵で2日保存できる。本場でも冷菜として食べる料理なので、温め直す必要はない
  • 煮汁(白卤)は漉して冷凍すれば1か月もつ。次回は新しい煮汁に500mlほど加えると老湯に近づく
  • 骨はとっておき、水1000mlで30分煮出すと、うま味のある鶏スープになる
  • 細く裂いて、きゅうりの千切りと合わせ、酢と辣椒油をかければ和え物になる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。