河南料理・豫菜河南蒸卤面

河南蒸滷麺レシピ本場河南の配合を徹底解説

豚バラ、さやいんげん、もやしをのせた醤油色の河南蒸滷麺と、刻みにんにくの小皿のイラスト
地域
豫菜(河南)
分量
3人分
公開

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麺を「ゆでる」のではなく「蒸す」。しかも一度ではなく二度。河南省の家庭で夏になると必ず登場するのが、この蒸滷麺(蒸卤面)だ。地元では「蒸麺条(蒸し麺)」「卤面」とも呼ばれ、さやいんげんが出回る季節の定番の家庭料理とされている。

作り方は独特だ。まず生の細麺を蒸し器で蒸し、豚バラ肉といんげん、大豆もやしを醤油で煮た「卤汁(滷汁)」を絡めてから、もう一度蒸し器に戻す。麺が煮汁をすっかり吸い込み、汁気のない、それでいて一本一本に味が染みたコシのある麺に仕上がる。中国のレシピメディアは「筋道入味、不粘不坨(コシがあって味が染み、べたつかない)」と表現している。

名前の由来については諸説ある。ひとつは、後漢の時代に洛陽の白馬寺が建立されて参拝客が増え、寺の周辺の道端(路辺)で売られた麺が「路麺」と呼ばれ、それが音の近い「卤麺」に変わったという伝承。これにちなみ「2000年の歴史を持つ世界最古のファストフード」と紹介されることもあるが、あくまで言い伝えの域を出ない。もうひとつは、蒸した麺を肉と野菜の「卤汤(煮汁)」に浸して再び蒸すという調理法そのものから卤麺と呼ばれるようになった、という説だ。

羊肉スープの烩麺(フイミエン)や胡辣湯と並んで、麺食文化の中原・河南を代表する家庭の一皿。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と、二度蒸しの手順を公開する。

本場の配合

材料(3人分)

  • 中華生麺(細めのもの)450g
  • サラダ油(麺にまぶす用)小さじ2(10ml)
  • 豚バラ肉(薄切り)150g
  • さやいんげん(4〜5cm長さに切る)250g
  • 大豆もやし150g
  • にんにく(薄切り)2片(10g)
  • 長ねぎ(小口切り)10g
  • 生姜(みじん切り)5g
  • 八角1個
  • サラダ油(炒め用)大さじ2(30ml)
  • 生抽大さじ2(30ml)
  • 老抽小さじ2(10ml)
  • 十三香小さじ1(2g)
  • 塩3g(小さじ1/2程度)
  • 水200ml

作り方

  1. 生麺をほぐしてサラダ油小さじ2(10ml)を全体にまぶし、蒸気の上がった蒸し器にクッキングシートを敷いて広げる。強火で15分蒸し、取り出して箸でほぐしながら粗熱を取る(くっつきを防ぐため、ここで油をまぶしておくのがポイント)。

  2. 中華鍋にサラダ油大さじ2(30ml)と八角を入れて弱火にかけ、香りが立ったら八角を取り出す。豚バラ肉を入れ、中火で脂が出て縁が色づくまで炒める。

  3. 長ねぎ・生姜・にんにくを加えて香りを出し、さやいんげん、大豆もやしの順に加えて2分ほど炒める。

  4. 生抽30ml・老抽10ml・十三香2g・塩3gを加えて全体に色を絡め、水200mlを注ぐ。煮立ったら中火で3分煮て、いんげんに半分ほど火を通す。

  5. 火を止め、1の麺を鍋に加えて、煮汁を麺全体に吸わせるように菜箸で手早く混ぜる。煮汁が麺に行き渡り、鍋底に汁がほとんど残らない状態が目安。

  6. 5を具ごと再び蒸し器に広げ、強火で15分蒸す。途中で一度上下を返すと、蒸しムラが出にくい。

  7. 蒸し上がったら全体をさっくり混ぜて器に盛る。

本場と日本の違い

  • 「ゆでない麺」:日本の焼きそばは蒸し麺を炒めるが、蒸滷麺は炒めずに「蒸す→煮汁を吸わせる→再び蒸す」で仕上げる。油で焼き付けないため、しっとりしつつも汁気のない独特の食感になる。
  • 二度目の加熱方法は家庭によって違う:今回は蒸し器で二度蒸しにしたが、美食天下のレシピのように、鍋に野菜と煮汁を残したまま、その上に蒸した麺をのせて蓋をし、弱火で15分ほど蒸らし煮にする(焖)やり方も広く行われている。
  • 具は季節の野菜:さやいんげんと大豆もやしが二大定番で、キャベツの千切りやにんにくの芽(蒜薹)を加えるレシピもある。河南で「夏の麺」とされるのは、いんげんの旬と重なるためだ。
  • 日本の中華料理店ではまず見かけない、完全な家庭料理。中国でも店より家で食べる料理という位置づけが強い。

参考ページ(写真)

美食天下の「河南卤面」レシピページに、麺を蒸す工程から、野菜の上に麺をのせて蒸らし煮にする工程まで写真付きで掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-76950.html)

代用可能な食材

  • 中華生麺:本場では「細面条」と呼ばれる細い生麺を使う。日本の中華生麺はかん水入りで風味がやや異なるが、細めのものなら十分近い仕上がりになる。細うどんの生麺でも代用可
  • 十三香:五香粉1gで代用可
  • 大豆もやし:普通の緑豆もやしで代用可(シャキッとした歯ごたえはやや弱くなる)
  • 蒸し器:なければ、作り方6を「フライパンに水50mlを入れて麺を広げ、蓋をして弱火で10分蒸し焼き」に置き換えてもよい

保存・アレンジのコツ

  • 冷蔵で2日ほど保存可能。食べるときは再び蒸し器で5分ほど蒸すと、作りたてに近い食感に戻る
  • 仕上げに黒酢小さじ1(5ml)やラー油をかけると、夏向きのさっぱりした味変になる
  • 豚肉を牛肉に替えた清真(ハラール)版のレシピも中国のレシピサイトで紹介されている

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。