河南料理・豫菜开封灌汤包

開封灌湯包(开封灌汤包)レシピ本場河南の配合を徹底解説

蒸籠に並んだひだのある灌湯包と、白いレンゲにのせて中のスープがのぞく灌湯包のイラスト
地域
豫菜(河南・開封)
分量
2人分・小籠包8〜10個分
公開

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河南省開封市。かつて北宋の都・東京汴梁として栄えたこの街に、千年以上前から伝わるとされるのが灌湯包である。当時の繁華街には「正店」と呼ばれる高級料理店が立ち並び、その一軒「王楼」の看板商品「山洞梅花包子」が、今日の灌湯包の起源とされている。

灌湯包の身上は、なんといっても皮の中にたっぷり閉じ込められたスープにある。地元では昔から「提起像灯笼、放下似菊花(持ち上げれば提灯のよう、置けば菊の花のよう)」と形容されてきた。箸でつまみ上げると、薄い皮に包まれたスープの重みでふわりと提灯のように垂れ下がり、皿に置くと放射状のひだが菊の花のように広がる——その見た目の美しさこそが、この一品を単なる小籠包と一線を画す存在にしている。

現在、開封灌湯包の代表格とされるのが老舗「第一楼」である。2007年2月6日、開封第一楼の小籠灌湯包子の製造技術は、河南省で初めて非物質文化遺産に認定された。皮の厚さ、包み方のひだの数、そして中に仕込むスープの量まで、細部にわたる職人技が代々受け継がれている。

灌湯包最大の秘密は、スープをそのまま包むのではなく、豚皮を長時間煮出して作る「皮凍(ゼラチン質のゼリー)」を刻んで肉餡に練り込む点にある。蒸すことで皮凍が溶け、餡の中にとろりとしたスープが生まれる——この仕組みを理解しておくと、家庭でも本場に近い一皿を再現しやすくなる。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分・小籠包8〜10個分)

皮凍(スープの素、前日に仕込む)

  • 豚皮毛を丁寧に除いたもの120g
  • 水750ml
  • 生姜2〜3枚
  • 長ねぎ青い部分1本分
  • 黄酒大さじ1

皮(小麦の生地)

  • 強力粉110g
  • 片栗粉12g
  • 塩1g
  • 水70ml

肉餡

  • 豚肩ロース脂身3:赤身7の割合が理想150g
  • 皮凍(上記で仕込んだもの)1cm角に刻む150g
  • 生抽小さじ2
  • 老抽小さじ1
  • オイスターソース小さじ1
  • 塩ひとつまみ
  • 砂糖ひとつまみ
  • 白胡椒小さじ1/8(約0.3g)
  • ごま油小さじ1
  • 生姜・長ねぎのみじん切り各小さじ1

作り方

  1. 皮凍を仕込む(前日)。豚皮は水から茹でこぼし、5分ほど下茹でして冷水で洗う。細切りにし、鍋に水750ml、生姜、長ねぎ、黄酒とともに入れ、弱火で2〜2.5時間、皮が溶けてとろみが出るまで煮る。豚皮などの固形物を漉して取り除き、残ったスープを容器に移して冷蔵庫で一晩冷やし固める。

  2. 皮凍を刻む。固まった皮凍を1cm角に刻んでおく。

  3. 肉餡を作る。豚肩ロースをみじん切り、または粗めにたたく。生抽、老抽、オイスターソース、塩、砂糖、白胡椒、生姜・長ねぎのみじん切りを加えて一方向によく練り混ぜる。刻んだ皮凍とごま油を加え、均一に混ざるまで軽く和える。混ぜすぎると皮凍が溶けてしまうので手早く行う。

  4. 生地を作る。強力粉と片栗粉、塩をボウルに合わせ、水を少しずつ加えながらこね、なめらかな生地にする。ラップをして15分休ませることを3回繰り返す(三揉三醒)。

  5. 皮を伸ばす。生地を8〜10等分し、直径8cmほどの円形に、中心を厚め・縁を薄めに伸ばす。

  6. 包む。皮の中央に肉餡を大さじ1弱のせ、縁をつまみながら少しずつひだを寄せて包み、最後に中心をひねって閉じる。ひだの数が多いほど本場らしい仕上がりになる。

  7. 蒸す。蒸し器にクッキングシートかキャベツの葉を敷き、包んだ小籠包を間隔をあけて並べる。強火で沸かした蒸気で8〜9分蒸す。

  8. 熱いうちに、まずレンゲにのせて皮に小さな穴をあけ、中のスープを吸ってから食べる。好みで香醋や針生姜を添える。

本場と日本の違い

  • スープは「注ぐ」のではなく「刻んで包む」。 液体のスープをそのまま包むのではなく、豚皮を煮出して作る皮凍を刻んで餡に混ぜ、蒸すことで初めてスープに戻る。この仕込みの発想を知らずに作ると、なぜとろとろのスープが出てくるのか分からないままになってしまう。
  • ひだの数と形が職人技の見せどころ。 本場では包み口のひだの数まで美しさの基準とされ、「持ち上げれば提灯、置けば菊の花」という形容がそのまま完成度の目安になっている。日本の小籠包のように包み方に厳密さを求めない場合とは、意識するポイントが異なる。
  • 皮は上海式の小籠包よりやや厚め。 上海の小籠包が極薄の皮を追求するのに対し、開封灌湯包は厚みのある皮でしっかりとスープを支える構造になっている。
  • 食べる前に穴をあけてスープを吸う作法。 レンゲに取ってから箸や歯で小さな穴をあけ、まずスープをすすってから皮と餡を食べるのが本場の食べ方。いきなりかぶりつくと熱いスープが飛び出してやけどをすることがある。
  • 北宋の時代から続く「正店」文化の名残。 現在の第一楼のような専門店の系譜は、北宋の都で栄えた高級料理店「正店」の伝統に連なるとされ、単なる点心ではなく都市の食文化そのものの生き証人として扱われている。

参考ページ(写真)

下厨房の「灌汤包(适合新手,精确到了皮和馅多少克)」レシピページには、皮と餡それぞれの正確な分量と、包み方の手順写真が掲載されている。 https://m.xiachufang.com/recipe/107538229/

代用可能な食材

  • 豚皮(皮凍用)→ゼラチン5gを鶏がらスープ150mlで溶かし、冷やし固めたもので簡易的に代用可(風味とコクは本場よりあっさりする)
  • 強力粉→中力粉に片栗粉の比率をやや増やして代用可
  • オイスターソース→なければ生抽を小さじ1追加

保存・アレンジのコツ

  • 包む前の生の小籠包はバットに並べて冷凍保存できる。凍ったまま蒸し器に入れ、蒸し時間を2〜3分長くすれば同じように楽しめる。
  • 皮凍は多めに仕込んでおけば、次回の小籠包や餃子の餡にも活用できる。
  • 蒸す際にキャベツの葉を敷くと、くっつき防止と同時にほのかな甘い香りが移り、本場でもよく使われる工夫である。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。