河南料理・豫菜浆面条
漿麺条レシピ本場河南・洛陽の配合を徹底解説

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豆乳を、わざと酸っぱくしてから麺を煮る。河南・洛陽の漿麺条(ジャンミエンティアオ)は、緑豆をすりつぶした汁を1〜2日発酵させた「酸漿」で手打ち麺を煮込む、酸味ととろみのある麺料理だ。酸味は酢ではなく、発酵そのものから来ている。
漿麺条は河南各地で食べられ、その起源は2500年前に遡るともいわれる。鄭州の烩麺、開封の小籠包と並んで「中原三大麺食名吃」に数えられ、中でも最も名高いのが洛陽の漿麺条だ。由来には伝説がいくつもある。後漢の光武帝・劉秀が王莽の追っ手から逃れる途中、洛陽近くの貧しい家で干し麺を酸漿で煮たものをふるまわれ、のちに宮中の宴にも漿麺条を出させたという話。明の正徳年間、小麦が不作でえんどう豆が豊作だった年に、史という姓の店主がえんどう豆の漿で麺を作り、花椒の葉や藿香で香りをつけて都から来た欽差大臣をもてなしたという話。清末、洛陽の貧しい家が拾い集めた緑豆をすりつぶし、数日たって酸っぱくなった漿に菜っ葉を入れて糊状に煮たのが始まりという話——いずれも伝説で、どれが本当かはわからない。
豫菜(河南料理)は、とろみのあるスープと麺の組み合わせが得意な系統。漿麺条もその代表で、セロリやゆで大豆、落花生を合わせ、ねぎと生姜で香りをつける。河南には「糊塗麺」というとろみのある麺料理もあるが、漿麺条とはまったくの別物だ。
日本ではまず出会えない味だが、酸漿さえ仕込めば家庭でも作れる。ここから先は、中国語の資料とレシピを比較して割り出した、酸漿の仕込みから仕上げまでの分量と手順を公開する。
本場の配合
材料(2人分)
酸漿(仕込み・約1100ml分)
- 緑豆(乾燥)150g
- 水(浸水用)600ml
- 水(挽く用)1200ml
麺
- 中力粉210g
- 大豆粉(黄豆粉)90g
- 水150ml
- 打ち粉(中力粉)20g
煮込み・仕上げ
作り方
酸漿を仕込む(2〜3日前)。緑豆150gを洗い、水600mlに4時間浸ける。
浸け水を捨て、緑豆と水1200mlをミキサーに入れて2分かける。さらしで漉し、しっかり搾る。
漉した液を清潔な保存容器に入れ、ふたを軽くのせて25〜30℃の場所に24〜48時間置く。酸っぱい香りがして、表面に細かい泡が出てくれば酸漿の完成。静かに置くと上澄みと白い沈殿に分かれる(使うまで冷蔵する)。
麺を作る。中力粉210gと大豆粉90gを混ぜ、水150mlを少しずつ加えてこね、硬めの生地にまとめる。濡れ布巾をかけて15分休ませる。
打ち粉をしながら、生地を麺棒で厚さ1.5mmにのばし、幅3mmに切る。
セロリを沸騰した湯で30秒ゆで、冷水にとって水気を絞り、1cm幅に刻む。
酸漿の沈殿100mlに中力粉20gを加えてよく溶き、とろみ用の糊を作る。
鍋に酸漿の上澄み1000mlを入れて中火にかける。80℃前後になると表面に白い泡が浮いてくるので、ごま油5mlをたらし、お玉で泡を軽く叩くように手早く混ぜて消しながら沸騰させる(吹きこぼれやすいので鍋から目を離さない)。
沸騰したら麺を入れ、ほぐしながら中火で4分煮る。7の糊を回し入れて混ぜ、とろみがついたらゆで大豆・セロリ・塩12gを加えて1分煮る。
小鍋にサラダ油15mlを熱し、長ねぎと生姜を入れて香りが立つまで30秒炒め、油ごと9の鍋に注ぐ。
器に盛り、炒り落花生を散らして花椒粉と辣椒油をかけ、藿香の葉を添える。
本場と日本の違い
- 酸味は「酢」ではなく「発酵」。 酸漿は緑豆(またはえんどう豆)の汁を1〜2日置いて自然に酸っぱくしたもの。酢を足すのではなく、発酵で生まれた酸味をそのまま味の芯にする。洛陽では酸漿を店で買ってきて使う家庭も多い。
- 麺に大豆粉を混ぜる。 本場の配合では、小麦粉7に対して大豆粉3の割合で麺を打つ。大豆の香りとコクが、酸漿の酸味を受け止める。
- 泡を「打つ」のが肝心。 酸漿は温めると泡が立ち、放っておくとあふれてしまう。お玉で泡を叩きながら沸かす「打漿」は、洛陽漿麺条の作り方として記録されている大事な工程。家庭レシピでは、泡が立ったところに油をたらしてかき混ぜ、泡を細かくなめらかにする。
- 付け合わせで食べ進める。 洛陽では、ゆでて干したごまの若葉(芝麻葉)、醤油漬けのにんじん、揚げ落花生などを添え、花椒粉とラー油で味を足しながら食べる。
- 家庭ではトマトと茄子を合わせる作り方も。 最近の家庭レシピには、にんにく・茄子・トマトを炒めてから酸漿を注ぎ、麺を煮る手早い作り方もある。
参考ページ(写真)
美食天下の「酸浆面」レシピページに、緑豆の酸漿で麺を煮る手順写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-398054.html)
代用可能な食材
- 緑豆:乾燥えんどう豆(青えんどう)でも作れる(明代の伝説はえんどう豆の漿)
- 大豆粉:きな粉で代用可(香ばしさが強くなる)
- 手打ち麺:市販の乾燥うどん(細め)200gで代用可。その場合は袋の表示時間どおりに酸漿で煮る
- セロリ:中国セロリ(芹菜)があればより本場に近い
- 藿香の葉:入手できなければ省いてよい
- 花椒粉:粉山椒で代用可(香りは異なる)
保存・アレンジのコツ
- 仕込んだ酸漿は冷蔵で3〜4日保存できる。酸味が強くなりすぎたら、上澄み800mlに水200mlを足して使う
- 残った漿麺条は翌日さらにとろみが増すので、水100mlを足して温め直す
- 手早く作るなら、サラダ油15mlでにんにく2片・茄子1本(細切り)・トマト1個(角切り)を炒め、酸漿1000mlを注いで沸かし、麺を煮て塩11gで調える
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。