四川料理・川菜干烧虾仁
干焼蝦仁レシピ本場四川の配合を徹底解説

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日本の中華料理店で大人気の「エビチリ」。実はこの料理を考案したのは、実在した一人の四川料理人だったことをご存知でしょうか。
1919年、中華民国四川省富順県に生まれた陳建民(チェン・ケンミン)さんは、1947年、国共内戦の混乱を逃れて中国を離れます。上海から台湾を経て、1948年には香港で川菜レストランを開業。そして1952年、日本人女性と結婚したことをきっかけに横浜へと移り住みました。
1958年、陳建民さんは東京で「四川飯店」を開業し、日本で本格的な四川料理を紹介する草分け的存在となります。しかし当時の日本人にとって、四川料理の要である「郫県豆瓣醤」の辛さはあまりに刺激的でした。そこで陳建民さんは、本場の「干焼蝦仁」をベースにしながら、大量のトマトケチャップを加えて辛さを和らげた新しい一皿を考案します。これが、今では日本の中華料理店の定番メニューとなった「エビチリ(エビのチリソース炒め)」の誕生秘話です。
その後、陳建民さんはNHK『きょうの料理』にも出演し、乾焼蝦仁(エビチリ)・回鍋肉・担々麺・和風麻婆豆腐などを日本の家庭に広めました。息子の陳建一さんもテレビ番組「料理の鉄人」で活躍し、料理漫画『中華一番!』の主人公のモデルとも言われるなど、親子二代で日本の中華料理文化に大きな影響を与えています。干焼蝦仁は八大菜系のひとつ「川菜(四川料理)」に位置づけられる料理で、川菜は麻(痺れ)・辣(辛さ)・鮮(うま味)を特徴とします。ここから先では、中国語の複数レシピを比較して割り出した「本場の配合と手順」を解説します。
本場のレシピ
材料(2人分)
作り方
えびは殻をむいて背わたを取り、塩・こしょう・片栗粉を揉み込んで下味をつける。
フライパンに炒め用油大さじ1を熱し、えびを両面の色が変わる程度にさっと炒めて取り出す。
同じフライパンに残りの油を熱し、豚ひき肉を炒めて色が変わったら、しょうが・にんにく・長ねぎ(白い部分)を加えて香りを出す。
郫県豆瓣醤を加えてじっくり炒め、赤い油を引き出す。
トマトケチャップを加えてさらに炒め合わせる。
黄酒・生抽・砂糖・水を加えて煮立たせる。
玉ねぎとえびを戻し入れてさっと絡め、水溶き片栗粉でとろみをつける。
器に盛り、長ねぎ(青い部分)を散らして完成。
本場と日本の違い
- 豆瓣醤とケチャップの比率:本場の干焼蝦仁は郫県豆瓣醤の辛さと風味が主役で、ケチャップは色味と酸味を補う脇役として少量加えるだけです。日本の「エビチリ」はこの比率が逆転し、ケチャップが主役で豆瓣醤はごく控えめ、あるいは使わないことも多くなっています。
- 豚ひき肉の有無:本場では豚ひき肉(肉末)を加えてコクと旨味を足すのが定番です。日本のエビチリは基本的にえびだけのシンプルな仕立てが主流です。
- 辛さの調整の理由:陳建民さんが1958年に東京で「四川飯店」を開いた際、日本人が豆瓣醤の辛さに慣れていなかったため、大量のケチャップを加えて辛さを和らげたのが「エビチリ」誕生のきっかけとされています。
- 料理名の違い:中国語の「干焼」は「汁気をほぼ飛ばすまで煮詰める」調理法を指し、必ずしも辛い料理とは限りません。日本の「チリソース」という呼び方は、四川語の唐辛子(辣椒)を指す言葉ではなく、英語圏の「チリソース」の連想から定着した呼称です。
参考ページ(写真)
下厨房の「干烧虾仁」レシピページに手順写真が掲載されています。
代用可能な食材
- むきえび:無頭えびで代用可(殻付きの場合は下処理に時間がかかる点に注意)
- 郫県豆瓣醤:一般的な豆板醤でも代用可(辛味・塩気は控えめに調整)
- 黄酒:日本酒で代用可
保存・アレンジのコツ
- ソースだけなら冷蔵で2〜3日保存可能。えびは食べる直前に加熱するのがベスト
- えびの代わりに白身魚や鶏むね肉を使ったアレンジも中国では人気
出典
本文は上記の中国語情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。