貴州料理・黔菜遵义羊肉粉
遵義羊肉粉(遵义羊肉粉)レシピ本場貴州の配合を徹底解説

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貴州省遵義市、なかでも虾子(シアズ)という町の朝は、羊肉のだしの香りで目が覚めるという。丼に注がれたスープは澄んだ薄い色をしながらも赤く艶やかに光り、辛く香ばしいのに脂っこさを感じさせない。地元の人はこれを一杯すすってから、一日を始める。
面白いのは、この地域がもともと羊肉を食べる文化を持っていなかったという事実だ。かつて虾子の人々にとって、羊肉は民間の祭祀に使うものであり、日常的に食卓へ上る食材ではなかった。理由は単純で、羊特有の臭みが敬遠されていたからだ。転機が訪れたのは1980年代。「香菜とにんにくを使えば臭みを消せる」という工夫が見出され、これをきっかけに羊肉粉を商う店が一気に増えていったと伝わる。もっとも、遵義の店主たちの間では「虾子羊肉粉の歴史は清代にまでさかのぼる、うちが元祖だ」という誇りも根強く、正確な発祥時期には諸説ある。
現在では「虾子羊肉粉制作技芸」として貴州省の省級無形文化遺産にも登録されており、地元の誇りとなっている。一方で、隣接する興義(シンイー)でも独自の羊肉粉文化が発展しており、「中国羊肉粉之郷」の称号を興義が獲得したことに遵義側が反発し、独自の祭りを企画するなど、両地域のあいだにはちょっとしたライバル意識も存在するという。興義側の言い分では「遵義の羊肉粉は臭みが強く北方の人には合わないが、興義産は臭みが薄く食べやすい」とのことだが、遵義の人々に言わせれば、その野性味こそが本場の味なのだろう。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。
本場式の配合
材料(2人分)
スープ
米粉
- 米粉ビーフンや河粉でも代用可。乾麺の場合は表示時間通りに戻す200g
薬味・仕上げ
作り方
羊肉の下処理。羊肉と羊骨を水からさっと下ゆでし、アクと臭みを取り除いてから冷水で洗う。
スープを取る。大鍋に下処理した羊肉・羊骨・水1500ml・生姜・白酒を入れて強火にかける。沸騰したらアクを丁寧にすくい、八角・桂皮・花椒・クミン・フェンネル・白豆蔻を加える。
煮込む。中火で15分煮てから弱火に落として60分煮込む。羊肉に火が通ったら取り出し、粗熱が取れたら薄切りにする。
スープをさらに煮詰める。羊肉を取り出した後のスープは、弱火でさらに30分〜1時間煮込むと、より深いコクが出る(本場では5〜8時間煮込むこともあるが、家庭では30分〜1時間でも十分な風味が出る)。
煳辣椒粉を作る(市販の一味唐辛子を使わない場合)。乾燥唐辛子を油を引かないフライパンで弱火で香ばしく乾煎りし、粗熱を取ってからすり鉢やミルで粉状にする。
辣椒油を仕上げる。煳辣椒粉に熱した油(サラダ油または羊の脂とサラダ油を半々)を少しずつ回しかけ、香りを立たせる。
米粉を茹でる。乾麺の場合は表示時間通りに茹でて湯切りする。
盛り付ける。丼に米粉を入れ、薄切りにした羊肉をのせ、熱々のスープを注ぐ。生抽・塩・花椒粉で味を調え、にんにくの芽とパクチーを散らし、辣椒油と煳辣椒粉を好みの量かける。
本場と日本の違い
- 羊肉の臭みは「消す」のではなく「香りに変える」。 香菜とにんにくの芽をたっぷり使うのが本場流で、臭み自体をゼロにするというより、香味野菜と組み合わせて味の一部として楽しむ発想に近い。
- スープは何時間もかけて煮出す。 業務用のレシピでは羊肉を取り出した後もスープを5〜8時間煮込み続けるほどで、家庭のあっさりした鍋料理とは仕込みの重みが違う。
- 辣椒油は「二段仕込み」。 唐辛子をあらかじめ乾煎りしてから粉にする「煳辣椒」という技法と、それに熱した油をかける「辣椒油」の工程は別物で、両方を組み合わせて初めて本場の香ばしさが出る。
- これは朝ごはんの料理。 遵義や虾子では、羊肉粉は完全に朝食の定番で、一日のスタートを切る一杯として親しまれている。
- 地域によって味の方向性が違う。 同じ「羊肉粉」でも遵義(虾子)は羊の野性味を残した力強い味わい、興義はより臭みを抑えたマイルドな味わいとされ、貴州の中でも地域色がはっきり分かれている。
参考ページ(写真)
下厨房の「遵义人的遵义羊肉粉」レシピページでは、スープの煮出し方から盛り付けまでの手順が写真つきで紹介されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/104397645/
代用可能な食材
- 米粉が手に入らない場合→ビーフン200g、または太めの丸麺の江西米粉で代用可
- 羊骨が手に入らない場合→鶏がらスープの素小さじ2を足してコクを補う
- 白豆蔻→省略可(他のスパイスで十分香りは出る)
- 煳辣椒粉を作るのが手間な場合→市販の一味唐辛子や油泼辣子で代用可
保存・アレンジのコツ
- スープは多めに作って冷凍しておくと、次回はスープを温め直して米粉を茹でるだけで食べられる。
- 羊肉の代わりに牛すね肉を使うと、羊肉が苦手な人でも近い満足感が得られるアレンジになる。
- 仕上げに酢を少量垂らすと、脂っこさが和らぎさっぱりとした後味になる。
出典
- 貴州テレビ(gzstv.com)「文化 | 茅台酒、虾子羊肉粉……一同品味遵义非遗的独特魅力!-- 虾子羊肉粉制作技艺」
- 澎湃新聞「"中国羊肉粉之乡"授牌贵州兴义引争议,遵义筹划办节日反击」
- 新浪新聞「天冷了,教大家正宗羊肉粉配方做法」
- 下厨房「遵义人的遵义羊肉粉」レシピ
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。