家常菜・家庭の定番おかず钟水饺

鍾水餃レシピ本場四川・成都の配合を徹底解説

赤い紅油のたれに浸った小ぶりの水餃子を皿に並べた鍾水餃のイラスト
地域
川菜(四川・成都)
分量
3人分・30個
公開

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「水餃子」なのに、スープに浮かんでいない。成都の名物・鍾水餃は、ゆでた小ぶりの餃子に甘い醤油と真っ赤な紅油、にんにくのすりおろしをかけ、よく絡めて食べる"汁なし水餃子"です。

創始者は鍾燮森という人物。網易の記事によれば、1893年に天秤棒をかついで売り歩いたのが始まりで、のちに成都の荔枝巷に「協森茂」という店を構え、1920年代には成都で名を知られるようになったといいます。搜狐の記事では、1931年に正式に看板を掲げ、「荔枝巷鍾水餃」の名で親しまれてきたと紹介されています。現在は中国の「中華老字号(老舗ブランド)」にも認定されています。

本サイトで以前紹介した北方式の「水餃子」とは、ほぼ別の料理と言ってよいほど違います。北方の水餃子は白菜などの野菜を肉と合わせた餡で、黒酢やにんにくのたれにつけて食べる、年越しにも欠かせない"主食"です。一方、鍾水餃の餡は野菜を一切入れない豚肉だけ。肉を包丁の背でたたいてペースト状にし、ねぎと生姜の香りを移した水を少しずつ吸わせて、ぷりっと弾む食感に仕上げます。味の決め手は黒糖と香辛料で煮詰めた「複製醤油(甜醤油)」と紅油で、「塩気の中に甘み、辛さの中にうま味」という成都らしい味わいです。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順を公開します。

本場の配合

材料(3人分・30個)

皮

  • 中力粉120g
  • 水60ml
  • 打ち粉(中力粉)10g

餡

  • 豚ひき肉(赤身7:脂3)250g
  • 長ねぎ(ぶつ切り)10g
  • 生姜(薄切り)10g
  • 水(葱姜水用)60ml
  • 醤油10ml
  • ごま油5ml
  • 白こしょう0.5g

複製醤油(作りやすい分量。使うのは25ml)

たれ

  • 複製醤油25ml
  • 紅油辣椒油30ml
  • にんにく(すりおろし)15g
  • 冷水(にんにく用)15ml

ゆで湯

  • 水2000ml

作り方

  1. 複製醤油を作る。小鍋に醤油100ml・黒糖50g・水50ml・八角・桂皮・小茴香・香葉・生姜を入れて弱火にかけ、ふつふつとした状態で20分、とろりとするまで(約120ml)煮詰める。香辛料を取り除いて冷ます。

  2. 葱姜水を作る。長ねぎと生姜を軽くつぶして水60mlに浸し、15分置いてこす。

  3. 皮の生地を作る。中力粉120gに水60mlを少しずつ加えて混ぜ、なめらかになるまで5分こねる。ラップをして20分休ませる。

  4. 餡を作る。豚ひき肉を包丁の背で2〜3分たたいて粘りのあるペースト状にし、ボウルに入れて醤油10ml・白こしょうを加える。葱姜水60mlを3回に分けて加え、そのつど同じ方向に力強く混ぜて水分を吸わせる。最後にごま油5mlを混ぜ、冷蔵庫で15分冷やす。

  5. 生地を棒状にのばして30等分(1個約6g)し、打ち粉をしながら直径7cmの薄い円形にのばす。餡を小さじ山盛り1杯(約10g)ずつのせ、半月形に折って縁をしっかり閉じる(ひだは付けない)。

  6. たれを準備する。にんにくのすりおろしに冷水15mlを混ぜておく。

  7. 鍋に湯2000mlを沸かし、餃子を入れる。再び沸いたら水100mlを差し、これを2回繰り返して、餃子が浮き上がりふっくらするまで約5分ゆでる。

  8. 湯を切って器に盛り、複製醤油25ml・紅油30ml・にんにく水をかけ、すぐに全体をよく混ぜて餃子一つ一つにたれをまとわせる。

本場と日本の違い

  • 肉だけの餡:鍾水餃の餡は野菜を入れない豚肉のみ。葱姜水を吸わせて、肉だけでもジューシーでぷりっとした食感を出す。日本の餃子や北方式の水餃子は、白菜やキャベツ・ニラを合わせるのが基本。
  • スープなしで甘辛く:本場では小ぶりの餃子に複製醤油・紅油・にんにくをかけて和えて食べる。日本でいう「水餃子」はスープ入りや酢醤油で食べるものが多く、甘い醤油を使うことはまずない。
  • 皮と大きさ:本場の皮は卵もかんすいも入れない小麦粉と水だけの薄い皮で、ひと口サイズ。日本の市販の餃子の皮よりも小さく、ゆでるとつるりとした食感になる。

参考ページ(写真)

美食天下の「【川菜】:鍾水餃」レシピページに、紅醤油の煮詰め方から包み方、たれのかけ方までの手順写真が掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-26775.html)

代用可能な食材

  • 手作りの皮:市販の餃子の皮(小判)で代用可。直径8〜9cmのものは麺棒で少しのばして薄くするとよい
  • 複製醤油:時間がなければ醤油25ml+黒糖小さじ2(6g)+五香粉0.3gを電子レンジで20秒温めて溶かしたもので代用可
  • 小茴香・香葉:省いてもよい。その場合は八角と桂皮だけで煮詰める
  • 紅油:具の少ない辣椒油を使う。「食べるラー油」は具が多く、たれが重くなるので向かない

保存・アレンジのコツ

  • 包んだ餃子はバットに並べて冷凍し、固まったら袋に移せば1か月保存できる。凍ったまま、ゆで時間を2分延ばしてゆでる
  • 複製醤油は冷蔵で1か月ほど持つ。蒜泥白肉や冷やし中華風の和え麺にも使える
  • たれに花椒粉0.5gを加えると痺れが加わり、成都の食堂で出てくる「紅油水餃」寄りの味になる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。