家常菜・家庭の定番おかず葱油饼

葱油餅レシピ本場中国家庭の配合を徹底解説

青ねぎが入った層のある葱油餅を扇形に切り、木の板に並べたイラスト
地域
家常菜(全国区)
分量
4人分
公開

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「ピザの起源は、マルコ・ポーロが中国で食べた葱油餅だった」――中国ではこんな話が語られることがある。元の時代に中国を訪れたマルコ・ポーロが葱油餅の味を忘れられず、帰国後にナポリの料理人に再現を頼んだ。ところが具を生地に包み込むのが難しく、代わりに具を生地の上にのせて焼いたところ、それがピザになった――というものだ。もちろんこれは「話説(言い伝え)」として紹介される伝説で、史実として裏付けられているわけではない。それでも、そんな話が生まれるほど、葱油餅は中国人にとって身近な「粉もの」の代表だ。

葱油餅は、小麦粉の生地に刻みねぎと油を巻き込んで層をつくり、平たくのばして焼き上げる。中国北方で生まれ、数百年の歴史があるとされ、美食天下の解説では天津の特色小吃のひとつとして紹介されている。いまや中国大陸のほか台湾や香港、マレーシアやシンガポールの華人社会まで、屋台や夜市、朝食の定番として広く食べられている。

おいしさの秘密は、ねぎと一緒に巻き込む「油酥(ヨウスー)」。小麦粉に熱した油を注いで作るペーストで、これを生地の間に塗り込むことで、焼いたときに層がはがれてサクサクになる。生地の方も、熱湯でこねる「烫面」にすることで、冷めても固くなりにくい、もっちりした食感に仕上がる。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場家庭の配合と、層をきれいに作る成形の手順を公開する。

本場の配合

材料(4人分)

直径12cm程度のもの8枚分。

生地

  • 中力粉200g
  • 塩2g
  • 熱湯100ml
  • 冷水35ml

油酥

  • 中力粉60g
  • 塩2g
  • 五香粉0.5g
  • 小ねぎ(小口切り・油酥用)15g
  • サラダ油30ml

仕上げ

  • 小ねぎ(小口切り・巻き込み用)30g
  • 白ごま5g
  • サラダ油(焼き用)大さじ2(30ml)

作り方

  1. 生地を作る:ボウルに中力粉200gと塩2gを入れて混ぜ、熱湯100mlを回し入れながら菜箸でそぼろ状になるまで混ぜる。続けて冷水35mlを加え、手でこねてひとまとめにする。

  2. 表面がなめらかになるまでこね、薄く油を塗ってラップをかけ、30分休ませる。

  3. 油酥を作る:耐熱ボウルに中力粉60g・塩2g・五香粉0.5g・小ねぎ15gを入れる。小鍋でサラダ油30mlを強火で熱し、うっすら煙が立ったらボウルに一気に注ぎ、菜箸ですばやく混ぜてペースト状にする。

  4. 生地を8等分して丸める。台と麺棒に薄く油を塗り、1個ずつ長さ25cm・幅8cmほどの細長い形にのばす。

  5. 油酥を8分の1量ずつ薄く塗り広げ、巻き込み用の小ねぎと白ごまを散らす。

  6. 手前から奥へ向かって細長い棒状に巻き、さらにその棒を端から渦巻き状に巻いて、巻き終わりを下に押し込む。ラップをかけて10分休ませる。

  7. 渦巻きを上から手のひらで押しつぶし、麺棒で直径12cmほどにのばす(強く押しすぎると層がつぶれるので、軽くのばす程度に)。

  8. フライパンにサラダ油大さじ1(15ml)を入れて中弱火で熱し、4枚を並べる。底が色づいたら返し、何度か返しながら、両面がこんがりと黄金色になるまで6〜7分焼く。残りの4枚も同様に焼く。

本場と日本の違い

  • 日本の「ねぎ焼き」とは別物:日本でねぎ焼きといえば、お好み焼き風の生地にねぎを混ぜた料理が一般的。葱油餅は生地にねぎと油酥を「巻き込んで層を作る」パイ生地のような料理で、食感がまったく違う。
  • 生地は大きく分けて「烫面」と「発面」:本場のレシピには、熱湯でこねる「烫面」(柔らかく冷めても固くなりにくい)と、酵母で発酵させる「発面」(ふっくら厚め)があり、熱湯と冷水を合わせてこねる折衷型も多い。今回は熱湯で粉に火を通してから冷水で硬さを調整する、家庭で失敗しにくい配合で作った。
  • 油酥の有無:簡易的なレシピでは油と塩だけを塗るものもあるが、小麦粉に熱い油を注いだ油酥を使うと、層がはっきり分かれて「サクサク・ほろほろ」の食感になる。
  • 油の種類:中国の家庭では、ラード・落花生油・菜種油など、手元の油で作る。ラードで作るとより香ばしくなる。

参考ページ(写真)

美食天下の「烫面葱油饼」レシピページに、烫面のこね方から油酥を塗って成形するまでの工程が写真付きで掲載されています。

(https://home.meishichina.com/recipe-143371.html)

代用可能な食材

  • 中力粉:薄力粉と強力粉を1:1で混ぜたもので代用可
  • 小ねぎ:長ねぎの青い部分を細かく刻んだもので代用可
  • 五香粉:白こしょう0.5gで代用可(中国のレシピでも胡椒を使うものは多い)
  • サラダ油:ラードに替えると、より香ばしく本場の屋台の味に近づく

保存・アレンジのコツ

  • 焼いたものは冷めたらラップで包み、冷凍で2週間保存可能。凍ったままフライパンで弱火で両面を焼き直す
  • 成形まで済ませた生の状態で、1枚ずつクッキングシートを挟んで冷凍しておくと、朝食にすぐ焼ける
  • 焼き上がりに卵1個を割りほぐして片面に流し、返して焼き付けると「鶏蛋葱油餅」になる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。