家常菜・家庭の定番おかず板栗烧鸡

栗の鶏肉煮込み(板栗焼鶏)レシピ本場中国・秋冬の家庭の配合を徹底解説

土鍋で照りのある鶏肉と黄色い栗を煮込み、八角を添えた栗の鶏肉煮込みのイラスト
地域
家常菜(全国区・秋の定番)
分量
2人分
公開

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秋が深まり、八百屋の店先に艶やかな栗が並び始めると、中国の家庭の食卓には決まって登場する一皿があります。それが「板栗烧鸡(バンリーシャオジー)」、栗と鶏肉をじっくり煮込んだ、素朴だけれど奥深い家庭料理です。

栗は中国で古くから「干果之王(乾果の王様)」と呼ばれるほど栄養価の高い食材とされ、中医学(中国伝統医学)の考え方では「健脾胃・益気・補腎・強心」、つまり胃腸を整え、気力を養い、腎を補い、心を強くする効能があるとされてきました。秋から冬にかけての「補益」の食材として、この時期の中国の食卓に自然と登場する理由がここにあります。

板栗烧鸡の面白いところは、鶏肉と栗が「最佳搭档(最高の組み合わせ)」と称されるほど相性がよいとされている点です。実際、多くの家庭のレシピでは砂糖をほとんど使わず、栗そのものの自然な甘みだけで味に深みを出すことができるとされ、「色艶よく照りがあり、塩気の中に甘みとコクが重なる」味わいに仕上がるのが特徴です。手間のかかる合わせ調味料を使わずとも、家庭にある基本の調味料だけで本格的な味に仕上がることも、この料理が長く愛されてきた理由の一つでしょう。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順、そして日本版との違いを解説します。

本場式の配合

材料(2人分)

  • 鶏もも肉骨付きぶつ切り、または鶏もも肉400g
  • 栗(殻・渋皮を取ったもの)200g
  • しょうが(スライス)10g
  • 長ねぎ(青い部分・ぶつ切り)20g(1/2本分)
  • にんにく(つぶす)10g(2片分)
  • 乾燥唐辛子2本
  • 八角1個
  • 花椒小さじ1/2(1g)
  • 紹興酒大さじ1(15g)
  • 老抽小さじ1(5g)
  • 生抽大さじ2(30g)
  • 塩小さじ1/3(2g)
  • サラダ油大さじ1(12g)
  • 湯(80℃以上の熱湯)400ml

作り方

  1. 鶏肉は水から入れて中火で3分下茹でし、アクと血合いを取り除く。取り出して熱湯で2回すすぎ、水気を切る。

  2. 栗は熱湯で4分下茹でし、ざるに上げて水気を切っておく。

  3. フライパンにサラダ油を熱し、栗を中火で3分炒めて軽く焼き色をつけたら一度取り出す。

  4. 同じフライパンでしょうが・長ねぎ・にんにく・乾燥唐辛子・八角・花椒を弱火で1分炒めて香りを出す。

  5. 鶏肉を加えて中火で3分炒め、表面の脂が透き通るまで炒めたら、紹興酒を加えてアルコール分を飛ばす。

  6. 栗を戻し入れ、80℃以上の熱湯400mlを注ぐ。強火で沸騰させたら弱火にし、30分煮込む(骨付きの親鶏を使う場合は40分以上を目安に調整)。

  7. 老抽・生抽・塩を加えて中火で5分煮込み、最後に強火にして汁気を軽く煮詰めたら完成。

本場と日本の違い

  • 認知度:本場では秋冬の代表的な家庭料理として広く親しまれていますが、日本の中華料理店ではほとんど見かけることがなく、知名度自体が低い料理です。
  • 栗の下処理:本場では生栗を自分で殻剥きして使うのが一般的ですが、日本で作る場合は甘露煮ではない「むき甘栗」や冷凍の皮むき栗を使うことが多く、下処理の手間が省略されがちです。
  • 味付けの発想:本場は栗の自然な甘みを活かし砂糖をほとんど使わないのが基本ですが、日本人がこの料理を作ると、無意識に砂糖やみりんを足して甘辛く仕上げてしまう傾向があります。
  • 香辛料の使い方:本場は八角・花椒・乾燥唐辛子をしっかり効かせた中華らしい香り付けをしますが、日本版で再現する場合、これらの香辛料が省略され、しょうゆベースの和風の煮物に近づいてしまうことがあります。
  • 食材の格付け:本場では栗は「干果之王」と呼ばれるほど価値のある食材として扱われますが、日本では栗ご飯やモンブランなどスイーツ寄りの食材というイメージが強く、惣菜としての栗の存在感はあまり意識されません。

参考ページ(写真)

下厨房の「板栗烧鸡」レシピページに、栗を炒めてから鶏肉と煮込む手順の写真が掲載されています。 https://www.xiachufang.com/recipe/99409/

代用可能な食材

  • 栗:入手困難な場合、市販の甘くない「むき甘栗」やゆで栗の真空パックで代用可(その場合、下茹で工程は省略できる)
  • 老抽:入手困難な場合、生抽の量を増やし少量のオイスターソースで色を補って代用可
  • 鶏もも肉:本場は骨付きの親鶏を使うことが多いが、家庭では骨付きもも肉やぶつ切りの鶏肉で手軽に代用可

保存・アレンジのコツ

  • 冷蔵で3日、冷凍で2週間ほど保存可能。翌日は味がなじんでさらに美味しくなる
  • 仕上げに乾燥唐辛子を増やせば、よりピリ辛な仕上がりにアレンジできる
  • 残った煮汁はご飯にかけて食べても、あるいは青菜を煮浸しにするのに活用してもよい

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。