家常菜・家庭の定番おかず蒸鸡蛋羹

蒸し卵羹(蒸鶏蛋羹、蒸鸡蛋羹)レシピ本場中国家庭の配合を徹底解説

なめらかな黄色い卵の中央に醤油だれと刻み青ねぎをのせた、青い縞模様の器の蒸し卵羹のイラスト
地域
家常菜(全国区)
分量
2人分
公開

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「中国の子供が生まれて初めて挑戦する料理は?」と聞かれたら、多くの人が答えるのが蒸鸡蛋羹(水蒸蛋)だ。卵と水を混ぜて蒸すだけ——たったそれだけのはずなのに、SNSでは「本当にこんなに簡単なのか」と挑戦しては失敗する動画が後を絶たない。2020年代半ば以降、TikTokから小紅書に移住した海外ユーザーが次々にこの料理に挑み、「中国鸡蛋羹」が世界的な流行語になったほどだ。

「羹(コウ)」とは本来、とろみのある濃厚な料理全般を指す古い言葉。清代の料理書『食宪鸿秘』にはすでに「蛋腐」という蒸し卵料理が記録されており、「打数百转(数百回かき混ぜる)」という記述からも、古くから丁寧な下ごしらえが重視されてきたことがうかがえる。特定の菜系に属さず、南北を問わず中国全土の食卓に上る、国民的な家常菜のひとつだ。

見た目は卵と水を混ぜて蒸すだけのシンプルな料理だが、実は卵と水の配合がわずかにずれるだけで「蜂窝(すが入って穴だらけの状態)」になったり、逆に水っぽく固まらなかったりする、科学的にシビアな一皿でもある。卵と水の黄金比、そして「す」を入れないための濾す工程・蒸す火加減が、腕の見せ所とされている。ここから先は、実際に中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分)

  • 卵正味約150g3個
  • ぬるま湯40℃前後の人肌程度、または沸かして冷ました水225ml
  • 塩1.5g(小さじ1/4)
  • 生抽10ml(小さじ2)
  • ごま油5ml(小さじ1)
  • 小ねぎ(小口切り)仕上げ用5g

※卵とぬるま湯の黄金比は重量比で1:1.5。この比率を守ることが、なめらかで「すの入らない」仕上がりの最大のポイント。

作り方

  1. 卵をボウルに割りほぐし、塩を加えて泡立てないように菜箸でゆっくり溶きほぐす。

  2. ぬるま湯225mlを少しずつ加えながら混ぜ合わせる。茶漉しなどで1〜2回濾し、気泡と溶けきらない卵白の塊を取り除く(これがなめらかな口当たりに仕上げる最大のコツ)。

  3. 深さのある耐熱容器に静かに注ぎ入れ、表面に浮いた細かい泡はスプーンですくうかキッチンペーパーの角でそっと触れて消しておく。

  4. 容器に耐熱ラップをふんわりとかけ、竹串で3〜5箇所小さな穴を開けて蒸気の逃げ道を作る。

  5. 蒸し器の湯をしっかり沸騰させてから容器を入れる。蓋を少しずらして蒸気を逃しながら、強すぎない中火で12分蒸す。

  6. 火を止め、蓋をしたまま3分蒸らして余熱で中心までゆっくり火を通す。

  7. 仕上げに生抽とごま油を回しかけ、小ねぎを散らして完成。

本場と日本の違い

  • 日本の「茶碗蒸し」は昆布や鰹の出汁に鶏肉・エビ・銀杏・三つ葉などを加え、卵とだしの比率も1:3〜4程度とゆるめに仕立てる「ハレの日のご馳走」寄りの料理。一方、本場・中国の蒸鸡蛋羹は卵と水の比率が1:1.5程度と濃密で、具はほぼ入れず醤油とごま油だけで食べる、毎日のご飯のおかずという位置づけの「ケの日の家庭料理」だ。
  • 中国では「見た目は誰でも作れそうなのに、実際にはすが入ったり水っぽくなったりして失敗しやすい」料理の代表格として語られており、卵と水の黄金比・濾す工程・蒸す火加減の3点が腕の見せ所とされる。
  • 2020年代にはSNSを通じて世界中の人がこの「一番簡単そうで実は奥が深い中国家庭料理」に挑戦する動画が流行し、あらためて注目を集めた。

参考ページ(写真)

下厨房の「蒸个完美水蛋|蒸蛋羹的做法」レシピページに、卵液を濾す工程からラップに穴を開ける工程までの手順写真と、卵と水の黄金比の目安表が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/103639404/

代用可能な食材

  • ぬるま湯→昆布だしや鶏がらスープ(水225mlに顆粒鶏がらスープの素1g程度を溶かしたもの)に置き換えると、より旨みの強い「高湯蒸蛋」風に仕上がる(その場合は生抽・塩の量を控えめに調整する)
  • 小ねぎ→万能ねぎやパクチーでも代用可
  • ごま油→ラー油を数滴加えると中国東北風のピリ辛アレンジになる

保存・アレンジのコツ

  • 蒸し立てが一番のごちそう。時間が経つと水分が分離して食感が落ちるため、食べる直前に仕上げるのがおすすめ。
  • 卵液に刻んだ干しエビやカニカマ、豚ひき肉を加えて一緒に蒸すと、具だくさんのアレンジになる。
  • 残ってしまった場合は冷蔵庫で保存し、翌日は加熱しすぎに注意しながら電子レンジで温め直すか、スープに崩し入れて食べるとよい。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。