広西料理・桂菜玉林牛巴
玉林牛巴レシピ本場広西・玉林の配合を徹底解説

この記事はAmazonアソシエイトのリンクを含みます。
コーヒー色に艶めく、甘じょっぱい牛肉の干し肉。広西チワン族自治区の東南部、玉林の名物「牛巴(ニウバー)」は、ビーフジャーキーに似ているが、干した牛肉をさらに香辛料と油でじっくり焖(煮込み)炒めて仕上げる、手間のかかった保存食だ。
広西テレビのニュースサイトが「広西十大名小吃」として紹介した記事によれば、その起源は南宋にさかのぼるという。邝(クァン)という姓の塩商人が旅の途中、疲れ果てて死んだ牛に出会い、哀れに思ってその肉を塩漬けにして干した。これに八角や桂皮などの香辛料を加えて煮込んだところ、えも言われぬ香りが漂い、近所の人々が争って味見をして絶賛した——これが牛巴の始まりと伝えられる。特産品を紹介するサイト「特色谷」も、南宋・開慶年間の塩商人・邝氏の話として同じ伝説を紹介しており、清代にはすでにその美味しさが記録されているとする。
仕上がりは「色は油を塗ったコーヒーのように艶やかで、香り高く、甘さと塩気がほどよい」と評され、食感は「噛みごたえはあるが硬すぎない」。そのまま酒のつまみにするほか、玉林では米粉(ビーフン)の具にもなる。材料の牛肉は黄牛(在来種の役牛)のもも肉が基本だ。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(作りやすい分量・牛もも肉500g分)
下味
香料の煮汁
仕上げ
- ピーナッツ油100ml
- 生姜(薄切り)10g
作り方
牛もも肉は繊維に沿って、長さ10cm×幅5cm×厚さ1cmの板状に切る。
ボウルに白酒25ml・生抽30ml・砂糖15g・生姜の搾り汁10ml・にんにく10g・塩3gを混ぜ、牛肉を加えてよくもみ込む。ラップをして冷蔵庫で2時間漬ける。
牛肉の汁気をきり、網を重ねたバットに並べる。ラップをせずに冷蔵庫に一晩(約12時間)入れて風干しにする。表面が乾いて指で押しても汁が出ず、生の状態から7割程度に締まった状態が目安。急ぐ場合は100℃のオーブンで60分乾かしてもよい。
鍋に水300ml・八角・桂皮・草果・沙姜・丁香・陳皮・氷砂糖30gを入れて火にかけ、沸騰したら弱火で15分煮出して香料の煮汁を作る。
4の鍋に干した牛肉と残った漬け汁を加え、蓋をして弱火で40分煮る。途中で上下を返す。
蓋を取って中火にし、ときどき混ぜながら煮汁がほぼなくなるまで10〜15分煮詰める。
ピーナッツ油100mlと生姜10gを加え、弱火で15〜20分、焦がさないよう絶えず混ぜながら焖炒する。牛肉の表面がコーヒー色になり、油を塗ったような艶が出れば完成。
香辛料と生姜を取り除き、ざるにあげて油をきる。完全に冷ましてから食べやすく裂くか、薄切りにする。
本場と日本の違い
- 日本のビーフジャーキーは味付け肉を乾燥させて終わりだが、牛巴は「漬ける→干す→香料で煮る→油で焖炒する」と工程が多い。仕上げに油で火を入れるため、表面は艶やかで、中はしっとりと噛みしめるほど味が出る。
- 味の方向は「甘じょっぱい」。氷砂糖をたっぷり使い、八角・桂皮・草果・沙姜など複数の香辛料を効かせるので、日本のジャーキーのような塩気主体の味とはまったく違う。
- 伝統的な製法では、発色と保存のために硝水(亜硝酸塩を含む水)や小蘇打(重曹)を漬け汁に加え、屋外で天日干しにする。家庭では安全のため硝水は使わず、冷蔵庫での風干しに置き換えている。
- 本場では茶油(油茶の実の油)やピーナッツ油で香料を炒め、干した牛肉を1〜2時間かけて弱火で焖す。家庭版では煮汁で先に柔らかくしてから油で仕上げ、時間を短縮している。
参考ページ(写真)
下厨房の「牛巴」レシピページに、牛肉を干す工程から香料で煮て油で仕上げるまでの写真が掲載されています。
(https://m.xiachufang.com/recipe/107574867/)
代用可能な食材
- 白酒:ウォッカや焼酎(25度以上)25mlで代用可。
- 沙姜:乾燥品が手に入らなければ省いてもよい。その場合は生姜を10g増やす。
- 草果・丁香・陳皮:五香粉2gで代用できる(香りはやや単調になる)。
- ピーナッツ油:サラダ油でも作れる。本場の茶油に近い香りを出したい場合は、ピーナッツ油を使う。
保存・アレンジのコツ
- 油をきって完全に冷まし、密閉容器に入れて冷蔵で1週間、小分けにして冷凍すれば1か月保存できる。
- 玉林ではゆでた米粉(ビーフン)に牛巴の薄切りをのせ、煮汁やたれをかけて食べる「牛巴粉」も定番。家庭でも、ゆでたビーフンに牛巴・もやし・パクチーをのせ、仕上げに残った油を少量回しかけるとよい。
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。