広西料理・桂菜恭城油茶
恭城油茶レシピ本場広西・恭城の配合を徹底解説

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「油茶」は飲み物ではない。茶葉を生姜・にんにくと一緒に油で炒め、木槌で叩きつぶしてから湯で煮出し、塩で味をつける。その熱い茶の汁に、炒り米や揚げピーナッツ、刻みねぎを浮かべて、箸やれんげで「食べる」――それが広西チワン族自治区・恭城の油茶だ。
恭城は瑶(ヤオ)族の自治県で、油茶は瑶族の暮らしとともに受け継がれてきた。中国農業農村信息網の記事によれば、恭城は隋の大業14年(618年)に県が置かれた当初「茶城」と呼ばれ、油茶は唐代に始まり1500年以上の歴史を持つとされる。湿気が多く「瘴気」が重いとされた山あいの環境と長く付き合う中で形づくられた、瑶族独自の食習慣だという。客人に油茶を振る舞うことは、今も恭城で最高のもてなしとされる。
2008年に広西チワン族自治区級、2021年には「瑶族油茶習俗」として国家級の無形文化遺産に指定され、2022年11月にはユネスコの人類無形文化遺産「中国の伝統製茶技術とその関連習俗」の一部として登録された。地元には「一杯目は苦く、二杯目は渋く、三杯目・四杯目こそおいしい油茶」ということわざがあり、同じ茶葉を何度も叩いて煮出し、杯を重ねるごとに味が変わっていくのを楽しむ。
ここから先は、中国語の複数レシピを比較し、日本の緑茶と家庭の道具で作れるように組み立てた配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(3人分・3煎分)
油茶
- 緑茶の茶葉乾燥、できれば大きめの葉の釜炒り茶20g
- 熱湯(茶葉を戻す用)200ml
- 生姜20g
- にんにく3片(10g)
- 生落花生(薄皮付き)15g
- ラード1煎ごとに5g15g
- 水1煎ごとに300ml900ml
- 塩1煎ごとに2g6g
トッピング
- 炒米(揚げた米・米花)30g
- 炒りピーナッツ(無塩)40g
- 青ねぎ(小口切り)10g
- パクチー(刻む)5g
作り方
茶葉をボウルに入れて熱湯200mlを注ぎ、5分おいて開かせる。ざるに上げて水で1回すすぎ、軽く絞って苦味と渋みを抜く。
生姜は皮ごと薄切りにし、にんにくは皮をむく。トッピングは3人分の器に3回に分けて使えるよう、小皿に用意しておく。
1煎目:厚手の鍋(または鉄の中華鍋)にラード5gを中火で溶かし、茶葉全量・生姜・にんにく・生落花生を入れて1分炒める。香りが立ったらすりこぎ(または木べらやポテトマッシャー)で叩いてはすりつぶす動作を3分ほど繰り返し、茶葉が鍋底に少し貼りつくくらいまで細かくする。
水300mlを注いで強火で沸騰させ、2分煮立てて塩2gを加える。茶こしでこしながら3つの器に分けて注ぎ(茶殻は鍋に残す)、トッピングの1/3量を散らしてすぐに食べる。
2煎目:鍋に残った茶殻にラード5gを加えて中火で1分、再び叩いてすりつぶす。水300mlを注いで2分煮立て、塩2gを加えて同様にこし、トッピングの1/3量を散らす。
3煎目:5と同じ手順を繰り返す(ラード5g・水300ml・塩2g)。煎を重ねるごとに苦味が抜け、まろやかになっていく。
本場と日本の違い
- 「淹れる」のではなく「打つ」:日本のお茶は湯に成分を移すものだが、油茶は茶葉を油で炒めて叩き、茶葉そのものを砕いて煮出す。地元では専用の「油茶鍋」「油茶槌(木槌)」「油茶こし」を使い、この作業を「打油茶」と呼ぶ。
- 茶漬け・茶粥との違い:日本の茶漬けはご飯に淹れた茶をかける料理だが、油茶は主役が茶の汁そのもの。炒り米やピーナッツは食感のアクセントで、塩味と生姜・にんにくの香りが効いた「茶のスープ」として食べる。
- 付け合わせの豊かさ:恭城では、米花・揚げピーナッツ・炒った大豆・揚げ菓子などを小皿にずらりと並べ、好きなものを浮かべて食べる。
参考ページ(写真)
下厨房の「恭城油茶 打油茶」レシピページに、鍋で茶葉を叩きつぶし、こして器に注ぐまでの手順写真が掲載されています。
(https://m.xiachufang.com/recipe/103494129/)
代用可能な食材
- 茶葉:本場は清明節から穀雨の頃に摘んだ大葉の緑茶を使う。日本では中国緑茶や釜炒り茶が近い。煎茶でも作れるが、細かい茶葉は茶こしを通りやすいので目の細かいこし器を使う
- ラード:サラダ油やピーナッツ油でも作れるが、ラードのほうが本場らしいコクが出る
- 炒米:無糖のライスパフ、または冷やご飯を天日で乾かしてから油で揚げたもので代用可
- すりこぎ:なければフードプロセッサーで炒めた茶葉・生姜・にんにくを細かく砕いてから鍋に戻してもよい(都市部の家庭版はこの方法)
保存・アレンジのコツ
- 油茶の汁は冷めると香りが落ちるため、その都度作るのがいちばん。煮出した汁を保温ポットに入れておき、飲むたびに器へ注ぐ家庭版の方法もある
- 30分浸水させた緑豆15gを茶葉と一緒に炒めて砕く家庭版のレシピもある。豆の風味が加わり、味わいが変わる
出典
- 中国農業農村信息網「油茶制作技艺(恭城油茶):“打”出来的“非遗” 千年传承的瑶乡味道」
- 封面新聞「茶俗·专访瑶族油茶习俗传承人:一杯苦二杯呷(涩),三杯四杯好油茶」
- 桂林国旅「桂林油茶的做法」
- 下厨房「恭城油茶 打油茶」レシピ
- 下厨房「恭城油茶~打油茶」レシピ
- 下厨房「恭城油茶(城市家庭版)」レシピ
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。