広西料理・桂菜桂林米粉
桂林米粉レシピ本場広西・桂林の配合を徹底解説

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広西の米粉料理といえば、強烈な酸っぱさと発酵臭が持ち味の螺蛳粉や、酸味と辛味でパンチの効いた老友粉が有名だ。しかし同じ広西・桂林で生まれた桂林米粉は、この二つとはまったく違う「あっさり上品」な味わいで、地元の人々に長年愛され続けている。
伝説によれば、その起源は紀元前214年、秦の始皇帝の時代にまでさかのぼる。中原を統一した始皇帝は嶺南(現在の広西一帯)を平定するため大軍を南下させたが、山がちな地形で兵糧の輸送に行き詰まり、監御史・史禄に命じて霊渠という運河を掘らせた。難工事に従事した秦の兵士たちは、慣れない土地の米しか手に入らなかったため、米を挽いて粉にし、米浆から麺状に加工する技術を編み出したと伝えられる。さらに湿気の多い嶺南の風土に兵士たちが次々と体調を崩したため、地元の知恵を借りて花椒・八角・陳皮・桂皮といった漢方の香辛料を煮出したたれを添えるようになったという。これが、桂林米粉最大の特徴である「鹵水(ルーシュイ)」の原型と語り継がれている。
桂林米粉の主役はスープではなく、この鹵水と呼ばれる香り高いたれそのもの。米粉そのものは実は無味で、店ごとに門外不出とされる鹵水の配合こそが味の決め手になる。本来の食べ方も、汁をたっぷり張らず、少量のたれを米粉に絡めて和える「干捞(汁なし)」スタイルが基本で、螺蛳粉や老友粉のような濃厚な酸辣スープとは一線を画す。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、本場の鹵水の配合と锅烧(パリパリに揚げた豚の皮付き肉)の作り方を公開する。
本場式の配合
材料(2人分)
主体
鹵水(たれ)
锅烧(揚げ豚皮)の下処理用
- 塩3g
- 米酢10ml
- 揚げ油300ml
トッピング
作り方
豚骨と牛肉の塊はそれぞれ熱湯で3〜4分下茹でしてアクと臭みを取り、流水で洗っておく。
鍋に食用油大さじ1(15ml)を熱し、八角・桂皮・甘草・草果・小茴香・丁香・沙姜・香葉・花椒を弱火で1〜2分炒めて香りを引き出す。
水1000ml、下茹でした豚骨と牛肉を加え、強火で沸騰させたらアクを取り、弱火にして1時間半煮込む。
牛肉を取り出し、鍋に老抽20ml・生抽15ml・豆豉15g・氷砂糖15gを加えて、さらに30分煮込む。骨と香辛料をざるで漉して取り除けば鹵水の完成。取り出した牛肉は粗熱を取って薄切りにする(卤牛肉)。
锅烧を作る:豚バラ肉(皮付き)を熱湯で20分茹でて火を通し、取り出して皮目の水分をよく拭き取る。竹串などで皮全体に細かく穴をあけ、塩3gをすり込み、米酢10mlを皮目に塗って冷蔵庫で1時間以上(できれば一晩)乾燥させる。
フライパンに揚げ油300mlを入れて180℃に熱し、皮目を下にして豚バラ肉を入れ、皮がパリッと膨れてきつね色になるまで7〜8分揚げる。油を切って粗熱を取り、薄切りにする。
ピーナッツは低温の油で揚げ焼きにして冷ましておく。米粉は表示どおり水で戻すか、沸騰した湯で表示時間茹でて水気を切る。
米粉を熱湯で30秒〜1分ほどさっと温め直し、器に盛る。鹵水を大さじ3〜4杯(45〜60ml)ずつ回しかけ、全体をよく和える(これが干捞の食べ方)。
卤牛肉・锅烧・ピーナッツ・酸豆角・万能ねぎ・パクチーをのせ、お好みでラー油をかけて完成。残った鹵水は、別添えのスープとして少量注いでもよい。
本場と日本の違い
- 桂林米粉の主役は、漢方の香辛料をじっくり煮出した鹵水というたれそのもの。螺蛳粉の強烈な酸味・発酵臭や、老友粉の酸味と辛味の効いた濃い味付けとは対照的に、素材の香りを活かした上品であっさりした味わいが持ち味。
- 本来の食べ方は汁をたっぷり張らないスタイルで、少量の鹵水を米粉に絡めて和える「干捞(汁なし)」が基本形。日本の中華料理店ではスープをたっぷり張って提供される例も見かけるが、本場ではスープは別添えか香り付け程度にとどめることが多い。
- 锅烧と呼ばれるパリパリに揚げた豚の皮付き肉が欠かせないトッピングで、日本ではあまり見かけない独特の食感が特徴。専門店では豚肉を茹でる際に桂林三花酒(アルコール度数の高い地元の米焼酎)を使って臭みを取ることもあるが、家庭では省略しても問題ない。
参考ページ(写真)
下厨房の「桂林米粉(含卤水配方)」レシピページに、鹵水を煮出す様子や牛肉を薄切りにする手順の写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/1078918/
代用可能な食材
- 沙姜→生姜(風味はやや軽くなる)
- 牛肉→豚肉でも代用可(本場でも牛肉版・豚肉版の両方が存在する)
- 米粉→太さの近い江西米粉(直径2.2mm)、なければビーフン
- 锅烧(豚バラの皮付き肉)→入手困難な場合は市販の焼豚やパリパリ食感の豚皮スナックで代用可(食感はやや変わる)
- 老抽→なければ生抽をやや多めに使い、砂糖でコクを補う(色は薄くなる点に留意)
保存・アレンジのコツ
- 本場では鹵水を使い込むほど旨味が増す「老卤(ラオルー)」という考え方がある。残った鹵水はざるで漉して冷蔵(3〜4日)または冷凍で保存し、次回ゆで卵や豚肉を漬け込むのに使い回すと本場に近い深いコクが育っていく。
- 锅烧は多めに作って冷凍しておき、食べる直前にオーブントースターやフライパンで軽く温め直すと、パリパリの食感が復活する。
- 辛いものが欲しい場合はラー油や粉唐辛子を別添えにして、あっさりした鹵水のベースを崩さずに好みで調整するのがおすすめ。
出典
- 中国日报网「火炎:桂林米粉,一个与战争相关的传说」
- 中文維基百科「桂林米粉」
- 広西途趣旅遊網「嗦粉在广西:桂林米粉、柳州螺蛳粉、南宁老友粉,你站哪一派?」
- 下厨房「桂林米粉(含卤水配方)」レシピ
- 下厨房「桂林米粉(干捞粉)」レシピ
- 美食天下「桂林米粉的做法」レシピ
- 搜狐「桂林米粉脆皮锅烧的做法窍门」
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。