家常菜・家庭の定番おかず油条

油条レシピ本場中国式の配合を徹底解説

白い皿にのせた2本つながりのきつね色の油条と、白い豆乳の碗のイラスト
地域
家常菜(全国区の朝食)
分量
2人分、油条約8本分
公開

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揚げたてはサクッと香ばしく、中は空洞でふわふわ。豆乳(豆浆)やお粥と一緒に食べる油条は、中国の朝食文化を代表する一品だ。屋台で職人が生地を伸ばし、二本重ねてひねり、熱々の油に投げ入れる光景は、中国の朝の風物詩でもある。

この油条には「油炸桧」といういわくつきの異名がある。南宋時代、奸臣・秦桧が妻の王氏と結託し、忠臣・岳飛を無実の罪で死に追いやったことに、臨安(現在の杭州)の民衆は激怒した。屋台の商人たちがその怒りを表すため、二つの生地を秦桧夫婦に見立てて絡ませ、熱い油で揚げて食べたのが「油炸桧(秦桧を油で揚げる)」の始まりだという伝説が広く語り継がれている。

もっとも、歴史研究者の間では、この説は後世に作られた「戯説」に過ぎないとの見方も根強い。実際には、油条によく似た揚げ菓子はすでに南北朝時代の農書『斉民要術』に製法が記録されており、当時は「寒具」と呼ばれ、現在の油条というより麻花(揚げねじり菓子)に近いものだったと考えられている。つまり油条の正確な起源は今なお謎に包まれたままなのだ。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した本場の配合と手順、そして日本版との違いを解説します。

本場式の配合

材料(2人分、油条約8本分)

  • 薄力粉または中力粉250g
  • 水(ぬるま湯、30℃程度)150ml
  • ベーキングパウダー(アルミフリー)4g(小さじ1)
  • 重曹2g(小さじ1/2)
  • 塩3g(小さじ1/2)
  • 砂糖4g(小さじ1)
  • 卵1/2個(約25g)
  • サラダ油(生地用)10ml(小さじ2)
  • 揚げ油フライパンに深さ3cm程度600ml

作り方

  1. ボウルに薄力粉・ベーキングパウダー・重曹・塩・砂糖を入れて泡立て器でよく混ぜる。

  2. 溶き卵とサラダ油(生地用)を加え、ぬるま湯を数回に分けて加えながら菜箸でまとめ、粉気がなくなったら手でひとまとめにする。

  3. 生地を台の上に取り出し、掌の付け根で押しては折りたたむ動作を2〜3分繰り返す(「揣面」という工程)。

  4. ラップをかけて常温で20分休ませたあと、再度1分ほどこね直す。

  5. ラップまたは保存容器に入れ、冷蔵庫で8時間(できれば一晩)低温発酵させる。

  6. 生地を厚さ1cm、幅10cmの帯状に伸ばし、幅2cmの短冊状に切り分ける。

  7. 2枚を重ね、菜箸で中央を縦に押して溝をつけ、両端を軽く持って長さ方向に2倍程度伸ばす。

  8. 揚げ油を180℃に熱し、生地を入れたら菜箸で絶えず転がしながら2〜3分、表面が均一な金色になるまで揚げる。

本場と日本の違い

  • 日本ではあまり家庭で作られることのない油条だが、本場中国では朝食の屋台の定番中の定番で、豆乳と組み合わせて食べるのが黄金コンビとされる。
  • 生地にはベーキングパウダーと重曹を併用し、さらに冷蔵庫で8時間低温で生地を寝かせることで、揚げたときに大きな空洞とサクサク感が生まれる。日本の「揚げパン」のようにイーストだけで発酵させる作り方とは工程が大きく異なる。
  • 本場では2枚の生地を重ねて揚げることで中央に空洞ができ、外はカリッと中はふわふわの独特の食感になる。1本の生地をそのまま揚げる日本の揚げパンとは断面の構造そのものが違う。
  • 中国では油条は単体で食べるのではなく、豆乳に浸したり、お粥に添えたり、ときには焼餅(シャオビン)に挟んで「煎饼果子」のように食べるなど、他の主食と組み合わせるのが前提の料理。
  • かつてはミョウバン(明矾)を使う製法が主流だったが、アルミニウム摂取への懸念から、近年の家庭レシピではアルミフリーのベーキングパウダーと重曹の組み合わせに置き換わっているのも本場の最近の変化。

参考ページ(写真)

下厨房の「炸油条(十几年专业师傅配方超详细)」レシピページに、生地作りから成形、油で揚げるまでの手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/107011906/

代用可能な食材

  • 薄力粉→中力粉でも代用可能。強力粉を使うと生地が締まりすぎて膨らみにくくなるので避ける。
  • ベーキングパウダー+重曹→ホットケーキミックス(膨張剤入り)で簡易的に代用も可能だが、風味と空洞のでき方は本来のレシピにやや劣る。
  • 揚げ油→サラダ油のほか、米油やピーナッツ油でも代用可能。

保存・アレンジのコツ

  • 揚げたては冷めるとしんなりするため、できるだけ揚げたてを食べるのがベスト。
  • 余った場合は冷凍保存し、食べる際は予熱したオーブントースターで3〜4分温め直すとサクサク感が戻りやすい。
  • 中国式の朝食を再現するなら、無糖の豆乳に軽く浸しながら食べるのが定番の組み合わせ。お粥に添えても相性が良い。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。