広西料理・桂菜阳朔啤酒鱼

陽朔啤酒魚レシピ本場広西・陽朔の配合を徹底解説

鍋の中でうろこ付きの魚の切り身をトマト、唐辛子、青菜と煮込んだ陽朔啤酒魚のイラスト
地域
桂菜(広西・陽朔)
分量
2〜3人分
公開

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魚のうろこを取らずに焼き、ビールで煮る。桂林から漓江を下った先の観光地・陽朔の名物「啤酒魚(ビール煮の魚)」は、一見すると乱暴な調理法だが、焼き付けたうろこがカリッと香ばしく、そのまま食べられるのが魅力だ。

意外なのは、この料理の歴史がとても新しいこと。旅行地理学の論文「旅游目的地饮食原真性再造:以阳朔西街啤酒鱼为例」では、観光業が発展する前の陽朔には啤酒魚は存在しなかったという地元の声が紹介され、よそから来た旅行者の魚鍋にビールがこぼれたことがきっかけになったという逸話も記されている。一方、騰訊新聞の記事によれば、1993年、白沙鎮出身の謝桂蘭(通称・謝大姐)が、観光バスの運転手たちを相手にした屋台で、漓江の魚の黄焖(醤油煮)が煮詰まりすぎる問題を解決しようと、客の提案でビールを加えたのが始まりだという。起源には諸説あるが、観光地・陽朔の成長とともに生まれた料理であることは共通している。

欠かせないのは漓江の魚と、広西の地元ビール。地元では「漓江の水で育った魚でなければ本物の啤酒魚は作れない」とまで言われ、鯉を開いて鉄鍋で焼き、トマトやピーマンと一緒にビールで煮込む。広西料理(桂菜)らしい、酸味と唐辛子の辛さが効いた一皿だ。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(2〜3人分)

魚と下味

  • 鯉うろこを付けたまま、エラと内臓を除いたもの1尾(約1kg)
  • 塩3g(小さじ1/2程度)
  • 黄酒または日本酒15ml
  • 生姜(薄切り)15g

煮込み

  • サラダ油60ml
  • にんにく(薄切り)20g(4片)
  • 八角1個
  • 花椒1g
  • 小米辣(小口切り)3本(5g)
  • トマト(くし切り)2個(300g)
  • ピーマン(乱切り)3個(100g)
  • ビール(淡色のラガー)330ml
  • 醤油30ml
  • オイスターソース15ml
  • 砂糖15g
  • ニラ(4cm長さ)20g

作り方

  1. 鯉はうろこを取らずに、背側から包丁を入れて開き、二枚に割る。背骨の両脇にある白い筋(腥線)を引き抜くと臭みが減る。キッチンペーパーで水気をしっかりふく。

  2. 身の面に塩3g・黄酒15mlをすり込み、生姜の半量をのせて20分置く。焼く前に再度水気をふき取る。

  3. 大きめのフライパン(または鉄鍋)にサラダ油60mlを中火で熱し、残りの生姜を入れる。鯉をうろこ側を下にして入れ、動かさずに5〜6分焼く。うろこが縮れて黄金色になったら裏返し、身の面も3分焼く。

  4. 鯉を鍋の端に寄せ、空いたところでにんにく・八角・花椒・小米辣を30秒炒めて香りを出す。トマトとピーマンを加えて1分炒める。

  5. ビール330mlを、一度に注がず鍋肌に沿って魚の周りから少しずつ回し入れる。醤油30ml・オイスターソース15ml・砂糖15gを加える。

  6. 強火で煮立てたら中火にし、蓋をして8〜10分煮る。途中で数回、煮汁を魚にかける。

  7. 蓋を取り、煮汁が半量ほどになるまで2〜3分煮詰める。ニラを散らし、鍋ごと食卓に出す。

本場と日本の違い

  • 最大の特徴は「うろこを取らない」こと。本場では開いた鯉をうろこ付きのまま焼き付け、カリッとしたうろこごと食べる。日本の魚料理の感覚からは驚かれるが、うろこが油で揚げ焼きになり、香ばしさと食感のアクセントになる。
  • 日本では魚のビール煮はあまりなじみがないが、陽朔ではビールは臭み消しの酒というより煮汁そのもの。煮詰まるとビールの苦みが飛び、麦の香りと甘みだけが残る。
  • 本場で使うのは漓江で育った鯉などの川魚。参照したレシピでも1kg前後の鯉を丸ごと開いて使っており、鉄鍋で焼いてそのまま煮込み、鍋ごと食卓に出す。
  • 味付けはトマトの酸味と小米辣の辛さが軸。日本の甘辛い煮魚とは違い、酸っぱ辛く、ご飯よりもビールが進む味わいだ。

参考ページ(写真)

下厨房の「媲美餐厅的家庭版桂林阳朔啤酒鱼」レシピページに、うろこ付きの鯉を開いて焼き付ける工程から仕上がりまでの写真が掲載されています。

(https://m.xiachufang.com/recipe/104312376/)

代用可能な食材

  • 鯉:日本では入手しにくいため、真鯛・スズキ・イサキなどうろこの細かい白身魚1尾(約800g〜1kg)で代用できる。うろこの硬い魚は、うろこを取って皮目をしっかり焼けばよい。
  • 小米辣:生の青唐辛子や鷹の爪2本で代用可(辛さは控えめになる)。
  • ビール:広西の地元ビールが手に入らなければ、国産の淡色ラガーで問題ない。黒ビールやIPAは苦みが強く出るので避ける。
  • 花椒:なくてもよいが、入れると香りに奥行きが出る。

保存・アレンジのコツ

  • 魚料理なので作りたてを食べきるのが基本。残った場合は身をほぐして煮汁ごと冷蔵し、翌日までに食べる。
  • 本場では焼いた油豆腐(揚げ豆腐)を一緒に煮込むこともある。厚揚げ150gを焼いてから手順5で加えると、煮汁を吸ってご飯のおかずにもなる。
  • 残った煮汁は、ゆでた米粉(ビーフン)にからめて食べるとよい。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。