ペルー中華(チーファ)Tallarín saltado

タジャリン・サルタード(ペルー式焼きそば)レシピペルー中華(チーファ)の配合を徹底解説

皿に盛った中華麺と鶏肉、赤玉ねぎ、赤パプリカ、さやえんどう、もやしの炒め麺のイラスト
地域
ペルー中華(チーファ)
分量
2人分
公開

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ペルーの中華料理店「チーファ」で、チャーハン(アロス・チャウファ)と人気を二分するのが、タジャリン・サルタード。「タジャリン(tallarín)」はスペイン語で細長い麺、「サルタード(saltado)」は"炒めた"という意味で、直訳すれば「炒め麺」。中華麺を鶏肉と野菜と一緒に強火で炒め、オイスターソースと醤油のとろりとしたたれでまとめる、ペルー式の焼きそばです。

ペルー政府観光促進機関(PromPerú)の情報サイトPerú.infoによれば、19世紀半ばに鉄道・綿花やサトウキビの農園・グアノ(肥料用の海鳥のふん)採掘の労働者としてペルー沿岸に渡った中国系移民が、醤油やしょうが(ペルーでは「キオン」)、さやえんどう(「オランタオ」)などの食材を持ち込み、やがて飲食業に進出して、ペルーの味付けとの融合を続けました。中華鍋で野菜と肉を一気に炒める「サルテアード(炒め)」はチーファの看板技法となり、タジャリン・サルタードはその代表作。アロス・チャウファと一皿に盛り合わせた「コンビナード(盛り合わせ)」も定番です。

おもしろいのは、ペルーには"中華式"と"クリオーヨ(ペルー在来)式"の2種類のタジャリン・サルタードがあること。クリオーヨ式は、国民食ロモ・サルタードと同じく牛肉・トマト・赤玉ねぎ・黄唐辛子を酢で炒めて麺と合わせる別系統の料理です。今回はチーファで出てくる中華式を取り上げます。

ここから先は、ペルーのスペイン語レシピを比較して割り出した、ペルー式の配合と手順を解説します。

ペルー式の配合

材料(2人分)

鶏肉と下味

  • 鶏むね肉1cm幅×5cm長さの細切り200g
  • 醤油小さじ1(6g)
  • 黒こしょう0.3g(小さじ1/8弱)
  • 片栗粉小さじ2(6g)

麺・野菜

  • 焼きそば用蒸し麺2玉(300g)
  • サラダ油大さじ2(30ml)
  • しょうが(せん切り)1かけ(5g)
  • にんにく(みじん切り)1片(5g)
  • 赤玉ねぎ(くし切り)1/2個(80g)
  • 赤パプリカ(細切り)1/2個(60g)
  • 白菜(ざく切り)100g
  • さやえんどう(筋を取る)40g
  • もやし80g
  • 青ねぎ(4cm長さに切る)2本(20g)

たれ

  • オイスターソース大さじ1と1/2(27g)
  • 醤油大さじ1(18g)
  • 砂糖小さじ1/2(2g)
  • 塩1.5g(小さじ1/4)
  • 鶏ガラスープ(無塩)100ml
  • 水溶き片栗粉片栗粉小さじ2(6g)
    +水大さじ1(15ml)
  • ごま油小さじ1(5ml)

作り方

  1. 鶏肉に醤油小さじ1・黒こしょうをもみ込み、片栗粉小さじ2をまぶして5分置く。

  2. たれのオイスターソース・醤油大さじ1・砂糖・塩・鶏ガラスープ100mlを混ぜておく。

  3. 蒸し麺は袋ごと電子レンジ(600W)で1分温めてほぐす。中華鍋にサラダ油大さじ1/2(7ml)を強火で熱し、麺を広げて1分焼き付け、返してさらに1分焼いて取り出す。

  4. サラダ油大さじ1(15ml)を足し、鶏肉を強火で3〜4分、色が変わって火が通るまで炒めて取り出す。

  5. 残りのサラダ油(8ml)を熱し、しょうが・にんにくを30秒炒める。赤玉ねぎ・赤パプリカ・白菜の芯を加えて1分、白菜の葉・さやえんどうを加えて30秒炒める。

  6. 鶏肉を戻し、2のたれを回し入れて煮立たせる。水溶き片栗粉を少しずつ加えて1分混ぜ、軽くとろみをつける。

  7. 3の麺・もやし・青ねぎを加え、たれを麺に吸わせるように強火で1分炒め合わせる。仕上げにごま油を回しかけて火を止める。

本場と日本の違い

  • 日本のソース焼きそばとは味の軸が違う:ソース焼きそばはウスターソース系の甘辛さが主役。タジャリン・サルタードはオイスターソース+醤油で、ソースではなく"中華の炒め物のたれ"で麺を炒める。
  • あんかけ焼きそばと、広東の豉油皇炒麺の中間:たれに軽くとろみをつけて麺にからめるため、麺はしっとり。日本の五目あんかけ焼きそばほどあんが多くなく、広東・香港の醤油焼きそば(豉油皇炒麺)ほど乾いてもいない。ペルーの有名シェフ、ガストン・アクリオのレシピでも「子どもの頃に食べた、少ししっとりした仕上がり」を目指したと紹介されている。
  • 野菜の組み合わせがペルー流:赤玉ねぎ・赤パプリカが入るのはペルーらしさ。白菜・チンゲン菜・ブロッコリー・さやえんどう・もやしなど、店によって中華野菜を自由に組み合わせる。
  • "クリオーヨ式"は別の料理:クリオーヨ式タジャリン・サルタードは牛肉・赤玉ねぎに、トマト・アヒ・アマリージョ(黄唐辛子)・酢・パクチーを使う、ロモ・サルタードの麺版ともいえる味わい。

参考ページ(写真)

Buenazo(ペルーのレシピメディア)のチーファ風タジャリン・サルタードのレシピページに、手順写真と仕上がりの写真が掲載されています。

(https://buenazo.pe/recetas/platos-de-fondo/tallarin-saltado-tipo-chifa-como-prepararlo-64)

代用可能な食材

  • 焼きそば用蒸し麺:中華生麺260gを表示時間より30秒短くゆでて、水気をよく切って使ってもよい
  • 赤玉ねぎ:普通の玉ねぎで代用可
  • 白菜:チンゲン菜やキャベツで代用可
  • 鶏むね肉:牛肉(タジャリン・サルタード・デ・カルネ)、豚肉、むきえびでも作れる

保存・アレンジのコツ

  • 麺がたれを吸ってのびやすいので作りたてが一番。残った場合は冷蔵で翌日までに食べきる
  • 麺を多めの油で揚げ焼きにしてカリカリにし、具とたれを上からかけるとかた焼きそば風になる(ペルーのレシピでも、麺を揚げてカリッとさせる食べ方が紹介されている)
  • 同量のアロス・チャウファと一皿に盛り合わせれば、チーファの定番「コンビナード」になる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。