ペルー中華(チーファ)Kam lu wantán

カム・ルー・ワンタンレシピペルー中華(チーファ)の配合を徹底解説

揚げワンタンにパイナップル、トマト、玉ねぎ入りの赤い甘酢あんをかけた皿のイラスト
地域
ペルー中華(チーファ)
分量
2人分
公開

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カリッと揚げたワンタンの上に、鶏肉・えび・焼豚・パイナップル・パプリカ・さやえんどうを炒め合わせた、つやつやの甘酸っぱいあんをたっぷり。カム・ルー・ワンタンは、ペルーのチーファ(中華料理店)の人気メニューです。見た目は日本の酢豚と揚げワンタンを合体させたようですが、あんの酸味の正体はタマリンド。ペルーではこのあんを「タマリンドソース」と呼び、チーファの味を象徴する甘酢だれのひとつになっています。

ワンタン(wantán)自体は広東料理から来たものですが、スペイン語版ウィキペディアは、ペルーの作家で食文化研究家のロドルフォ・イノストローサが2006年の著作で「この料理はペルーで生まれた」と記していることを紹介しています。ペルーのニュースサイトInfobaeは、19世紀半ばに契約労働者(クーリー)として渡った広東系移民にさかのぼる料理として、差別と過酷な労働の歴史とともにその背景を伝えています。

「カム・ルー」という響きは広東語に由来するとされ、ニューヨークで活動するペルー人シェフは「甘酸っぱいソースのスタイルを指す言葉」だと説明しています。海外華人向けニュースサイト「華人頭条」はこの料理を「錦滷雲呑」と漢字で表記しており、実際、広東や香港には、揚げワンタンに叉焼・えび・パイナップルなどの甘酢あんをかける同名の古い宴席料理があります(東方日報・HK01)。ただ、ペルーの料理と直接つながることを示す資料は見つからず、語源は確定できていません。

ここから先は、ペルーのスペイン語レシピを比較して割り出した、ペルー式の配合と手順を解説します。

ペルー式の配合

材料(2人分)

ワンタン(16個)

  • ワンタンの皮16枚
  • 豚ひき肉80g
  • しょうが(みじん切り)2g
  • 青ねぎ(青い部分・小口切り)5g
  • 卵白1/2個分(15g)
  • 片栗粉小さじ1(3g)
  • 醤油小さじ1/2(3g)
  • ごま油小さじ1/4(1ml)
  • 水(皮をとめる用)大さじ1(15ml)
  • 揚げ油500ml

具

  • 鶏むね肉5mm厚のそぎ切り120g
  • 鶏肉の下味にんにく(すりおろし)1/2片(3g)、片栗粉小さじ1(3g)醤油小さじ1(6g)
  • むきえび8尾(100g)
  • 焼豚(チャーシュー、薄切り)60g
  • パイナップル(缶詰、輪切り)1枚を6等分2枚(70g)
  • 赤パプリカ(2cm角)1/2個(60g)
  • さやえんどう(筋を取る)40g
  • 青ねぎ(白い部分、4cm長さ)3本分(20g)
  • しょうが(せん切り)1かけ(5g)
  • サラダ油大さじ1(15ml)

タマリンドソース

  • タマリンドペースト大さじ1(18g)
  • トマトケチャップ大さじ3(45g)
  • 砂糖大さじ2と1/2(22g)
  • 米酢大さじ1(15ml)
  • 醤油小さじ2(12g)
  • 塩1.5g(小さじ1/4)
  • パイナップル缶のシロップ大さじ2(30ml)
  • 鶏ガラスープ(無塩)150ml
  • 水溶き片栗粉片栗粉大さじ1(9g)
    +水大さじ2(30ml)
  • ごま油小さじ1/2(2ml)

仕上げ

  • 白いりごま小さじ1(3g)

作り方

  1. ワンタン:豚ひき肉・しょうが・青ねぎ・卵白・片栗粉小さじ1・醤油小さじ1/2・ごま油をよく練り混ぜる。皮の中央に小さじ1(約7g)ずつのせ、縁に水を塗って三角に折り、両端を重ねてとめる。

  2. 揚げ油を170℃に熱し、ワンタンを8個ずつ入れて2〜3分、きつね色でカリッとするまで揚げて網に上げる。

  3. 鶏肉に醤油小さじ1・にんにく・片栗粉小さじ1をもみ込む。タマリンドソースの材料のうち、水溶き片栗粉とごま油以外をすべて混ぜ、タマリンドペーストをよく溶かしておく。

  4. 中華鍋にサラダ油大さじ1を強火で熱し、鶏肉を2分炒める。えびを加えてさらに1分、色が変わるまで炒める。

  5. しょうが・青ねぎの白い部分・赤パプリカ・さやえんどうを加えて1分炒め、焼豚とパイナップルを加えてさっと混ぜる。

  6. 3のソースを回し入れて煮立たせ、1分煮る。水溶き片栗粉を少しずつ加えて混ぜ、つやが出てとろりとしたら、ごま油を回しかけて火を止める。

  7. 皿に揚げたワンタンを並べ、6のあんをたっぷりかけて白いりごまを散らす。ワンタンがしんなりしないうちに食べる。

本場と日本の違い

  • 日本の酢豚との違い:日本の酢豚は豚肉が主役で、ケチャップや黒酢の甘酢あん。カム・ルー・ワンタンは鶏・えび・焼豚を少しずつ合わせる"五目"の具で、揚げワンタンを土台にし、ケチャップにタマリンドの酸味を重ねるのがペルー流。パイナップルが必ず入るのも特徴。
  • 日本の揚げワンタンの甘酢あんかけとの違い:日本の中華料理店にも揚げワンタンに甘酢あんをかける料理はあるが、あんの具は少なめなことが多い。カム・ルー・ワンタンは具とあんが主役級で、ワンタンは"カリカリの土台"という位置づけ。
  • タマリンドソースは店によって中身が違う:本物のタマリンドペーストを使うレシピもあれば、Infobaeのレシピのようにケチャップ・酢・砂糖だけで"タマリンドソース"と呼ぶものもある。今回は両方の要素を合わせ、酸味に奥行きを出した。
  • 香港の「錦滷雲呑」との比較:広東・香港の錦滷雲呑は、もとは婚礼の宴席料理で、甘酢(甜酸)が「添孫(孫に恵まれる)」に通じる縁起物とされた。ワンタンは平たく包み、正統派は餡に叉焼1粒だけ。あんは水・白酢・ケチャップ・砂糖が基本で、叉焼・えび・いか・ホタテなどを合わせる。ペルー版はここにタマリンドの酸味が加わるのが大きな違い。
  • ワンタンの餡は"少なめ"が正解:スープ用のワンタンと違い、揚げて土台にするため、餡は小さじ1程度と少なめにして皮のカリカリ感を生かす。

参考ページ(写真)

ペルーの料理家セシリア・トゥパックのカム・ルー・ワンタンのレシピページに、仕上がりの写真が掲載されています。

(https://www.ceciliatupac.com/post/kam-lu-wantan)

代用可能な食材

  • タマリンドペースト:アジア食材店・輸入食材店で入手可。なければ黒酢大さじ1+梅干し(果肉を叩いたもの)5gで酸味の奥行きを補う
  • 焼豚:省くか、ロースハム60gで代用可
  • さやえんどう:スナップえんどうやピーマンで代用可
  • ワンタンの皮:市販の揚げワンタン(おつまみ用)を使ってもよい

保存・アレンジのコツ

  • 揚げたワンタンは密閉容器で常温1日保存可能。あんは冷蔵で2日保存でき、食べる直前に温めてかける
  • あんに缶詰の黄桃やうずらの卵(水煮)を加えると、ペルーのレシピにも見られる華やかな仕上がりになる
  • ワンタンの代わりに揚げた鶏肉にこのあんをかけると、チーファの「ポジョ・コン・タマリンド(鶏のタマリンドソース)」風になる

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。