広西料理・桂菜酸嘢

酸嘢(広西式フルーツ甘酢漬け)レシピ本場広西・南寧の配合を徹底解説

白い器の漬け汁に浸したマンゴー、パイナップル、大根、きゅうりと、粉唐辛子のイラスト
地域
桂菜(広西・南寧)
分量
作りやすい分量
公開

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青いマンゴー、パイナップル、スモモ、大根、れんこん。広西チワン族自治区の区都・南寧で、こうした季節の果物や野菜を甘酢に漬けて売っているのが「酸嘢(サンイェ)」だ。「嘢」は広東語や広西の方言で「もの」を意味する字で、酸嘢は文字どおり「酸っぱいもの」。甘酢と唐辛子に漬けた果物を、さらに唐辛子塩につけて食べる。

南寧のテレビ局・南寧網絡広播電視台の記事によれば、酸嘢はもともと果物や野菜を保存するための方法として生まれ、明代の旅行家・徐霞客の『徐霞客遊記』にも広西・邕州(現在の南寧)の酸嘢についての記述が残るという。新浪財経の記事は、かつての邕州は高温多湿で「瘴気」の土地とされ、酸味が消化を助け食欲を増すものとして重宝されたと解説している。2023年には「南寧酸嘢制作技芸」が第九批の自治区級非物質文化遺産に登録された。

いまや酸嘢は南寧の顔となり、全国に130店以上を展開する専門チェーンや、食品安全の地方基準づくりが進むほどの産業に育っている。当サイトで紹介した広西の檸檬鴨(レモンダック)の味の決め手「四酸」も、この酸嘢文化の一部だ。

ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場の配合

材料(作りやすい分量・漬け汁600ml分)

漬け汁

  • 白酢(穀物酢)300ml
  • 水300ml
  • 氷砂糖90g
  • 塩4g(小さじ2/3程度)

具材

  • 大根300g
  • きゅうり1本(100g)
  • 塩(塩もみ用)8g
  • 青いマンゴー(未熟で硬いもの)皮と種を除いて200g1個
  • パイナップル(皮と芯を除いたもの)200g
  • 小米辣(小口切り)5本(10g)
  • にんにく(薄切り)3片(15g)

辣椒塩(つけ塩)

作り方

  1. 鍋に水300ml・白酢300ml・氷砂糖90g・塩4gを入れて火にかけ、氷砂糖が溶けて沸騰したら火を止める。完全に冷ましておく。

  2. 大根は皮をむき、1cm角・長さ5cmの棒状に切る。きゅうりは縦4つ割りにして5cm長さに切る。合わせて塩8gをまぶし、30分置く。

  3. 出てきた水分を捨て、大根ときゅうりを手で軽く絞る(水洗いはしない)。

  4. 青いマンゴーは皮をむいて種を除き、1cm厚さのスティック状に切る。パイナップルは2cm角に切る。

  5. 煮沸消毒した保存容器に、大根・きゅうり・マンゴー・パイナップル・小米辣・にんにくを入れ、1の漬け汁を具材がかぶるまで注ぐ。

  6. ラップを密着させて蓋をし、冷蔵庫で一晩(8時間以上)漬ける。

  7. 辣椒塩の材料を混ぜて小皿に盛る。酸嘢を器に盛り、辣椒塩をつけながら食べる。

本場と日本の違い

  • 日本の甘酢漬けやピクルスは野菜が中心だが、酸嘢の主役は果物。青いマンゴー、パイナップル、スモモ、桃、パパイヤなど、その季節の果物を漬ける。野菜ではキャベツ、れんこん、大根などもよく使われる。
  • 唐辛子を必ず効かせるのも特徴。漬け汁に小米辣を入れるだけでなく、食べるときに粉唐辛子と塩を合わせた辣椒塩をつける。「酸・甜・香・辣・脆(酸っぱい・甘い・香り・辛い・歯ごたえ)」がそろうのが良い酸嘢とされる。
  • 本場の屋台では、スモモを木の板で叩き割ってその場で砂糖・醤油・粉唐辛子・パクチー・塩と和える「作りたて」の酸嘢もある。長く漬けるより、新鮮な果物をさっと漬けて歯ごたえを残すのが南寧流だ。

参考ページ(写真)

下厨房の「腌制萝卜酸嘢/青瓜酸嘢/木瓜酸嘢…」レシピページに、野菜や果物の切り方から漬け込みまでの手順写真が掲載されています。

(https://m.xiachufang.com/recipe/105959016/)

代用可能な食材

  • 青いマンゴー:手に入らなければ、硬めの青パパイヤや青りんご200gで代用できる。熟したマンゴーは柔らかくなりすぎるので避ける。
  • 小米辣:生の青唐辛子や鷹の爪3本で代用可。
  • 氷砂糖:上白糖90gで代用可(味の角がやや立つ)。
  • 白酢:米酢でも作れる。黒酢は色と香りが強く出るので向かない。

保存・アレンジのコツ

  • 野菜は冷蔵で1週間ほど保存でき、日が経つほど酸味が強くなる。果物は柔らかくなりやすいので2〜3日で食べきる。
  • 漬け汁は同じ比率(酢1:水1)で、キャベツ、れんこん、にんじん、青パパイヤなどにも使える。果物と野菜は別の容器に分けると、果物の食感が長持ちする。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。