北京天津料理・京津菜涮羊肉

涮羊肉(北京しゃぶしゃぶ)レシピ本場北京の配合を徹底解説

湯気の立つ銅の鍋を囲んで羊肉の薄切り、白菜、春雨、ごまだれが並ぶ涮羊肉のイラスト
地域
京津(北京)
分量
2人分
公開

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銅鍋からもうもうと立ち上る湯気、薄く切られた羊肉、そして芝麻醤(練りごま)ベースの濃厚なタレ。日本でも冬になると北京式火鍋の専門店に行列ができるほど人気が高まっている涮羊肉だが、その起源には諸説あり、どれも歴史ロマンに満ちている。最も有名なのは元世祖・忽必烈(フビライ)説。南下の遠征中に空腹となった忽必烈のために、料理人が羊肉を薄く切って熱湯に数秒くぐらせる調理法を考案し、戦場で時間を節約できるこの食べ方が広まったという逸話だ。

もう一つ興味深いのが道士・丘処機(1148〜1227年)にまつわる説。成吉思汗(チンギス・ハン)の西征に随行した際、兵士たちが鉄兜を鍋代わりにして羊肉を薄切りで調理し、丘処機が偶然見つけた野生のニラの花(韭菜花)をタレとして使ったとされている。さらに、成吉思汗の孫・拔都(バト)が行軍の速さを重視して羊肉を薄切りにし塩で食べる方法を広めたという説もある。考古学的には遼代(10〜12世紀)の墓の壁画に火鍋らしき器具が描かれており、モンゴル時代よりも前から涮の食文化があった可能性も指摘されている。今の銅鍋文化は、西域からイスラム商人がもたらした銅製器具の影響が大きいとされる。

ここから先は、実際に中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭で作れる本場の配合と手順を公開する。

本場式の配合

材料(2人分)

清湯鍋底(スープ)

主役の具材

  • 羊肉しゃぶしゃぶ用薄切り、もも肉または肩ロース400g
  • 白菜、春菊、豆腐、きのこ類などお好みの具材お好みで調整可合わせて400g程度

芝麻醤ダレ(ごまだれ)

  • 芝麻醤練りごま、なければ練りごま+ピーナッツバター少量36g(大さじ2)
  • 蚝油オイスターソース6g(小さじ1)
  • 生抽5g(小さじ1)
  • 韭菜花なければ刻んだニラ大さじ1+塩ひとつまみで代用15g(大さじ1)
  • 腐乳(潰す)8g(1/2個)
  • ラー油小さじ1、お好みで5g
  • 白ごま3g(小さじ1)
  • 水または羊肉のゆで汁大さじ2、のばし用30ml
  • 香菜(刻む)お好みで5g程度

作り方

  1. 鍋に水2000ml・長ねぎ・生姜・乾燥なつめ・クコの実・干しエビ・八角・花椒・香葉を入れ、強火で沸騰させたら弱火で10分ほど煮出す。

  2. 大根を加えてさらに10分煮て、塩20gを加えて味を調える(このスープが涮羊肉の鍋底になる)。

  3. ボウルに芝麻醤・蚝油・生抽・韭菜花・腐乳・ラー油・白ごまを入れ、水または羊肉のゆで汁大さじ2を少しずつ加えながら滑らかになるまで練り混ぜ、香菜を散らしてタレを完成させる。

  4. 卓上コンロに鍋底のスープを移して火にかけ、沸騰させる。

  5. 羊肉の薄切りを菜箸でつまみ、スープに10〜20秒くぐらせて色が変わったらすぐに取り出す(火を通しすぎないのがポイント)。

  6. 白菜・春菊・豆腐・きのこなどの具材も好みでスープにくぐらせ、芝麻醤ダレをつけて食べる。

本場と日本の違い

  • 本場・北京では羊の炭火焼き用の銅鍋(涮羊肉専用の煙突付き鍋)を使うのが伝統だが、家庭では卓上コンロと普通の鍋で十分に近い体験ができる。
  • 本場のタレは韭菜花(ニラの花の塩漬け発酵調味料)が決め手だが、日本ではほぼ入手できないため、刻んだニラで代用すると風味の方向性だけは再現できる。
  • 日本のしゃぶしゃぶはポン酢やごまだれを別々に用意することが多いが、本場・北京式は最初から芝麻醤・蚝油・腐乳・韭菜花を一体化させた濃厚な合わせダレ一本で食べるのが特徴。

参考ページ(写真)

搜狐の「老北京铜锅涮羊肉做法(附芝麻酱蘸料比例)」記事に、老舗のタレ比率と仕込みの様子が紹介されています。 https://www.sohu.com/a/168408795_99964438

代用可能な食材

  • 韭菜花→刻んだニラ+塩ひとつまみ
  • 腐乳→白味噌小さじ1で代用可(風味は変わるがコクは近づく)
  • 羊肉→入手困難な場合は牛肉の薄切りで代用可(本場の風味からは離れる)

保存・アレンジのコツ

  • タレは冷蔵で3〜4日保存可能。作り置きして翌日以降のしゃぶしゃぶにも使い回せる。
  • 〆に鍋底のスープでうどんや春雨を煮ると、旨みを吸って美味しく食べられる。
  • 辛いのが好みなら、タレに追加でラー油や豆板醤を足すと自分好みの味に調整できる。

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。