広東料理・粤菜双皮奶

双皮奶レシピ本場広東・順徳の配合を徹底解説

白い器に入った膜の張った白い双皮奶と、上にのせた赤い豆のイラスト
地域
粤菜(広東・順徳)
分量
2人分
公開

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とろりと重なる二層の膜が特徴の広東デザート「双皮奶(スォンピーナイ)」。その名の通り、牛乳の膜を二重に作る技法が名前の由来です。

発祥の地は広東省順徳・大良の白石村。清朝末期、水牛を飼って牛乳菓子を作って生計を立てていた村人・董孝華(村では親しみを込めて「牛仔華」と呼ばれていた)が生み出したという言い伝えが広く伝わっています。当時は冷蔵設備もなく、搾りたての水牛乳が傷みやすいという課題を抱えていた董孝華は、牛乳を強火でしっかり加熱してから冷ますことを試みました。すると表面に「奶皮(乳膜)」ができることに気づき、そこから「この膜の上に、もう一枚膜を作ることはできないか」という発想が生まれます。

試行錯誤の末に完成したのが、加熱した牛乳の膜をいったん取り分け、卵白を加えた液を膜の下にそっと戻し入れて再び蒸すことで、上下二層の膜を作る技法でした。この「双皮(二枚の皮)」という構造こそが、この菓子の名前の由来となっています。

2018年には広東省の無形文化遺産にも認定され、いまも順徳を代表する水牛乳文化の象徴として親しまれています。

ここから先は、複数の中国語レシピを比較して割り出した本場の配合と手順、そして日本版との違いを解説します。

本場式の配合

材料(2人分)

  • 水牛乳なければ牛乳280ml+生クリーム70ml350ml
  • 卵白2個分(約65g)
  • グラニュー糖25g

作り方

  1. 水牛乳(または牛乳と生クリームを合わせたもの)を鍋に入れ、中弱火で軽く泡立つ程度(沸騰直前)まで温める。

  2. 温めた液を耐熱の器2つに均等に注ぎ、常温で20〜30分置いて表面に膜(奶皮)を張らせる。

  3. よく切れるナイフの先で、膜の縁に沿って10cmほどの切り込みを入れ、その隙間から下の液だけを別のボウルに静かに注ぎ出す(膜は器の底になるべく残す)。

  4. 移した液に卵白とグラニュー糖を加え、泡立てないようによく溶き混ぜてから茶こしで1回漉す。

  5. 切り込みを入れた器の隙間から、漉した液をゆっくりと静かに注ぎ戻し、膜を器の中で浮かせて表面に定着させる。

  6. 器にラップをかけるか蓋をして蒸し器に入れ、湯が沸いたら中弱火にして10〜12分蒸す。火を止めたあとも蓋を開けずに5分ほど蒸らす。

  7. 粗熱を取り、冷蔵庫で1時間以上冷やして完成。

本場と日本の違い

  • 使う乳の種類:本場・順徳では水牛乳(バッファローミルク、乳脂肪分が高い)を使うのが伝統的だが、日本では一般的な牛乳(ホルスタイン種)に生クリームを加えて代用するのが現実的。
  • 膜の作り方:本場は牛乳を加熱してできる膜をナイフで切り込みを入れて液だけを注ぎ出し、卵白液を戻し入れて表面にもう一枚膜を作る「二枚の皮」の技法が本質だが、日本の類似デザート(牛乳プリンなど)ではこの二段階の工程自体が省略されることが多い。
  • 甘さの控えめさ:本場のレシピは牛乳と卵白の風味を活かすため砂糖を控えめにするが、日本で提供される場合はやや甘めに仕上げる店も多い。
  • 食感へのこだわり:本場は蒸し加減にこだわり、なめらかでぷるんとした均一な口当たりを目指すが、家庭で簡易的に作ると気泡(す)が入りやすい。

参考ページ(写真)

下厨房の「双皮奶(科学方子:淡奶油兑牛奶以假乱真乳脂达到8%的水牛奶)」レシピページに、膜の作り方から蒸し上がりまでの手順写真が掲載されています。 https://m.xiachufang.com/recipe/100282114/

代用可能な食材

  • 水牛乳:牛乳280ml+生クリーム70mlの組み合わせで代用可(乳脂肪分を水牛乳に近づける工夫)
  • 卵白:卵1個分の卵白(約30g)を目安に、液量に合わせて調整可
  • グラニュー糖:上白糖や氷砂糖でも代用可(甘さの出方がやや変わる)

保存・アレンジのコツ

  • 蒸したては温かいまま、冷やせば冷たいデザートとして楽しめる二通りの食べ方がある
  • 冷蔵庫で2日程度保存可能。ラップをかけて乾燥を防ぐとよい
  • あずき、マンゴー、クコの実などをトッピングするアレンジも広東では一般的

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。