広東料理・粤菜煲仔饭
煲仔飯(広東式土鍋ご飯)レシピ本場広東の配合を徹底解説

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煲仔飯の主役は、上にのった腊腸(中華ソーセージ)だけではない。鍋底にこびりついた「飯焦(ファンジウ)」、つまりおこげこそが醍醐味だ。香港のホテルの料理長が教える煲仔飯のレシピでも、米の選び方や水加減と並んで「きれいな飯焦を作る」手順に紙幅が割かれている。
煲仔飯とは、小さな土鍋(煲仔)で米を炊き、炊き上がる直前に具をのせて蒸らし、甘めの醤油だれをかけて食べる広東の土鍋ご飯だ。広州の新聞「羊城晩報」によれば、陶製の鍋(瓦罉・瓦煲)で炊くご飯は古くから嶺南で親しまれ、清末から民国初期にかけて「煲仔飯」の名で呼ばれるようになり、広東・香港・マカオ一帯に広まったとされる。同紙は、順徳で産後の女性のために夜明け前(五更)に炊いた「五更飯」が起源だとする作家の説も紹介しているが、起源には諸説あるのが実情だ。
具の定番は、腊腸や腊肉などの塩漬け・干し肉類「腊味(ラーウェイ)」。2024年には広州市天河区で、老舗ブランドの「広式腊味煲仔飯」の製作技芸が区の無形文化遺産に登録された。
日本の釜飯や炊き込みご飯と似ているようで、米の種類も、味付けのタイミングも、おこげへのこだわりもまったく違う。ここから先は、中国語の複数レシピを比較して割り出した、家庭の土鍋で作れる本場の配合と手順を公開する。
本場の配合
材料(2人分)
豉油だれ(煲仔飯用の甘い醤油だれ)
作り方
米は軽く洗い、たっぷりの水に30分浸してからざるに上げ、しっかり水気を切る。腊腸は表面をさっと洗い、5mm厚の斜め切りにする。
小鍋に豉油だれの生抽・老抽・砂糖・水30mlを入れて弱火にかけ、砂糖が溶けたら火を止めてごま油を加える。
菜心は熱湯で1分ゆで、ざるに上げる。
土鍋(直径18cm前後)に米・水260ml・サラダ油5mlを入れ、中火にかける。沸騰したら底からひと混ぜし、ふたをせずに中火のまま5〜6分、表面の水分が引いて米の間に小さな穴がぽつぽつ開くまで炊く。
米の上に腊腸と生姜を手早く並べ、ふたをしてごく弱火で10分炊く。
ふたを開け、サラダ油15mlを鍋のふちに沿って回し入れる。再びふたをして中弱火にし、土鍋を少しずつ回して底全体に火を当てながら3〜4分加熱する。パチパチという音と香ばしい香りがしてきたら火を止める。
ふたをしたまま5分蒸らす。菜心を添え、豉油だれを回しかけて小ねぎを散らす。食卓で底のおこげごとさっくり混ぜて食べる。
本場と日本の違い
- 米の種類:本場では細長く粘りの少ない「絲苗米(スーミャオミー)」を使う。一粒一粒がほぐれ、腊腸の脂と醤油だれがよくなじむ。日本米で作るともっちりとまとまり、おこげも厚くなりやすい。
- 味付けのタイミング:日本の釜飯や炊き込みご飯は、だしと調味料を最初から米と一緒に炊く。煲仔飯は白米を炊き、具の脂とうま味を上から染み込ませ、最後に甘めの醤油だれをかける。ご飯そのものには味を付けないのが基本。
- おこげへのこだわり:本場では鍋肌に油を回して底をカリッと焼き上げる「飯焦」が主役級の扱い。日本の土鍋ご飯でもおこげは喜ばれるが、ここまで意図的に油を使って作ることは少ない。
- だれの配合:香港のホテルの料理長のレシピでは、生抽に氷砂糖・魚醤・調味醤油などを煮溶かした専用の豉油を用意しており、日本人が想像するより甘めの味付けになっている。
参考ページ(写真)
美食天下の「超正宗的广式腊味煲仔饭」レシピページに、米の炊き方からおこげの作り方までの手順写真が掲載されています。
(https://home.meishichina.com/recipe-362487.html)
代用可能な食材
- 長粒米:日本米で作る場合は、水を220mlに減らし、浸水は20分にする(粘りが出るため、底をいじりすぎない)
- 腊腸:中華食材店で入手できない場合は、ドライソーセージやベーコンで代用可(甘みが足りないのでだれの砂糖を2g増やす)
- 菜心:小松菜、チンゲン菜で代用可
- 老抽:なければ省き、生抽を小さじ1増やす(色は薄くなる)
保存・アレンジのコツ
- 炊き上がったらその場で食べ切るのが基本。残ったご飯はおにぎりにして冷凍し、温め直してから焼きおにぎりにするとおこげの香りが楽しめる
- 手順6で油を回した後に卵を1個割り入れて一緒に蒸らすと、半熟卵のせの屋台風になる
- 腊腸の代わりに、下味をつけた鶏もも肉や豉汁排骨(豚スペアリブの豆豉蒸し)をのせるのも広州の定番。生肉をのせる場合は、手順5の弱火を15分に延ばす
出典
本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。