アメリカ中華Orange Chicken

オレンジチキンレシピアメリカ中華の配合を徹底解説

オレンジ色のソースを絡めた揚げ鶏に皮の細切りと白ごまを散らし、ブロッコリーを添えたオレンジチキンのイラスト
地域
アメリカ中華
分量
2人分
公開

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アメリカで「いちばん売れている中華料理」と言っていい一皿が、オレンジチキンです。全米2,200店以上を展開する中華ファストフードチェーン「Panda Express(パンダエクスプレス)」の看板メニューで、NBCニュース(2022年の記事)によれば前年の販売量は1億1,500万ポンド(約5万2,000トン)超、売上のおよそ3分の1を占めたといいます。

生みの親とされるのは、同チェーンの料理長アンディ・カオ(Andy Kao)。1987年、ハワイ初出店(カリフォルニア州外で初の店舗)の準備で現地を訪れた際に考案したとされています。当初は骨付き・皮付きの鶏むね肉で作っていましたが、アメリカ人客は「骨なし・皮なしのひと口大」を好むことがわかり、丸ごとの赤唐辛子も抜いて辛さを控えめにした結果、今の形に落ち着きました。

ルーツとしてよく挙げられるのは、湖南料理の「陳皮鶏(陳皮=乾燥させたみかんの皮で香りづけした鶏料理)」です。ただし英語版ウィキペディアは、アメリカ版は乾燥皮の代わりに生のオレンジの皮や果汁を使い、アメリカ人向けに甘みを加えたことで、本来の辛く香り高い味とはかなり異なるものになったと解説しています。パンダエクスプレス創業者自身も「左宗棠鶏(ジェネラル・ツォー・チキン)のバリエーション」と語っており、いわば"甘酢系アメリカ中華"の代表格です。

ここから先は、英語の複数レシピを比較して割り出した、アメリカ式の配合と手順を解説します。

アメリカ式の配合

材料(2人分)

鶏肉と下味

  • 鶏もも肉(皮なし)3cm角に切る300g
  • 水大さじ1(15ml)
  • 紹興酒小さじ2(10ml)
  • 塩1.5g(小さじ1/4)
  • 白こしょう0.3g(小さじ1/8弱)
  • ごま油小さじ1/4(1ml)
  • 片栗粉(衣用)大さじ5(40g)
  • 揚げ油500ml

オレンジソース

  • サラダ油大さじ1/2(7ml)
  • にんにく(みじん切り)1片(5g)
  • しょうが(みじん切り)1かけ(5g)
  • 赤唐辛子(輪切り)小さじ1/4(0.5g)
  • オレンジ果汁(生を搾ったもの)100ml
  • オレンジの皮(すりおろし)小さじ1(2g)
  • 砂糖大さじ2(18g)
  • きび砂糖または三温糖大さじ1(9g)
  • 米酢大さじ2(30ml)
  • 醤油大さじ1(18g)
  • 水溶き片栗粉片栗粉小さじ2(6g)
    +水大さじ1(15ml)
  • 青ねぎ(小口切り)1本(5g)

作り方

  1. 鶏肉をボウルに入れ、水大さじ1・紹興酒小さじ2・塩1.5g・白こしょう・ごま油を加えてよくもみ込み、20分置く。

  2. 1に片栗粉大さじ5をまぶし、1切れずつ全体がしっかり白くなるまで衣をつける。

  3. 揚げ油を175℃に熱し、鶏肉を2回に分けて入れ、3〜4分、途中で返しながら薄いきつね色になるまで揚げて取り出す。5分ほど休ませてから、180℃で1分二度揚げするとカリッと仕上がる。

  4. ソースの材料のうち、オレンジ果汁100ml・オレンジの皮・砂糖・きび砂糖・米酢30ml・醤油を合わせ、砂糖を溶かしておく。

  5. フライパンにサラダ油大さじ1/2を中火で熱し、にんにく・しょうが・赤唐辛子を30秒炒めて香りを出す。

  6. 4の合わせ調味料を加えて煮立たせ、1分煮る。

  7. 水溶き片栗粉をよく混ぜてから少しずつ加え、スプーンの背にからむくらいのとろみがつくまで30秒〜1分混ぜる。

  8. 3の鶏肉を加えて手早く全体にからめ、器に盛って青ねぎを散らす。白いご飯や炒飯を添える。

本場と日本の違い

  • 原型とされる湖南の陳皮鶏とは別物:陳皮鶏は乾燥させた陳皮と唐辛子で香りと辛さを立たせる料理。アメリカ版は生のオレンジ果汁と皮で「甘酸っぱさ」を前面に出し、辛さはほんのり程度に抑えている。
  • "骨なし・ひと口大"へのローカライズ:考案当初の骨付き・皮付きから、アメリカ人の好みに合わせて骨なし・皮なしのひと口大に変えたことが、ファストフードとして広まる決め手になったとされる。
  • 日本の酢豚・油淋鶏との違い:日本の中華料理店で近いのは、甘酢あんをからめる酢豚や、揚げた鶏に醤油と酢のたれをかける油淋鶏(ユーリンチー)。オレンジチキンは酢豚のケチャップや油淋鶏の香味野菜だれではなく、柑橘の果汁と皮で香りをつけ、砂糖を多めに使って照りのある甘いあんに仕上げる点が大きく異なる。
  • 衣は片栗粉主体か、ふんわり衣か:家庭向けのレシピでは片栗粉をまぶすだけの薄衣が多い一方、チェーン店の再現レシピでは小麦粉・片栗粉・卵・炭酸水を合わせたふんわりした衣を使うものもある。

参考ページ(写真)

The Woks of Lifeのオレンジチキンのレシピページに、手順写真と仕上がりの写真が掲載されています。

(https://thewoksoflife.com/orange-chicken/)

代用可能な食材

  • 生のオレンジ:市販の果汁100%オレンジジュースで代用可(皮の香りがなくなるので、あればマーマレード小さじ1を加えると近づく)
  • 紹興酒:日本酒で代用可
  • きび砂糖:上白糖で代用可(コクがやや軽くなる)
  • 鶏もも肉:鶏むね肉でも作れる(揚げすぎるとパサつくので揚げ時間を30秒ほど短くする)

保存・アレンジのコツ

  • 揚げた鶏肉とソースは別々に冷蔵保存(2日程度)し、食べる直前に鶏肉をオーブントースターで温め直してからソースをからめると衣がべたつきにくい
  • ソースに陳皮1〜2片と乾燥赤唐辛子を加えて炒めると、原型とされる陳皮鶏に近い香りと辛さになる
  • 同じソースで揚げたえびや豚肉をからめても美味しい

出典

本文は上記の情報源を参考に、独自に再構成・翻訳したものです。